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里芋の保存方法と選び方。里芋は冷凍保存できる??

里芋方法

里芋とは古くから日本で食用とされてきた芋でタロ(食用とされるサトイモ科全般を言う)と言われる植物の地中にある茎にデンプンが蓄えられてできた物を指します。つまり里芋というのは植物の地下茎なのです。

今回は里芋の正しい選び方と長く新鮮に保存する方法や、里芋の冷凍保存の方法まで紹介いたします。

里芋の基本情報

サトイモ科サトイモ属の一年草。別名タイモ、イエイモ、ハタケイモなど。

里芋は大きく4つに分類される

利用上から親芋用、子芋用、兼用に大別され、その他に葉柄用がある。親芋用は主として子芋の発達が悪く、親芋が利用され、肉質は粉質でよいとされる。兼用品種は親芋と子芋が利用できる。子芋用品種は親芋は利用できないが子芋のつきはいい。葉柄は赤茎や緑茎などがある。葉柄品種はえぐみが少なく、葉柄を利用する。

霜に弱いため、北海道を除いた地域で栽培されているが、主に関東、中部、九州地方に多い。日本では一般的に畑で育てるが奄美諸島以南では水田の様に水を張った甚水で育てている。日本は食用とされるタロイモ類のうちもっとも北方で栽培されている国である。

里芋は3~4月に種をまき、5月~9月にトンネル栽培で作られた南九種の早掘り里芋が出荷され、秋まで全国に出荷される。10月~12月に収穫された里芋は親芋と子芋に選別されて出荷するほか翌年まで出荷できるように畑の中に貯蔵して1月から順次掘り出して春先まで出荷されます。これにより日本ではほぼ周年里芋が食べることができます。里芋の生育適温は25~30℃で多日照と高温多湿を必要とする。

里芋旬

ズイキ:7月~10月上旬

石川早生:8月下旬ころから10月

土垂:9月下旬ころから12月

タケノコイモ、えび芋、セレベス:11月~2月ころ

里芋産地

主産地は埼玉県、千葉県、宮崎県、鹿児島県などである。

里芋の選び方

おしりが固く締まり(柔らかいものは腐っているため)、縞模様がはっきりとしていて等間隔のものがよい。

里芋は乾燥に弱くひび割れているものなどは選ばないようにしましょう。

泥付きの方が保存に向いているため店頭で購入する際は泥付きを選ぶとよいです。

また洗ってあるものはなるべく早く使うようにしましょう。色が黒ずんでいるものも鮮度が落ちている証拠です。

里芋の保存方法

里芋は乾燥と寒さ弱いため基本的に新聞紙に包んで冷暗所に保存します。ただし泥がついていないものに限り新聞紙にくるみ冷蔵庫に保存します。また湿り気が強すぎるものは天日で干してから保存するようにしましょう。

購入した泥付きの里芋を土の中30~40cmの深さに埋蔵すれば長期の保存が可能になります。自宅に庭がある方は試してみてください。

里芋の冷凍保存

里芋はあまり日持ちしない野菜ですので余ってしまった場合や多くて使いきれない場合などは冷凍しておくとよいでしょう。

生のまま冷凍する方法

生のまま冷凍する際はよく洗って、半日天日干ししてから皮を剥き塩もみしてぬめりを落としさっと水洗いをして、水気を切ってからそのまま広げて冷凍します。

皮を剥いてから茹でて冷凍する方法

皮を剥き半茹でしてアクを取り、流水にさらして水気をしっかりと切って冷凍します。

茹でてから皮を剥いて冷凍する方法

皮を見ていない状態で半茹で(レンジも可)して水にさらし皮を剥き冷凍します。ただこの場合アクが抜け切れていないので使用する際にはもう一度ゆでるなどして、しっかりとアクを抜くことが必要です。

里芋の歴史

インド東部からインドシナ半島の熱帯地域が発祥と言われています。そこから幾つかの形で分化して様々な地域や国へと伝わりました。

日本へはいくつかのルート、そして何度かに渡り伝わったとされており、元々の原産の芋(親芋)が黒潮海流のルートで日本へ伝来、また原産地から分化した子芋は中国に渡り、中国南部の雲南地方などから南島ルートで日本へと伝わったと考えられております。その歴史は古く、紀元前2500年頃の縄文時代の中頃には栽培が始まり、やがて山で獲っていた山芋と区別して里芋と呼ばれるようになりました。

平安時代中期の辞典「倭名類聚抄(わみゅうるいじゅしょう)」には里芋の葉柄(ようへい)とともに食用になる事が記されている他「延喜式(えんぎしき)」という法典には栽培方法も記されています。また万葉集でも歌に詠まれるなどその当時にはすでにポピュラーな野菜の一つだったとして考えられます。

江戸時代までは日本で芋と言えば里芋を指していましたが、海外からサツマイモやじゃがいもの導入により芋が必ずしも里芋とは言えなくなりました。

海外では、地中海沿岸諸国で古代から食用として栽培されており、古代ローマの料理書「アピーキウス」には全6種類のコロンカシア(サトイモ科)の料理法が記されていて、キプロス島やエジプトなどではサトイモは伝統的な食品として多くの料理法が今日までに伝わっています。ヨーロッパなどではぬめりが好まれないため揚げたり、ぬめりを取るためにレモン汁を使いぬめりを落として食べる他、観賞用としても用いられています。