野菜

蓮根品種、貴方はどっちがお好き!?『もっちり』と『シャキシャキ』品種

蓮根品種

縁起の良い食べとされる蓮根ですが、皆さんが良く口にするのは『シャキシャキ』していて歯ごたえの良いものではないでしょうか?蓮根にはもっちり弾力があり粘りが強い品種もあります。今回はそんな蓮根の品種について紹介してきます。

縁起の良い食べ物と言いましたが、れんこんは穴が複数開いていることから、先が見通せるという意味で縁起物とされています。またおせちなどは縁起物のオンパレードで験担ぎまくりです。『おせちの意味』で色々な食材の縁起物とされる意味を紹介していますので、そちらもご覧ください。

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蓮根種類

蓮根品種を語るのにまずは、在来種、中国種という種類のお話を少しさせて頂きます。

現在スーパーなどで見かける蓮根の大半は中国種となっています。

中国種とは明治時代以降に中国から導入された品種です。この中国種は地面が浅い田んぼなどでも収穫できる。現在様々な品種改良された蓮根がある。

在来種とは、鎌倉時代に僧道元らにより持ち帰られた品種が食用となり、日本各地へ知れ渡る事となり現在の在来種となった。

それ以前に鑑賞目的であったであろう蓮の古代種といのもあります。古代種や蓮根の歴史に興味のある方は『蓮根歴史』に詳しく記載していますのでそちらをご覧ください。

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蓮根品種

現在流通している蓮根の大半は中国種、もしくは交配種となっています。

在来種は切ると糸を引くほど粘りがあり柔らかな弾力の食感が特徴的です。

中国種でもこの在来種のような特徴を持ったもの存在しますがシャキシャキと歯ごたえが良いものなどが多い。

どの様な食感でどの様な特徴を持った蓮根なのかを紹介していきます。

金澄れんこん

シャキシャキ系蓮根

千葉県の蓮根生産者の金坂さんが育成した品種で中国種と在来種を交配して作られた品種です。関東の蓮根で栽培されている蓮根のおよそ7割ほどがこの金澄蓮根です。

金澄系と呼ばれるこの品種は金澄1号~37号まであります。

金澄蓮根は太く短いのが特徴。晩成種

だるまれんこん

大口れんこんと呼ばれる事もある。シャキシャキ系で関東では非常に良く見かける種。

皮を剥くと真っ白で丸々とだるまの様な見た目から、だるまれんこんと言われています。

シャキシャキしていて、粘り気もあり、旨味も強いれんこんの種で晩成種

備中(びっちゅう)れんこん

粘りがあり柔らかな弾力の蓮根

明治時代初期に備中蓮根は食用として中国から伝来し、その後各地に伝播した日本の中国種の起源と言われております。

現在徳島県など西日本で栽培されている。

長楕円形の整った形をしておりもっちりホクホクした濃厚な旨味が特徴です。

志那白花(しなしろばな)

粘りがあり柔らかな弾力の蓮根

1965年頃に志那連種から改良され育成されたのが志那白花。

石川県、山口県で栽培されている。石川で栽培されたものを『加賀れんこん』、山口で栽培されたものを『岩国れんこん』と呼ばれブランド化されている。

加賀れんこん

でんぷん質で粘りが強いのが特徴で肉厚。

石川県金沢市の伝統野菜で加賀野菜の一つとして数えられているブランド蓮根で支那白花という品種。江戸時代に加賀五代藩主である前田綱紀が参勤交代時に美濃から持ち帰った苗を植えた事が始まりとされ長い歴史を持つ。

岩国れんこん

1796年藩主である吉川経忠の命を受けた篤農家村本三五郎が現在の岡山県から種となる蓮を持ち帰り錦川下流の門前地区に植えたのが起源とされているブランド蓮根。

肉質は粉質で柔らかく、折ると糸を引くほどです。淡泊で癖がない為様々な料理に合います。品種としては加賀蓮根と同じ支那白花という品種の蓮根。

山口県では昔から岩国れんこんの栽培が盛んで岩国を代表するれんこん料理があり『氏盛料理』と呼ばれ、祝いの席などにも提供される。

氏盛料理とははすのさんばい、岩国寿司、大平の3種料理のことを指す

『れんこん料理』で氏盛料理がどの様な郷土料理かも解説しています。興味がある方はそちらもご覧ください。

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ロータス

岡山県から愛知県に導入された岩国系蓮根から選抜された一般的にスーパーなどで見かける蓮根の多くはこの「ロータス品種」でありシャキシャキとした食感が特徴であります。

備中種に比べ早生性と耐病性を持つ品種で肉質は少々固い

オオジロ

約40年前に倉敷市で偶然発見された品種です。蓮根は肉厚でシャキシャキした食感が特徴。

収穫期が早く極早生、備中種に比べて腐敗病に強く、短節だが、長節の品種の中では極早生であるため、ハウス栽培やトンネル栽培でも3月中~下旬に植え付け、7月下旬に収穫できる。

白石れんこん

白石れんこん

佐賀県の白石平野で栽培されていることからその名がついた蓮根で大正11年にある一人の農夫が植えた事がきっかけで栽培が始まりました。

重粘土質の土壌で栽培されている白石蓮根は折ると糸を引くほどで非常にもっちりとした食感が特徴です。

赤蓮根

全体的にピンク色をした珍しい蓮根で「友弘」とも呼ばれます。備中種から突然変異で生まれたとされる蓮根で主に徳島県で栽培されています。

備中種同様に粘り気が強く柔らかいのが特徴です。収量も少ない為入手も非常に困難な蓮根と言えます。

蓮根品種・在来種

ここまで中国種や在来種との交配種など紹介してきましたが、現在在来種は非常に少なくなっており『天王(てんのう)』や『上総(かずさ)』などの品種があるが手に入れるのも苦労する。

私、20年以上板前をやっていますが、この在来種の蓮根は扱ったことが無い。普通に生活していたら出会うことも無いような貴重な蓮根。

この在来種の蓮根は時期になれば少量市場に並ぶ、しかしながら少量の為価格も高く、ちょっと味見したいという感覚で手に入れられるものではなかった。

れんこん生産量

令和2年(2020年)れんこんの生産量を見てみましょう。

【農林水産省・作物調査を参考】

れんこんの生産量は

  1. 茨城県
  2. 佐賀県
  3. 徳島県
  4. 愛知県
  5. 山口県

となっております。3位までの各県のれんこん事情を見てみましょう。

茨城県のれんこん

2020年全国のれんこん生産量は55000tとなっています。

茨城県は28600t生産していて全体の52%が茨城県のれんこんです。

『金澄』や『だるま』系のれんこんが生産の中心。どちらもシャキシャキしたれんこん。関東の人はこのれんこんを口にしている事が多い。

佐賀県のれんこん

佐賀県は5120t生産していて全体の9.3%が佐賀県のれんこんです。

佐賀県発祥の『白石れんこん』の他『金澄』や『ダルマ』系のれんこんの栽培を行っています。

徳島県のれんこん

徳島県は4840t生産していて、全体の8.8%が徳島県のれんこんです。

佐賀県では『備中』や『オオジロ』『ロータス』等の品種が多く生産されている。