トマトの歴史は長く、各国様々な品種改良によりその国、その土地にあったトマトの品種が誕生し、新しい料理が生まれてきました。
世界の有名なトマト料理を国別に紹介していきます。トマト料理のレパートリーに加えられる料理があると思います。
まずはどの様なトマトの調理法があるかをご紹介します。
トマト調理法
生のままサラダに、オーブンなどで焼いて添え物に、肉や魚などと煮込んだり、また様々な加工食品にも利用されるトマト。そんなトマトの利用法を簡単にお伝えしたいと思います。
トマト調理法 生で使う
日本のようにトマトを生で食べるのは世界的に見て珍しく海外ではほとんどの場合加工して使用されます。
生のままで食べる事で瑞々しいトマトを味わうことができます。カット方法にも種類があり料理により使い分けられます。
櫛型(くしがた)にカット
一般的な切り方で、ヘタを取ったトマトを等分に包丁します。大型種のトマトは6等分や8等分にして使用することが多いです。
サラダに使う際によく使われるカットです。
スライス
ヘタを取ったトマトを縦もしくは横に均等な厚さで包丁します。
縦に厚めにスライスすると居酒屋見る冷やしトマトができ、横にスライスするとサンドイッチの具材、ピザのトッピングなどに利用できます。
ダイスカット
トマトを横半分にして種を抜き1cm角ぐらいの角切りにしたものです。パスタやピザ、サラダなど様々な料理のアクセントとして利用できるほかバゲットにのせたイタリア料理のブルスケッタ(湯剥きしたトマトを利用する場合もある)が有名です。
トマト調理法 焼く
トマトを焼くことで香ばしさが増し、酸味がアクセントにもなります。
オーブンで焼く
トマトを丸ごとオーブンで焼く方法です。また料理としては、中をくりぬいて挽肉などを詰めたファルシなどが有名です。ミニトマトを焼いて料理の付け合わせ(ガルニチュール)としても利用します。その他グラタンの具材などとしても用います。
輪切りにしたミニトマトを並べ塩を振りじっくりと焼き、乾燥させると、ドライトマトができます。ドライトマトはそのまま食べるほか色々な料理に活用ができ、また保存が長期間可能になる調理法です。
フライパンで焼く
台湾料理では櫛型に切ったトマトを卵と一緒に炒める一般的な家庭料理があります。オムレツの具材などのように何かに混ぜて焼いたりもします。
直焼き
焼き鳥屋で目にしますね。トマトを焼き鳥などと同様に串に刺して焼く方法です。ベーコンが巻いてあることが多いでしょうか。
トマト調理法 煮る
ヨーロッパでは「トマトの時期にヘタな料理はない」ということわざがあるほどでトマトと煮ればどんな料理もおいしくなると意味合いがあります。
丸ごと煮る
トマトを丸ごと煮込む方法で和風の煮浸しや中をくりぬいて挽肉などを詰めて煮るなどの調理方もあります。
日本では湯剥きした丸ごとトマトをおでんの具材としても利用する場合があります。
つぶして煮る
一般的なトマト煮込みの手法
トマトを肉や魚介、野菜などと一緒に煮る方法で生のものだけではなくトマトのホール缶を用いたりもします。
串に刺して煮る
日本ではミニトマトを串に刺しておでんの具材としても用います。
トマト調理法 蒸す
トマトを丸ごと香草などと一緒に蒸す。トマトの旨味や甘さが際立つ調理法です。
ミニトマトの場合も丸ごと利用します。
トマト調理法 揚げる
ミニトマトにパン粉をつけてフライにする方法です。串に刺して串揚げにする場合などもあります。また天婦羅に用いたりもします。
世界のトマト料理 スペイン
スペインはトマトを南米から持ち帰った国として知られ世界中にトマトが伝来するきっかけを作った国でもあり、それだけにトマト料理も豊富にあります
スペインバレンシアの町ブニョールでは有名なトマト祭り「トマティーナ」が毎年行われており世界中から参加者、観覧者が訪れ、町の人口の倍以上の人数となる。ちなみにトマト祭りの起源は定かではない。
パン・コン・トマテ
パンにニンニク、完熟トマトをこすり付けオリーブオイル塩胡椒で味付けしたカタルーニャ地方の料理
ガスパチョ
スペインを代表するスープの一つ。
トマトを入れなくても作れるがトマトが入っているのが一般的。アンダルシア地方発祥の料理で野菜とパンが入った冷製スープである。
アルボンディガス
スペインの伝統料理で肉団子のトマト煮。
バルなどでも良くみかけ、家庭料理としても良く利用される。
世界のトマト料理 イタリア
イタリアでトマトが食用とされたのは18世紀になってからと言われるがパスタなどのソースとして使われるようになり一気に広まり様々な料理に添えられるようになった。
イタリアの国は縦に長い構造をしているが南北で料理の文化に多少の違いがあり、オリーブやトマトの栽培に適した南部ではこれらの食材を特によく使うのである。
日本でも親しまれているトマトソースもイタリア南部の都市ナポリで18世紀に誕生したものであり、パスタの消費量も北部よりも南部の方が多い。我々が一般的にイメージするイタリアンという料理はイタリア南部の料理がもとになっていると考えられる。
カプレーゼ
イタリア料理の代表的な料理の一つカプレーゼ。
イタリア南部カンパニア地方のサラダで、バジル、トマト、モッツァレラチーズを用います。
日本で『イタリア料理、トマト』で一番有名で親しまれているのではないでしょうか。イタリア料理店でなくても居酒屋などの献立にも記載があるほど。
ポモドーロスパゲッティ
ポモドーロとは「トマト」のことで、ポモドーロスパゲッティはトマトスパゲッティを指します。
パスタにトマトが合うことからトマトの生産量が飛躍的に伸びるきっかけとなった料理とも知られています。
ブルスケッタ
イタリア中部の郷土料理の一つで焼いたバゲットにニンニクを擂り、トマトやバジルをのせた料理。州によって作り方は様々である。
世界のトマト料理 フランス
フランスでは夏になると数十種類ほどのトマトがスーパーに並ぶほど品種が豊富で、トマトを使用した料理も数多くあります。
フランスではスペイン出身の兄弟がパリで店を開き、その直後にフランス革命が起きたためパリに集まった民衆によりトマト料理が知れ渡り広まった。
トマトファルシ
ファルシは詰め物の一つで肉や魚や野菜などに他の食材を詰めたもので、トマトファルシはトマトの中に挽肉などを詰めた物が一般的で日本風に言うならトマトの肉詰めです。
プーレシャスール
猟師風鶏のトマト煮です。
シャスールが狩人、猟師という意味がある為こうした名前になります。
この料理にはトマトを入れない方法もあります。
ヨーロッパ地方のトマト料理
今まで紹介した以外にもクロアチアのブロテッド(魚介のトマト煮込み)やハンガリーのグヤーシュ(野菜のスープ)、ロシアのボルシチ(牛肉のスープ)などが有名です。
ヨーロッパではトマト煮込みやスープなどに用いられることが多く、またソースとしても様々な料理に添えられます。
世界のトマト料理 アメリカ
ヨーロッパのトマト料理と違いアメリカでは生のままサラダとして利用する他、ソースとして利用することが多い。
アメリカでは1838年にトマト缶詰の製造技術が完成し、これによりトマトを一年中利用することが可能になり、栽培が盛んになった。
1876年に日本でもおなじみのハインツが世界で始めてトマトケチャップを開発した。これにより手軽になんにでも使えるケチャップはアメリカ全土にいきわたり様々なシュチュエーションで用いられることとなる。
トマト料理ではないですが、アメリカとトマトと言うと『キャンベルのスープ缶』を思い浮かべる方もいるのではないでしょうか。1962年に描かれたアンディ・ウォーホル「キャンベルスープの缶」は有名ですね。
私アメリカに行ったことがないので、よく映画などで見かけるテイクアウトの箱とスープ缶の食事は少々憧れがあります。
BLTサンド
日本でもおなじみのサンドイッチでベーコン、レタス、トマトがサンドされている。
似たものに『クラブハウスサンド』がありますが少々違います。簡単に違いを紹介します。
BLTサンド | クラブハウスサンド | |
パンの枚数 | 2枚で具材を挟む | 3枚で具材を挟む |
具材 | ベーコン・レタス・トマト | 肉類が入っている、色々入ってる |
パン | トーストしていない | トーストする |
世界のトマト料理 中南米
南米は発祥のペルーを始めトマトが古くから栽培され食用とされてきたために様々な料理に使われています。その多くはソースや煮込み料理などとして、牛肉などと一緒に用いられることが多いようです。
チリコンカン
メキシコ発祥の料理でひき肉、トマト、ビーンズなどを煮込んだ料理、トルティーヤや肉料理、チーズなどと共に供する。
サルサメヒカーナ(サルサソース)
メキシコの一般的なソースでトマト、玉葱、コリアンダー、緑の唐辛子を刻んだ辛めのソース。緑色の唐辛子を使うことでメキシコの国旗をなぞらえて作られています。
ロモサルタード
ペルーのトマト料理。
牛肉とトマトとフライドポテトの炒め物。
ギサド・デ・ポーヨ
コロンビアの家庭料理で鶏のトマト煮込み
世界のトマト料理 アジア
トマトの世界生産量の1位中国、2位インドとなっていて世界のトマトの45%程はアジアで生産されている。
日本でも近年、目にすることが多くなってきた『フルーツトマト』だが、韓国ではロシアでは果物としケーキのトッピングに用いられる事もあるようです。
番茄炒蚕(ファンチェチャオダン)
中国の一般的な家庭料理でトマトと玉子の炒め物。
一番最初に覚える料理と言われている。
トマト牛肉麺
台湾料理の一つで、トマトと牛肉、野菜を煮込んだピリ辛の麺料理。
屋台などで良く提供されている。