アボカドは私非常に好きな食材です。
アボカドは野菜でなく果実として扱われます。
私が若いころ日本料理店や和食、懐石料理などでアボカドを使っている店舗は少なかったように思いますが現在では当たり前のように使用されていて、懐石料理の献立や展示会の料理にもアボカド使われています。和食に欠かせない食材になっているような気がします。
アボカド基本情報
クスノキ科ワニナシ属の植物
和名をワニナシと言います。英名のalligator pearを直訳されたものです。
熱帯アメリカ原産。アボカドの種類は数多くあるが種類により果皮の色や形が多少異なる。現在世界で栽培されているものはメキシコ系、グァテマラ系、西インド系、雑種の4種。有名なのが雑種のフェルテとハスの2種特にフォルテはカリフォルニア産が標準品種となり市場に多く出回っているのはこれである。
森のバターとも言われるが脂肪分が17%~20%と多く、また糖質が少なくビタミンA、B1,B2にも富み栄養素の高い果実である。ちなみに世界一栄養価の高いフルーツとしてギネスにも認定されています。
アボカド旬
通年出回るが4月~6月が油分が多く美味
国産のアボカドは11月~1月
アボカド産地
メキシコ産、カリフォルニア産が多く9割は輸入品
国産ものは伊豆で少数栽培されている
アボカド栄養素
アボカドは栄養素が非常に高い果実です。どの様なり要素多く含まれているのでしょう。
【アボカド100g当たりに多く含まれている栄養素】
カロリー(エネルギー) 187kcla
タンパク質 2.5g
脂質 18.7g
カリウム 720㎎
ビタミンE 3.3㎎
パントテン酸 1.65㎎
アボカドの保存方法
アボカドは皮から剥がすと酸化が始まり変色していきます。一回で一個使い切るのが望ましいです。
しかしどうしても、半分残ってしまう場合もあります。そういう時は
- 身が出ている部分にレモンか酢を塗り酸化を抑える(半分の皮は残しておきましょう)
- 蒸すもしくはレンジに数10秒かけ火を通し保存する
この様な事をしても変色を完全に止めることはできないので早く調理するか食べたほうが良いです。
アボカド料理・調理法
私がよく利用するアボカド料理を紹介します。
実は熟し過ぎると黒ずんでくる、皮の外から知るには、固さをみて、決めると良い。果実といっても、使い方は野菜に近い。
縦半分に割って手でくるっと剥き半分にして包丁のあごで種を刺し抜き取り、手で皮を剥きます。
アボカドと小エビのサラダ
アボガドは綺麗に剥いて、皮を器代わりにして、その中に小エビとアボガドを入れてシーザードレッシングをかける。
牛ヒレ肉のアボカド山葵ソース焼き(焼き物)
牛ヒレは一口大に包丁して、焼いておく。その上にアボガド山葵ソースをのせ、乾燥パン粉をのせて、焼き台で焼く。
アボガド山葵ソースの作りかた。
アボガドは薄く塩をして、2分程蒸して色だしをして裏漉し、下記調味料で当たりをつける
卵黄、レモン汁、オリーブオイル、塩、胡椒、にんにく、薄口で好みの味に調える
マグロのアボガドマスタードソース添え(刺身・焼き物)
マグロの表面は炙って中は赤く仕上げる。(赤身がよい)
ソースは添えて使用するか、マグロに塗って焼くこともできる。
アボガドマスタードソースの作り方
アボガドは薄く塩を当てて、2分程蒸して色だしして裏漉す。
マヨネーズ、薄口、とき辛子、粒マスタード、レモン汁、煮切り酒、塩、胡椒
を好みの味に仕上げる。
アボカド世界ではどの様に食べられているのか??
アボカドは中米が原産地と言われています、その後ヨーロッパへと伝来して世界へと広がっていきました。栄養価も非常に高い事から重宝されその土地に合った様々な形で食べられるようになりました。
日本では果実とういよりも野菜として使われる事が多いと思いますが、アボカドをデザートとして使い国などもあります。
国別にどの様に食されているか紹介いたします。献立の役に立ててください。
中米でのアボカド料理
カリブ海に面した、グアテマラ・ベリーズ・ホンジュラス・エルサルバドル・ニカラグア・コスタリカ・パナマの7か国を中米、もしくはカリブ諸島と言われます。広義にはメキシコ、カリブ海諸国を含め中米とされます。
アボカドの生産世界一はメキシコで日本のスーパーで見かけるアボカドは大体メキシコ産です。
原産地の中米の各国ではどの様にアボカドが食べられているのか見ていきましょう。
メキシコアボカド料理
ワカモレ
アボカドをつぶして玉葱やトマト、調味料などを混ぜディップにしたもの。メキシコだけでなくアメリカでもおなじみとなっている料理です。
トルティーヤチップスにつけて食べるのが一般的ですが、タコスなど様々な料理に塗って食べたりもできる万能的なディップです。
その種類は豊富でディップをつける元の料理や個人の好みなどによっても分かれるため数多くのワカモレが存在する。
ポソレ
トウモロコシを使ったメキシコの具だくさん豚骨スープでトッピングに野菜などを入れますが、アボカド、又はアボカドを使用したディップ(ワカモレ)は必須と言っていいほど定番です。また最初からアボカドがついている場合もあります。
キューバのアボカド料理
エンサラダ・デ・アグアカテ
スペイン語でエンサラダは「サラダ」、アフアカテは「アボカド」を指します。
アボカドのスライスと野菜に塩胡椒、レモン、オリーブオイルを合わせたシンプルなサラダ。レモンを多めに入れることによってアボカドの変色を防ぐとともにさっぱりとした味わいに仕上げています。
欧州、北米諸国のアボカド料理
ヨーロッパではアボカドをサラダとして用いることが多くその種類も豊富で様々な野菜や魚介を入れたサラダなどに用いられる事が多い。
野菜だとトマト、海産物だとサーモンやエビ、アンチョビ等相性が良く一緒に使われる事が多い。
アメリカのアボカド料理
コブサラダ
1937年にハリウッドのレストランブラウン・ダービーのオーナーであるコブ氏が考案したサラダ。アボカド、レタス、鳥又は七面鳥、ゆで卵、ベーコンなどを用いたサラダで現在では世界中で人気のサラダとなりました。日本でもファミレスのメニューにありますね。
カルフォルニアロール
アメリカ発祥の寿司料理で巻き鮨のネタにアボカド、魚介などを使用したもの。
アヒポキ
御飯に海鮮やアボカドなどをのせて食べるハワイ風海鮮丼。主にごま油風味の醤油ベースの味付けでいただくがその他にもチリソースや塩味などがある。
スウェーデンのアボカド料理
スモーガストルタ
スウェーデンのお祝い料理の一つ、サンドイッチをケーキに見立てた料理。
円盤状のバンズにヨーグルトクリーム又はポテトクリームなどを塗り、彩り豊かな野菜をのせはさみ、積み重ねていきタワー状にする。その周りにもクリームを塗りコーティングし野菜でデコレートしケーキの様に見立てたサンド。
デンマークのアボカド料理
スモーブロー
デンマークの伝統料理の一つ。スモーはバター、ブローはパンと意味のオープンサンドの一種。
ライ麦パンや、フランスパンにスプレッド(バターやサワークリーム、マスタード等の塗り物)と呼ばれるものを塗りその上にパンが見えなくなるくらいの具材をのせて食べるもの。
具材の種類は様々で肉又は魚と色どりの良い野菜類を用いる。サーモンやエビなどをメインの具材にする際にアボカドやきゅうりなどを用いる。
ロシアのアボカド料理
ブリニ
蕎麦粉などを使った小さなパンケーキを指し、その上にディップやサワークリーム、サーモンや野菜、チーズなどをのせてカナッペ風にして食べることも多くアボカドとキャビアの組み合わせは定番の一つです。
南米のアボカド料理
南米でも中米と同様古くからアボカドが栽培されており、馴染みのある食材です。日本でよく見かける種類のアボカドよりも一回り大きいアボカドの種も栽培されており、非常にポピュラー。
ブラジルのアボカド食べ方
ブラジルではアボカドに砂糖だけ又は砂糖とレモンをかけて食べます。
ブラジルにはアバカッチというアボカドの仲間でアボカドよりも一回り以上大きい物にも同じような食べ方をします。
コロンビアのアボカド食べ方
塩をかけ食べるのが一般的。
コロンビアではレストランでプレートを頼むと肉やライス、豆などと一緒に縦割りにして皮を剥かれたアボカドが普通に乗ってくるほどアボカドはポピュラー。
ペルーのアボカド料理
パルタ・レジェーナ
南米のスペイン語圏ではパルタはアボカドを指します。半分にカットしたアボカドの上に賽の目切りにしたたっぷりのマヨネーズサラダをのせた料理。
エクアドルのアボカド料理
ロクロ・デ・ケソ(ロクロ・デ・パパ)
ジャガイモとチーズのクリーミーなスープです。ロクロは南米の国民食である濃厚なシチューででケソはチーズを現しパパはジャガイモを現します。
お店などによってメニュー名は異なりますが、どちらも同じじゃがいもとチーズの濃厚なスープが出てきます。ほぼ必ずアボカドが入っているか添えられています。
東南アジアのアボカド料理
東南アジアでは気候的にアボカドの栽培にも適している為、様々な国で栽培されている。その為、各国個性があらわされている料理が多いと言えます。
アボカドをフルーツとして扱うことも多く料理だけではなくデザートとしても良く用いられています。
タイのアボカド料理
ヤムウンセン
海老や豚の挽肉、アボカドなどを入れた具沢山のエスニック春雨サラダ。
フィリピンのアボカド料理
フルーツサラダ
フィリピンでは定番のフルーツ、アボカド、ナタデココ、コンデンスミルクを混ぜたシンプルなデザート。
アボカドシェイク
アボカドとコンデンスミルクで作ったシェイク。
アボカドイニピット
スポンジ生地にアボカドのアイスを挟んだサンドイッチ。フィリピンではアイスクリーム店で販売されている定番。
アボカドラバー
アボカドベースで作られたパフェ、アボカドのクリームをベースに生のアボカド、クラッシュアーモンドやタピオカ、砕いたビスケットなどが入っている。
ベトナムのアボカド料理
シントーボー
アボカドとコンデンスミルクで作る濃厚なシェイクで、シントーは「シェイク」、ボーは「アボカド」を意味します。上にピーナッツを砕いたものを飾ります。
アボカドチェー
チェーとは甘く煮た豆、タピオカ、寒天、フルーツなどを混ぜ合わせたベトナムのローカルデザートで温製と冷製がある。冷たいチェーの場合これにかき氷とシロップが加わる。
中東、南アジアのアボカド料理
中東や南アジアではアボカドを調理することが多く、その国ごとの伝統的な料理に食材として合わせられる事が多いようです。
アラブ諸国のアボカド料理
フムス
イスラエルやレバノン又はトルコなどの中東諸国で作られる伝統的な料理。ヒヨコ豆のペーストに胡麻ペーストやニンニク、レモンなどを加えたもので、ディップとしてサンドウィッチやパンに合わせるため、アボカドペーストを加えることも多いです。
インドのアボカド料理
アボカドのカチュンバル
カチュンバルとはインド料理の一つ、クミンパウダーなどを用いて野菜をスパイスと和えるサラダです。アボカドをカレー風味サラダ。
アボカドのアチャール
アチャールとはインドやパキスタンなどで作られるスパイシーな漬物の一種です。具材にはタマネギ、人参、セロリ、キュウリなどがありフルーツではパイナップル、マンゴーなども用いられます。
アボカドを様々なスパイスやレモン汁などを合わせて味をなじませた漬物。
アボカドのライタ
ライタはインドの他パキスタンなどでも作られる野菜、又は豆、又はフルーツを用いて作られるヨーグルトサラダ。
微塵切りにした材料(火を通すものもある)とスパイス、ダヒ(ヨーグルト)を合わせたもので材料によって様々なスパイスを使い味付けをする。
献立お役立て!
アボガドは通年使える食材で色々な事に使用できる非常に優秀な果実です。
良いものでしたら、刺身のあしらいなどにしても綺麗で山葵醤油で食べても美味しいです。
色々なソースにも活用できます。
ドレッシングのページにはアボカドを使ったものもあります。是非見てみてください。
世界のアボカド料理から皆さんのアボカド料理に役立つものはあったでしょうか??
私はアボカドを甘くして食べるのは抵抗がありましたが、甘さ控えめにして食べてみたら以外に美味しかったです。皆さんも試してみたら新しい発見があるかもしれません。