食に関する知識

おせち料理の意味とは!!縁起物とされる食材や料理。その食材の持つ意味とは!?

おせちの意味

私は高校卒業して懐石料理店で働かせてもらう事になりました。それまでお節料理など正月に食べてもその意味など考えることもしなかったです。

近年では家でお節料理を食べる家庭が減っているようです。そこで今回は年の初めになぜお節を食べるのか?またその料理や食材にはどの様な意味が込められているのかを紹介させて頂きます。

縁起物って何?

縁起物とは良い事がありますようにと祈るための物です。

げんをかつぐという事ですね。漢字で書くと験を担ぐとなります。

意味や由来はウィキペディアから参照させてもらいましょう。

験を担ぐ(げんをかつぐ)は、ある物事に対して、以前に良い結果が出た行為を繰り返し行うことで吉兆を推し量ること。また、良い前兆であるとか悪い前兆であるとかを気にする、すなわち、縁起を気にすることや、縁起を気にして物事の成功を願った行動を行うこと。験担ぎ(げんかつぎ)、ゲン担ぎとも言う。これが過度になり、生活に支障が出るほどになると強迫性障害となる場合もある

語源・由来

本来は「縁起を担ぐ」であったが、江戸時代に流行った逆さ言葉で縁起を「ぎえん」と言うようになり、それが徐々に「げん」に変化したとする説が一般的である。

「験」には「仏教の修行を積んだ効果」や「効き目」などの意味がある。

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

お節料理っていつから始まったの?

おせち料理

おせち料理という名称になったのは第二次世界大戦後で現在の重箱に入ったよく目にするおせちの形が確立したのは、デパート等でおせち料理が販売したのをきっかけに普及したとされています。

意外に歴史は浅くデパートが始まりだというのも驚きなのではないでしょうか。

ではおせち料理の起源を辿ってみましょう。

おせち料理とは

おせちは節日(せちにち・せつにち・せつじつ)に作る食物の意味の『御節供(おせちく)』を江戸時代に読み易く転訛(てんか)した言葉です。

 節日

季節の変わり目など、祝いを行なう日。元旦・白馬(あおうま)・踏・端午・相撲・重陽・豊明(とよのあかり)などの行事のある日。

出典:コトバンク

節日のうち最も重要とされたのがお正月だったことから、いつからかおせち料理が正月料理の事を指すようになりました。

御節供(おせちく)とは

1月1日の膳、1月7日(人日)の七草粥、1月15日の小豆粥、3月3日(上巳)の草餅と白酒、5月5日(端午)の柏餅とちまき、7月7日(七夕)の索餅、9月9日(重陽)の栗飯と菊酒など

この中の、1月7日(人日)、3月3日(上巳)、5月5日(端午)、7月7日(七夕)、9月9日(重陽)が節句や五節句と呼ばれる。

おせちの歴史

織田信長が家中を集め正月五日に新年の『節振舞(せちふるまい)』をしたという記録が室町殿日記に残っています。

江戸時代中期には「正月に親類縁者子供残らず呼び寄せ、それぞれ分限に応じ、結構にして目出度き寿を謳い、酒盛りをして遊ぶ」ことを節振舞を呼んだとされていて、これを椀飯(おうはん)とも呼んでいたとされています。

皆であつまり酒を飲んだりすることを節振舞と呼ばれてその時に出されていた料理が喰積み(くいつみ)と呼ばれるもので、関西では蓬莱(ほうらい)飾りと呼ばれていた。

喰積みとは年賀の客をもてなすための料理を重詰めしたもので今日のおせちの原型がこれです。

縁起物食材と料理

お節料理では特に縁起物とされる料理が多く使われます。おせち料理に使われている食材や料理。祝い事で多く使われる食材や料理を大まかに魚と魚以外を野菜として紹介していきます。

縁起物食材 野菜

縁起物とされる食材の野菜を紹介します。

野菜と大きく括りましたが、魚以外の物全てこちらで紹介しています。玉子なども紹介していますが、野菜ではございません。ご了承下さい。

栗金団(くりきんとん)

栗金団

金運上昇の縁起物とされています。 一年の豊かさと勝負運の向上を願ってお節料理の定番です。

金団とは金の団子、金の布団とされています。栗金団の黄金色から小判や金塊を思わせる事から縁起物とされています。また名前に『ん』が入っていると金運を上げてくれる食材とされています。

サツマイモと栗から作られる、クチナシで色を付け鮮やかな黄金色にする。

近年、サツマイモと栗の甘露煮の既製品を使い甘みを調整して作っている店舗も多い。

伊達巻(だてまき)

伊達巻

知恵が増える事の縁起物とされています。

書物の様に見える、似ている事から知恵が増えるとされる。

鮮やかで派手な見た目で、派手やおしゃれを意味する伊達が使われているという説があります。

すり身と玉子に味を付け焼き上げた玉子焼きです。

鬼まきす又は鬼簾(おにすだれ)という伊達巻を巻く時にしか使わない調理器具を使います。普通のまきすは平らなのに対し鬼まきすは凹凸があります。巻き付け輪ゴムなどで型が付くまでとめておきます。

錦玉子・錦糸玉子(にしきたまご)

財宝の意味を持ち縁起が良いとされる。

錦玉子は卵の白身と黄身を分け、蒸し、裏漉しをして固めた料理で白身を銀を表し、黄身を金に見立てています。金色と銀色の糸が織り合わされ、豪華絢爛な宝とも言える錦が完成するという意味合いがあり、財宝をイメージさせます。

市松や渦巻きなど店舗によって作り方見せ方は異なります。

またこの『錦』という漢字には、いろいろの糸で模様を織り出した高級の織物、いろどりが美しいなどの意味を持ちます。本来、二色玉子よかったはずですが、より美しく見せるため当て字の錦を使っています。

蓮根(れんこん)

子孫繁栄などの縁起物とされています。

れんこんは種が多く1株から沢山収穫できることから子孫繁栄の縁起物。

れんこんは沢山穴が開いていて向こう側を見ることが出来るので、先の見通しが良くなるようにという願いを込めた縁起物。

れんこんの花の、蓮の花(はすのはな)は仏教で極楽浄土に最もふさわしい花ともされています。

おせち料理には矢羽根蓮根として使われる事も多いと思います。この矢羽根にも意味があり。破魔矢と言われ『魔を祓う』意味を持ち、また矢なので『的を射る』と意味を持ち、2重に縁起の良い料理。

また名前に『ん』が入っていると金運を上げてくれる食材とされています。

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慈姑(くわい)

めでたい、の語呂合わせや立身出世の縁起物とされています。

慈姑はスッと芽が出ている姿から『芽出たい(めでたい)』。

慈姑のまっすぐ伸びた芽が出世する人間に重ねられ『立身出世』。

6方剥きや8方剥き、松笠(まつかさ)や鈴に剥いて使う。

松笠慈姑は松ぼっくりに見立て、鈴慈姑は鈴に見立てている。

里芋

子孫繁栄の縁起物とされています。

親芋から沢山の子芋が出来る事から、子孫繁栄の縁起物とされ、里芋の中でも八頭(はつがしら)は末広がりで縁起の良い八の漢字が入っている事から、八頭を使う事が多い。

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金柑(きんかん)

富を表す縁起物とされています。

金柑は金冠と綺麗な色合いが黄金のようなまばゆい色として富の象徴とされています。

名前に『ん』が入っていると金運を上げてくれる食材とされています。

黒豆

黒豆

勤勉・健康・長寿の縁起物とされています。

黒は邪悪な物を祓う色だとされています。

豆は語呂合わで『マメに働けるように』という願いがこめられ、黒豆には『黒くなるまで元気に働ける』様にとの意味も込められています。

店舗によってはシワが出るように煮て、長寿を願う事もあるそうです。

チョロギ

長寿の縁起物とされています。

チョロギの当て字に『長老喜』などを使います。

椎茸

長寿の縁起物とされています。

椎茸を六方形にカットし亀に見立てた物を使用します。亀は長寿の象徴とされいます。

また椎茸の裏に魚の白身等を付け煮含めた物を『裏白椎茸』と呼びます。裏が白いから裏白なのですが、おせちに使われる皆敷(かいしき)に裏白というシダの仲間の葉があります。この裏白にも意味があります。

裏白の意味もこのまま読み進めて頂ければ食材以外の縁起物で紹介しています。

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牛蒡(ごぼう)

延命長寿・家庭安泰などの縁起物とされています。

ごぼうはは地中に根を張り力強く成長しますこの事から延命長寿の縁起物とされ、土地に根付く姿から『家族が土地に根付いて安泰に暮らせるように』と家庭安泰の願いも込められています。

牛蒡の種類に堀川ゴボウという物があり、真ん中に穴が開いています。この堀川ゴボウを使用して蓮根と同じ先が見通せるようにと言う意味を持たせていた店舗もありました。この堀川ゴボウは綺麗に真ん中に穴が開いた状態で使う事や中に魚のすり身など鋳込んで使いう事もありました。

『叩きゴボウ』とする方も多いと思います。ゴボウを叩き身を開く事から新年の運を開くとされ、叩きゴボウの姿が豊作の象徴の瑞鶏(ずいちょう)に似ている事から五穀豊穣の縁起物とされてきました。

近年ではせちのゴボウ料理は『八幡巻き』が多い気がしますね。八幡巻きはゴボウを芯にして牛肉や鰻、穴子などで巻いて、煮たり焼いたりして味を付けた料理です。こちらも叩きゴボウ同様五穀豊穣の縁起物とされ、ゴボウの見た目から細く長く幸せ続くようにとの願いが込められています。

百合根(ゆりね)

子孫繁栄、無病息災などの縁起物とされています。

百合根は名の通りユリの根、球根です。実が花びらのように重なり合っています。これを子宝に見立て子孫繁栄の縁起物とされ、百合根は滋養強壮に良い食べ物なので無病息災を願われ食されます。

紅白なます

紅白なます

紅白が縁起が良いので使われます。

大根と人参の酢の物です。人参は京人参が使われる事が多いです。

梅人参

梅は厳寒の中で、ほかの花に先駆けて咲く香り高い事から縁起の良い花とされてきました。

人参を梅に見立て包丁してねじって使う事が多いです。

梅に関してはおせち料理の前進、食積みが食されていたころ、梅干がが入っていて、シワが多い事から長寿の長寿の縁起物とされていました。

菊花蕪(きっかかぶ)

菊は邪気を払うとされています。

煮物の菊花蕪でなく、酢の物にして真ん中に輪切りの唐辛子を添えることが多いです。

縁起物食材 魚

縁起物とされる魚を紹介していきます。海産物全般を魚という括りにしてあります。

海老(えび)

長寿の縁起物とされています。

海老はおせちに限らず祝いの席には必ずと言っていい程使われる食材です。

海老は曲がった腰と長いひげが長寿の象徴とされ、目が飛び出しているので目出たし(めでたし)とされ、脱皮を繰り返す事から、新たに生まれ変わるというイメージもあり、成長と発展の縁起物ともされています。

見た目も綺麗な赤色でおせち料理には欠かせない食材です。

基本、車海老を頭付きのまま竹串を刺して同じ形に腰を折り、艶煮やうま煮といった煮物にして使っている店舗が多かったですが、真っすぐに伸して味噌漬けにして使っている店舗もありました。

また伊勢海老も同じ様な意味を持ち使われます。

鮑(あわび)

不老長寿の縁起物とされています。

鮑は長生きで20年程生きる事から不老長寿の縁起物とされています。

お祝いの時に自身の名を書く、のし紙に水引のプリントと左上に熨斗(のし)のプリントがあるもの見た事があると思いますが、この熨斗は本来、熨斗鮑(のしあわび)と言い、鮑を乾かし引き伸ばしたものが使われていました。

昔から鮑は縁起物の良いものとされていました。

常節(とこぶし)

常節には別名『ふくだめ』という別名があり、福がたまるという願いが込められています。

鮑の代用品とし使われる事が多いです。

蛤(はまぐり)

夫婦円満の縁起物とされています。

2枚の貝殻がピタリと合わさっている様子から、運命の人との出会いや一生を添い遂げるといった意味を持ち夫婦円満の象徴とされています。

結婚式などではよく見る食材ですが、おせちに使用している店舗もありました。

素焼きにしたり、むき身を含め使用したりしていました。

蛸(たこ)

蛸は多幸と当て字が使われ、一年の幸せがあるため、縁起物とされています。

蛸は茹でると紅白になるので祝いの席では使用しやすい食材で、蛸が墨を吐いて逃げる姿から『苦難を煙に巻く』とされ縁起が良いとされています。

蛸は酢だこにされ使われる事が多いと思いますが、和食店のおせちには柔煮や小豆煮などで使用されている事もあります。

鯛(たい)

めでたい席には欠かせない鯛。語呂あわせで『めで鯛』や商業の神様恵比寿様が持っていたことから縁起物とされる。

また鯛のエラの付近に鯛の形をした骨があり、これを鯛の鯛といいさらに縁起の良いものとされています。この鯛の鯛は厄除けや開運アップがあると言われています。

私が板前修業一年目にこの鯛の鯛の話を聞き、洗い場だった私は鯛の鯛を綺麗にして集めたのを覚えています。ニスを塗って紐を通して寮の部屋に飾っていました・・・どこにいったのかは分かりませんが。

鰤(ぶり)

立身出世の縁起物とされています。

鰤は言わずと知れた、成長魚でこの姿を社会で出世していく人に当てはめ立身出世の縁起物とされています。

昆布巻き

子孫繁栄・不老長寿の縁起物とされています。

基本昆布に巻く物は鰊(にしん)を使います。

二親(にしん)が養老昆布(よろこぶ)と言われ両親の健康、長生きを願い、子生(こぶ)という漢字を当てると子孫繁栄を願い。非常に縁起の良いもとされています。

田作り

五穀豊穣・子孫繁栄の縁起物とされています。

カタクチイワシの幼魚を炒って甘辛く味を付けた物。

昔、イワシを田んぼの肥料にしたところ豊作になり、田を作ることから田作りと呼ばれるようになりました。

ごまめとも呼ばれますが、この時、五万米(ごまめ)と漢字が当てられることがあります。これも豊作祈願から来ることです。

幼魚を使用している事から、子宝に恵まれると考えられ、子孫繁栄の縁起物とされています。

おせちで使われる食材以外の縁起物

食材以外にも正月は色々用意することと思います。食材の他おせちに関連する縁起物やちょっとした豆知識をご紹介させて頂きます。

重箱

現代のおせちは3段の重箱が多いのではないでしょうか?私が今まで勤めていた店でも3段が多かったです。

一説として五段の重箱で作り、五の重には料理を入れず、神様から授かった福を詰める為空にしておくそうです。

水引

水引は水の持つ力「浄化」「祓い浄め」「邪気祓い」など効果があるとされ、祝いの席などでは必ず使われています。

祝い箸

正月の箸だけ違うな!?と思った方もいるのではないでしょうか、これにも意味があります。

祝い箸は柳の木を八寸(24cm)両端が細くなっています。

柳が使われる理由としては、春一番に芽吹くおめでたい木とされている事、柳はしなやかで折れにくい、また柳は邪気を払うとされてお祝いの席にふさわしい素材とされています。

家内喜(やなぎ)の語呂合わせで縁起が良いとされています。

八寸の理由は八は末広がりで縁起の良い数字とされているためです。

両端が細くなっている理由は片側は人間(自分)が食べるのに使い、もう片方は神様が食べるのに使う為とされています。これを「神人共食(しんじんきょうしょく)」呼び。神様と人が同じ食事を味わうことを言い、昔の方は神様が召し上がったものには特別な力が宿ると考えていたり、神様に捧げたお供えを人がいただき、ご利益を得ようとする考え方を指します。

裏白(うらじろ)

裏白はシダの仲間で長寿の意味を持ち正月の注連飾りに用いられてきた。

裏が白い事から、心の潔白さや白髪になるまで長生きするなどの意味を持ち縁起が良いとされています。

松(まつ)

松は松竹梅と言われ、日本では古くから歳寒の三友とよび、めでたいものとして扱われてきました。

松はおせちの皆敷として使われる事も多いです。

南天(なんてん)

南天

南天の花言葉には『福をなす』といったものがあることや、「難」を転じて「福」にするという意味が込められており縁起物とされおせちなどには使われる事が多いです。

千両(せんりょう)・万両(まんりょう)

万両の花言葉には『寿ぎ(ことほぎ)』という言葉があります、お正月の縁起物として飾られる赤い実にちなんでつけられました。

千両の花言葉にも富や財産を意味するものがあり、縁起が良いとされています。

祝いの席で使われる当て字

ここまでもいくつかの当て字など紹介しましたが、まとめて祝いの献立などに使われる縁起の良い当て字を紹介します。

  • 焼き物(やきもの)→家喜物
  • 蛸(たこ)→多幸
  • 鰹(かつお)→勝男
  • 昆布(昆布)→子生
  • スルメ→寿留女
  • ごまめ→五万米
  • 鰊(にしん)→二親
  • 金柑(きんかん)→金冠 
  • 二色(にしき)→錦

おせちの歴史や言葉の意味など知ると一年の初めに食べ縁起を担ぐのも良いと思うのでは??。高級な物を買うのでなくても、自分の好きな物やあやかりたい、縁起物だけ食べてみてもよいのではないでしょうか。