長ネギの青い部分捨てていませんか?長ネギの青い部分は栄養素も高いので捨ててしまうのはもったいないので、今回は長ネギの青い部分の話をしていきます。
長ネギには、白い部分を食べる『根深ねぎ』と葉の部分を食べる『葉ねぎ』があります。
関東の人は根深ねぎが主流でこの根深ねぎの事を、長ネギや白ネギと呼びます。関西では葉葱が主流です。
なぜ関東方面では根深で関西方面では葉ネギなのでしょうか?『長ネギの歴史』を見てみると分かると思います。
今回は根深ネギの青い部分のお話です。
長ネギの青い部分は何なのか?
長ネギの青い部分には名前があります。葉身(ようしん)という名称になります。白い部分は葉鞘(ようしょう)とういう名称になります。
長ネギは土に埋まっていますがこの長ネギの青い部分は土から出ていて太陽に当たっている部分です。白い部分は土の中にある部分です。
長ネギの青い部分も白い部分も葉っぱなのです。
太陽に当たっていた分、固くなっていますが食べても何の問題はありません。
また長ネギにも茎がありますが茎と言われる部分は根っこの上5㎜~1cm程度の所だけです。
青い部分のヌルっは?
長ネギの青い部分を調理しようとしてヌルっとしていて、捨ててしまったという方も居るのではないでしょうか??このヌルっの正体は『フルクタン』という成分です。
フルクタンという名前を初めて聞くかたもいるかもしれませんが、フルクタンは多糖類であり、水溶性食物繊維の一種で長ネギの青い部分の他にらっきょう、アスパラガス、玉葱、コムギなどにも含まれています。
寒さに耐えた野菜は甘いなんてことを良く聞きますが、寒さに耐えるために野菜は糖を出して凍結を防ぐことがこの原理になっています。
長ネギのフルクタンには甘みと香りが凝縮されており、長ネギの青い部分は地中から顔を出しているにも関わらずフルクタンがある事で凍らずに成長できるそうなのです。
フルクタンとは!?
長ネギの青い部部には『フルクタン』という成分が含まれている事が分かりました。このフルクタンとはなんなのか?という解説をしていきます。
長ネギの他にもらっきょう、アスパラガス、玉葱、コムギなどにも含まれてると言いましたがこの他にも、ヨーグルトやチョコレートなどに添加されている事が多いです。
オリゴ糖と聞いた事があると思いますが、このオリゴ糖もフルクタンの一種です。
このフルクタンは整腸作用に効果がある他、血中コレステロール値や血糖値の抑制作用、保湿、ミネラルの吸収促進などの効果があります。
青い部分、フルクタン以外の成分は?
長ネギの青い部分、葉のぬるぬるとした部分にはには緑黄色野菜なみの栄養素がありビタミンCやカロテン、カリウムなどを豊富に含んでいます。どの様な栄養素があるか紹介していきます。
β‐カロテン
高い抗酸化作用があり体内の活性化に関与するため美肌や免疫力の向上などの働きがあります。この成分は脂溶性である為、油に溶けやすく炒め物などや先ほどご紹介した葱油などとして利用すると効果的に摂取することができます。
カルシウム
骨や歯の主要な成分として知られる他、筋肉収縮の抑制や血液凝固作用の促進などの働きがあります。
カリウム
カリウムはキノコ類に多く含まれる栄養素の一種で余分な塩分を体外に排出する働きがあり、高血圧などの予防やむくみなどの改善効果があります。
ビタミンC
人間の体内の酸化を防いでくれる抗酸化作用に優れた栄養素で、皮膚や粘膜などの老朽化の予防に働きかけます。また免疫力を高めることから様々な病気の予防にもつながります。
硫化アリル
長ネギの白い部分にも含まれている硫化アリルですが、ビタミンB₁の吸収を高めることで疲労回復に役立ったり、殺菌作用からのどの痛みや咳を鎮める効果が期待できます。また体温を上昇させる働きから風邪などの予防にも効果があります。
ビタミンK
ビタミンKは丈夫な骨づくりに必要不可欠な成分でありカルシウムの吸収をサポートする役割がある他、血液凝固の促進にも働きがある成分です。
白い部分と青い部分どっちが栄養素高い?
長ネギの青い部分には上記の成分があり、特にカルシウムやβ‐カロテン、ビタミンCなどは長ネギの白い部分よりも含有量が多いのです。
長ネギの白い部分は淡色野菜で青い部分は緑黄色野菜に分類されることもその理由の一つでしょう。
長ネギは青い部分と白い部分を一緒に食べることで非常に様々な栄養素をサポートできる優れた野菜なのです。
長ネギの栄養素でも根深より葉ネギの方が栄養素が高いです。詳しく知りたい方は『長ネギ栄養素』をご覧ください
長ネギの青い部分活用法
ここまでで長ネギの青い部分の栄養素が分かって頂き、捨てるのはもったいないと感じて頂けるようになったと思いますので、ここからは有効な活用法を紹介していきます。
スーパーで売られている長ネギを見つけたらまず、青い部分に目を向けてみましょう。
白い部分を観察するより、長ネギの良し悪しが分かりやすいと思います。
綺麗な緑で色あせていない物を選んでください。
長ネギの青い部分で薬味
長ネギの青い部分には強い辛味がありますが、辛いのが平気だという人は是非この部分を薬味に利用してみてください。
普段万能ねぎなどを薬味に使っている所を長ネギの青い部分を刻んだものに変えるだけです。
良く水にさらしてからじゃないと辛みが強いかもしれませんが、薬味として辛味がアクセントとなりいつもとは一味違った味わいを楽しめます。
冷奴や蕎麦、ラーメンに上にのせたりなど色々なシーンで活用できます。
長ネギの青い部分でネギ油
長ネギの青い部分を使ってお店の本格中華で使うような葱油が作れます。
長ネギの青い部分をざく切りにしニンニクと一緒に低温の油で揚げていきます。程よく色づいたらネギやニンニクを除き、清潔な瓶などに保存すれば香ばしい葱の香りがついた葱油の完成です。
チャーハンを作る際に使用したり炒め物に用いると本格中華のような味わいを楽しめます。
長ネギの青い部分で炒め物
青い部分を炒め物の具材として調理することも可能です。少々硬いので小さめに切って利用すれば一つの具材として用いることができます。
肉と一緒に炒めることで肉の臭みも撮ってくれますし、長ネギの白い部分も合わせて利用するとこれらは栄養価が異なる為、栄養価も満点の炒め物になります。また緑色が入る事で料理としても鮮やかになるのでお勧めです。
長ネギの青い部分で臭み取り
長ネギには硫化アリルという成分が含まれており、この成分には肉などの臭みを取る働きがあります。
この硫化アリルには様々ありますが、玉葱を切った時に生じる目の痛みは硫化アリルが揮発したことで起こる現象であったり、生ニンニクの強い辛味も硫化アリルの刺激だったりもします。これらの野菜も臭み取りに利用されていることがありますね。
もちろん長ネギの白い部分にも硫化アリルは含まれているのですが、肉を煮るためだけに白い部分を使うのはもったいない為、青い部分が使われることが多いです。
角煮を炊く時などは、長ネギの青い部分と生姜と酒で臭い取りをします。