世界4大穀物の一つであるじゃがいも、日本でもカレーや肉じゃが、ポテトサラダなど様々な料理に利用されています。日本には明治時代に海外からやってきましたが、ヨーロッパや他の国の歴史はさらに古く、じゃがいもを主食とする国や数多くのじゃがいも料理がある国などがあります。この記事ではそんなじゃがいもを使った様々な料理やその国々のじゃがいも事情などをお伝えしたいと思います。
アジアのじゃがいも
米分化が強いアジア諸国ではヨーロッパなどと比べじゃがいもの消費量は明らかに少なく、生産量では1位の中国ですら自国での消費量は世界の平均程度であり国民はそれほどじゃがいもに頼った生活をしていないといえます。日本での消費も少なく国民一人のじゃがいも消費量は中国のさらに2/3ほどです。
中国におけるじゃがいも
中国は世界最大の生産国で作付面積は日本の47倍にも及びます。主食の糧として利用しており幅広く普及しています。消費量もヨーロッパには及ばないもののアジアの中では一番消費している国でもあります。アメリカ品種の「Katahdin」や日本原産の品種など、様々な品種を生産はしているものの一般的なスーパーなどでは品種ごとに分けて売ったりしておらずじゃがいもに対するこだわりは薄いと言えます。料理としてはじゃがいもを炒め物に使うことが多いようです。
中国のじゃがいも料理
- 土豆絲(とぅーどうすー)・・・じゃがいも細切り炒めでシャキシャキしたじゃがいもの定番家庭料理。
- 地三鮮(ディサンシェン)・・・中国の家庭料理の一つでホクホクのじゃがいも、ナス、ピーマンを使った甘辛炒め。
韓国におけるじゃがいも
お隣韓国ではアメリカから導入したスーペリアと日本のデジマが広く栽培されている。一人当たりの消費量は日本の半分程度であまりじゃがいもを食していない国でもある。
韓国のじゃがいも料理
- カムジャポックム・・・じゃがいもの細切りを炒めた料理。
- カムジャジョン・・・韓国チヂミの事。
- チムタク・・・韓国風鶏の肉じゃがである。
北朝鮮におけるじゃがいも
近年国営テレビなどでじゃがいも料理が良く紹介されておりじゃがいもの粉末を使った料理を庶民の生活に取り入れようとしている。1990年代に「じゃがいも革命」が叫ばれてからじゃがいもの生産に力を入れている。元々の在来種であるヤンチーやヒヤンチーと呼ばれる2種があったが、貧弱なじゃがいもであったため、現在北朝鮮で栽培されている品種は大半が欧州系(ドイツ、オランダ)の品種になっている。
インドにおけるじゃがいも
インドは世界における生産量第3位に位置しそのほとんどを国内で消費している。重要な食料源として扱われているものの一人当たりの消費量としては日本とほぼ同じである。しかし今後は食の一旦を担うとして、消費量は増えると予測されている。
インドのじゃがいも料理
- サモサ・・・じゃがいも、タマネギ、羊のひき肉豆などが入った三角錐のスナック。スパイシーな味付けである。食堂はもちろん屋台などでも売っておりインドの一般的なジャンクフード的な存在。
- サブジ・・・インドの家庭料理で2cm角ほどに切ったじゃがいもと玉葱、おろしたニンニクなどをスパイスと一緒に炒めた物。
他アジア諸国におけるじゃがいも
イランは生産量、消費量共にアジアの中で高い。ネパールではじゃがいもは自給用ではなく交易用のためあまり食してない。日本のじゃがいもの由来となっている(※ジャガタラ島から由来)インドネシアではじゃがいもは高級野菜としてあまり庶民には出回っておらず、その他の国も生産量や消費量は少なくじゃがいもの重要性は低いなど。このようにアジア地域ではじゃがいもは需要こそあるものの、米などと比べると重要な食料源としての役割ではないと考えられる。
北中米のじゃがいも
アメリカやカナダなどは生産量、消費量も高く、さらに品種の数も多いがそのほとんどが冷凍の加工食品として販売されている。また中米ではあまり生産されておらず、消費量も低い国が多く、その重要性は低いといえる。
アメリカにおけるじゃがいも
中国、ロシア、インドに次ぐ生産国で青果用3割、加工食品5割このうち半分は冷凍食品を占めている。アメリカ全土のうち約30州でじゃがいもは栽培されており特に有名で生産量が多いのはアイダホ・ポテトがあるアイダホ州である。
アメリカのじゃがいもの種類
アメリカのじゃがいもは主に色で分けられ以下のように呼ばれる。
- ラセット・・・ベイクドポテトを作る際に用いられるほか、マッシュポテトにも使われる。マクドナルドのポテトで使われているのはこの種類中のラセット・バーバンクという品種でとても有名な楕円形のじゃがいもです。主な品種 Russet Burbank、Frontier 、Russet 等。
- レッドポテト・・・赤色の皮をしたレッドポテトはデンプン質が少なくクリーミーで、煮崩れしにくいためスープやシチューを作る際に用いられます。主な品種はRed Bliss、Red gold、HO2000等。
- ホワイトポテト・・・皮が薄いの特徴のでそのまま使うことが多く、そのまま焼いたり、スライスして炒めたりします。ポテトチップスの加工用品種にも多いタイプです。
- イエローポテト・・・アメリカの代表的品種であるYukon Goldもこのイエローポテトの一種で中間的なでんぷん質の為、万能性があります。クリーミーなマッシュポテトを楽しめます。この種類はWaxy Potatoesとも呼ばれ滑らかな食感が特徴です。主な品種としてYukon Gold、Yellow Finn、Charlotteなどがある。
- パープルポテト/ブルーポテト・・・色合いを生かしポテトサラダなどのサラダ類に使うことが多いタイプのじゃがいもです。味はナッツ系で、デンプン量は中間質、ローストしたりしてもおいしいです。中の紫色などにはアントシアニンが豊富に含まれています。
- フィンガリングポテト・・・小ぶりで形が細長いのが特徴です。デンプン質が少なくそのままシチューなどに入れたり、副菜として添えるなどその形状を生かした料理法に向きます。
- プチポテト・・・小さいサイズのじゃがいもで、アメリカのnew potatoes(新じゃが)もこれに分類される。小さいため火の通りが速く、主にそのままの形で使われる。
アメリカのじゃがいも冷凍加工食品の種類
アメリカの冷凍食品は様々なカット技術が用いられ種類も豊富です。そのカットした形状から種類別に分けられます。
- ホールフローズンベイクドポテト・・・そのままの形状を生かした状態のもの。そのままオーブンやレンジで温めて使用するのが一般的です。
- フローズンハーフシェル・・・半分サイズで大きさが均等の為付け合わせ等や副菜として用いることができます。
- ウェッジ・・・少し厚めのカットで肉類の付け合わせ等に用いられます。
- フローズンマッシュポテト・・・マッシュポテトを冷凍しているため手早く料理に仕える利便性が高いものです。サラダや付け合わせ等様々な料理で使われます。
- IQFシュレッド・・・皮を剥き、加熱処理後シュレッドしたポテトをIQF(個別急速冷凍)したもので解凍せずそのまま炒め物やスープ、ピザのトッピングなど幅広く活用できる。
- IQFダイス・・・小型にダイスカットしてIQFしたポテトで、シチューやスープ、グラタンなどの具材として用いられています。
- ストレートカットフライ・・・主にファーストフード店でポテトフライにされているタイプのものです。
- ループ/カーリーフライ・・・螺旋状にカットされたポテトフライで価格は高くなるものの、その形状から付け合わせ等で人気です。
- テイタードラム・・・粗みじんにしてポテトを筒状に加工したもの。子供に人気のクリスピーポテトでディップやソースを添えて食べる。
- IQFハッシュブラウンパテ・・・円形に成型したいわゆるハッシュドポテトである。
アメリカのじゃがいも料理
- ベイクドポテト・・・最もポピュラーなもので、焼いたアメリカ版ジャガバターといったところ、塩胡椒やパプリカをまぶしたりもする。
- クラッシュホットポテト・・・少しじゃがいもの形を残した暖かいポテトサラダ風料理。付け合わせ等に用いる。
- フレンチフライ・・・フライドポテトのこと。
- マッシュドポテト・・・感謝祭やクリスマスディナーには必ずと言って出てくる定番料理。つぶしたじゃがいもにバターを溶かして味付けしながら滑らかにのばした料理。
- ポテトチップス・・・薄切りにして揚げたチップス。
- ポテトサラダ・・・日本のポテトサラダとは少々違い、じゃがいもの形を残す又は小さくカットして用い、マヨネーズやサワークリームを使いクリーミーに仕上げるものと、オイルとビネガーだけであっさりとした味付けにするものがあります。
ヨーロッパのじゃがいも
ヨーロッパ諸国ではじゃがいもは重要かつ一般的な食料の一つであり、国々の生産量、消費量ともに世界の他の地域に比べ圧倒的に多く。歴史的に見ても保存性が高くかつ生産しやすいじゃがいもを食生活の一部として取り入れてきた歴史があります。
ドイツにおけるじゃがいも
70種類もの品種があるじゃがいも大国。主に青果用と豚の餌用と分かれており、じゃがいも料理が多く深く浸透しており、女の子は「じゃがいもでフルコースの料理が出来るようにならないとお嫁にいけない」という言葉もあるほどである。ただじゃがいも料理が日常的な主食として扱われているわけではない。
ドイツで食べられている主な品種
形が崩れにくく主にサラダに用いられるが、茹で、炒め、オーブン料理にも使える。
- アナベル・・・どんな環境や土壌でも栽培できる万能品種、オーブン料理によく合う。
- バンベルガー・クノーレ・・・ドイツ南部バンベルクが発祥。クロワッサンのような形が特徴。
- ベラーナ・・・貯蔵性に優れ翌年の春先まで楽しめる。カルトッフェルザラートに向く。
- その他シレーナ、ハンザ、シシーなどがある。
ポメス(フライドポテト)やマッシュポテトなどのつけあわせからシチューやキャセロールなどのメイン料理などに用いることができ、ドイツで人気が高いとされるのがこのタイプである。
- アウグスブルガー・ゴールド・・・黄金色の皮が特徴でクリーミーかつまろやかな味わい。
- ヘルマンス・ブラウエ・・・身と皮が青(紫)色をしているのが特徴。ポメスやグラタンを初めとした料理に合う。
- クヴァルタ・・・非常に繊細な味わいでわずかにスパイシーさを感じることができる。
- その他ローテ・エマリー、ジェリー、アンボなどがある。
ホクホクした味わいがありポテトサラダやニョッキなど潰してペースト状にするのが一般的である。
- アッカーゼーゲン・・・軽い口当たりとバターのような味わいで塩辛い味付けの料理に合う。
- アフラ・・・まろやかな風味があり、ピューレやクヌーデル、マッシュポテトによく合う。
- ライヒスカンツラー・・・1069年に認定された古い品種でクヌーデルやピューレなどに合う。
- その他マラベル、ラウラ、ハイデ・カラなどがある。
ドイツのじゃがいも料理
- クヌーデル・・・ドイツの家庭料理でじゃがいもの団子でマッシュしたじゃがいもを丸めて茹でたもの。
- ブラートカートッフェルン・・・角切りにしたじゃがいも、玉葱、ベーコンを炒めた料理。
- カートフェルンプッファー・・・細切りにしたじゃがいもを卵や小麦と一緒に練り合わせて揚げたじゃがいものパンケーキのようなもので、リンゴのムースと合わせていただくのが一般的です。
フランスにおけるじゃがいも
そのほとんどが食用とされ、じゃがいも専門店が存在するほどじゃがいもは普及しているが主食というよりも肉や魚料理の付け合わせという形で用いられることが多い。様々な品種があり、日本で栽培されているシンシアはフランス原産の品種である。
フランスで売られている主な品種
- ビンチェ・・・オランダ産品種で古くから育成され、フランスを含めヨーロッパで人気の品種です。
- シャルロット・・・フランスでは必ずおいてあると言っていい品種でオーブン料理、煮込み料理やサラダなど様々な料理に合う万能品種。
- シェリー・・・皮がピンク色をした特徴的なじゃがいもで蒸し焼きや炒め物、オーブンなどの加熱調理に向く。
フランスのじゃがいも料理
- ガレット・・・フランスの家庭料理でせん切りにしたじゃがいもをフライパンの上で平らに広げきつね色になるまで焼いた料理。
- ドフィノワ・・・じゃがいもを適度な大きさに切り、3cmほどにスライスしたもので作るグラタン。
オランダにおけるじゃがいも
オランダはかつて世界流通の架け橋だったことも影響しているのか、1000種類の品種があるとされている。伝統的な輸出向けの生産もしており、日本のデンプン工場のモデルとなっているのもオランダである。輸出向けの種芋のシェアが多い国でもある。自国での消費量も多い。
オランダで売られている主な品種
- ビンチェ・・・オランダ原産のじゃがいもで幅広く栽培されている。
- その他ヨーロッパではNo1と思われるおよそ1000種類のじゃがいもが栽培されている。
オランダのじゃがいも料理
- クロケット・・・日本のコロッケの由来とも言われているオランダの定番料理です。
- スタンポット・・・オランダの伝統的な家庭料理の一つでマッシュしたじゃがいもにソーセージを添えたものでマッシュしたじゃがいもは家庭ごとに肉や野菜を混ぜて作っており各家庭の味がある料理と言える。
- その他じゃがいもを主食とするだけあって、じゃがいもを丸ごと焼き上げそこに味付けをするというものが多い。
イギリスにおけるじゃがいも
イギリスの国民食とも言えるのがじゃがいもです。その消費量も世界トップクラスです。イギリスの代表的な料理であるフィッシュ&チップスをはじめとするじゃがいも料理が数多く存在する。お弁当箱にクリスプス(ポテトフライ)を入れてくる子供も多く、街中にもテイクアウェー(フライドチキンやハンバーガーなどの屋台)でバーガーなどと一緒に売られており食べ歩く人々をよく見かけることができる。また、ポテトチップスをパンに挟んだクリスプサンドという食べ物もある。
イギリスの代表的なじゃがいも品種
- ホワイトポテト・・一般的なじゃがいもで、どんな料理にも使える万能的なじゃがいも。
- マリス・パイパー・・ふわふわ食感が特徴的なジャガイモでイギリスで最も多く栽培されている品種。万能的な品種だが、特にチップスにおすすめである。
- キング・エドワード・・・1902年にイギリスで誕生しその年に行われたエドワード7世の載冠式にちなみ名付けられた。ローストポテトに最適な品種でピンク色の斑点があるのが特徴。
- ジャケット・ポテト・・・物によっては普通のじゃがいもの倍以上あるような大きさのジャガイモで、料理のジャケットポテト用品種でもあり、ロースト等焼く料理によく合う。
- シャーロット・・・フランス産のじゃがいもでヨーロッパの様々な国で売られている品種。クリーミーさが特徴。
- ベビーポテト・・・その名の通り小ぶりなジャガイモで、そのままオーブンなどで焼いたり、付け合わせに使えるものである。
- デザレイ・・・赤紫の皮と黄色の実が特徴でマッシュポテトにするのに最適な品種。濃厚かつクリーミーな味わいである。
- レッドポテト・・・デザレイポテトよりも赤いのが特徴で、甘みとバターのような味わいがあります。
- ニューポテト(新じゃが)・・・地域や季節によって様々な種類の新じゃががあります。主に人気の品種は4月に出回るジャージーロイヤルという品種です。
ちなみに日本ではなじみの深いメークインもイギリス原産のじゃがいもでありますがイギリスでは現在作られていません。
イギリスのじゃがいも料理
- フィッシュ&チップス・・・フィッシュフライとフライドポテトをのせた物。タルタルソースなどのソースを添えるのが一般的。
- ソーセージ&マッシュ・・・ソーセージにクリーミーなマッシュポテトを添えた料理で子供達の大好物となっている。
- ジャケットポテト・・・じゃがいもを丸ごと焼き、ベイクドビーンズやチーズをのせた料理。
- コテージパイ・・・じっくり煮込んだ挽肉の上にマッシュポテトをのせてオーブンで焼いた物。
北欧諸国におけるじゃがいも
北欧では寒さから野菜を育てるのに不向きな土地とされてきましたが長期保存可能で寒さの中でも栽培できるじゃがいもは瞬く間に普及しました。1600年代には北欧にあったとされております。現在スウェーデンやノルウェーなど北欧諸国では主食として用いられ、特にスウェーデンの新じゃがは日本でいう所の新米のように重宝されているそうです。また日本での米の品種のこだわりの様に北欧の人はじゃがいもの品種にこだわりを持っているそうです。日本にもスウェーデン生まれのじゃがいもであるマチルダという品種があります。
北欧で売られている主な品種
北欧では、フランス産のAMANDINE(アマンディーヌ)、シェリー、ASTERIX、MANDELなどの品種が販売されておりスーパーに行けば6~7種類のじゃがいもが常時売られている。
北欧各国のじゃがいも料理
- ハッセルバックポテト(北欧風ベイクドポテト)・・・スウェーデンの国民食とも言われている。横にしたじゃがいもに5㎜幅で切り込みを入れ焼き上げた料理。別名アコーディオンポテトと呼ばれる。
- ディルポテト・・・スウェーデンのミッドサマーと呼ばれる夏至祭にかかせないのが「新じゃが」で作られるディルポテトである。香草香るじゃがいも料理でお酒のお供にもぴったりとされている。
- ブラウンポテト・・・ローストポークやミートボールなど、肉料理の添え物として、使われる他デンマークのクリスマス料理である「フレスケスタイ」にはたいてい添えられている。
- ヤンソンフレステルセ/ヤンソンの誘惑・・・一般的な家庭料理とされているグラタンでアンチョビとじゃがいもがふんだんに使用されている。
東欧諸国におけるじゃがいも
東ヨーロッパは世界的にみても一人当たりのじゃがいも消費量が多い地域で主食としてのじゃがいも文化が根付いている地域である。中でもベラルーシは一人当たりの消費量が世界一多い国であり日本人のおよそ8倍ほどです。じゃがいもを主食の様に食するじゃがいも大国であります。ベラルーシをはじめとした東ヨーロッパ諸国ではとにかくどんな料理にもじゃがいもを使うといっても過言でないくらいに使用します。使用する品種は主にもっちりとした食感をしたじゃがいも品種を好んでいる。
ベラルーシのじゃがいも料理
- ドラニキ・・・じゃがいものパンケーキのような料理でもっとも代表的なじゃがいも料理です。すりおろした生のじゃがいもにみじん切りの玉葱、卵、少量の小麦粉を合わせきつね色に焼く料理です。スメタナと言われるサワークリームを添えていただきます。
- カルドゥヌィ・・・ドラニキの生地にひき肉を入れた料理。
- オリヴィエ・・・ベラルーシの代表的なサラダ料理で小角に切ってボイルしたじゃがいも、人参、肉、ビーンズを入れてマヨネーズで和えたもので祝いの際には必ずと言って出される料理です。
- 毛皮を着たニシン・・・じゃがいもと人参、ビーツ、酢漬けのニシンを使ったサラダで真っ赤なビーツが特徴的。ケーキの様に層に仕上げた豪華なサラダでオリヴィエと同じく正月などの祝いの席には欠かせないものです。
旧ソ連の名残でロシアや東ヨーロッパの他の国でもベラルーシと同じ、もしくは同じような料理が広く作られている。
南米のじゃがいも
じゃがいもの発祥は南米ペルーに位置するアンデス山脈のふもとにあるチチカカ湖付近と言われ、現在でも発祥地のペルーを初め、南米の国々で広く栽培されています。
ペルーにおけるじゃがいも
ペルーでは、約70万人を超える日糸人がじゃがいもの生産で生計をたてており、19もの生産地が存在します。そこで様々な品種のジャガイモを栽培しておりその数は3500種以上とも言われています。世界に存在する品種はおよそ5000種と言われておりそのうちの3500種類をペルーでも栽培しているのです。各個人のじゃがいもに対するこだわりも強く、料理ごとにじゃがいもを使い分けたりもします。また毎年5月30日から3日間にわたり国を挙げてのじゃがいも祭りがとり行われ、各地で様々なじゃがいもの展示販売がされています。
ペルーのじゃがいも品種
カンチャン、レオナ、ワマンタンガ、ワガリーナ、ペルアニータ、ワイコなど様々でおよそ3500種にも及ぶ。
ペルーのじゃがいも料理
- パパ・アラ・ワンカイーナ・・・ペルーの代表的なじゃがいも料理の一つで、一口大にしたじゃがいもを茹でてレタスの上に盛り「アヒ・マヒリアージョ」と言われる唐辛子とチーズソースをかけていただく。
- カラプルクラ・・・豚肉と乾燥じゃがいもを落花生、パンカペッパー、ワヒーヨ、ニンニク、クローブなどのスパイスを加えて煮込んだシチュー。
- パパ・レジェナ・・・ペルー風コロッケでじゃがいもに肉を混ぜるのではく、味付けした肉をじゃがいもで包み込み、卵と小麦粉だけで揚げた料理。
その他南米諸国におけるじゃがいも
ブラジルやアルゼンチンなどではペルーよりもヨーロッパからポルトガル経由の伝来が主で、スーパーなどではヨーロッパ原産品種が並んでいる。ブラジル料理にロシーシャと言われる鶏肉が入った小さめのブラジル風コロッケなどがあったり、アルゼンチンではパステル・デ・パパというマッシュポテトのオーブン焼きがあったりと調理法もヨーロッパに似るところがある。その他コロンビアやボリビアなども一人当たりの消費量が高く広く普及していることが伺える。