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ほくほく粉質系じゃがいも9選

粉質系じゃがいも

じゃがいもで作る料理といって頭に浮かぶのはなんでしょうか?ポテトサラダやコロッケ、カレーやグラタンにフライドポテト、肉じゃがなど様々な料理が浮かんできます。

こふき芋やじゃがバター、コロッケなどを食べる際のほくほくとした食感はじゃがいもの特徴ともいえますが、ただじゃがいもはおよそ2000種類もの数があるとされそれぞれに特徴があり、ほくほくした物もあればほくほく感が少ないものもあるのです。本日はその中で主にほくほくとした食感が特徴の粉質系と呼ばれるタイプのじゃがいもを御紹介いたします。

ほくほくでコロッケ等にあうじゃがいも

ほくほくとしたじゃがいもは一般的にコロッケやポテトサラダにあうとされていますがこれには主にじゃがいもに含まれるデンプンの量が関係しておりデンプン含有量が多いとされるじゃがいもはほくほくと食感がするものが多く、逆にデンプン量が少ないものはなめらかな食感の物が多いとされています。

ではここからはほくほくとした食感を味わえる粉質系のじゃがいもを御紹介していきます。

男爵いも (アイリッシュコブラー「アイルランドの履直し職人」)

原産地

アメリカ

主産地

北海道

名称由来

男爵芋の由来は川田男爵からである。

生態

早生種で1876年頃にアメリカで赤い「アーリーローズ」の白色変種として発見され、発見者にちなみ由来とされているが、この由来説は否定されていて、何らかの雑種由来とされている。芋の形は球形、または扁球で芽が深く皮が向きにくい。肉色は白色である。

男爵芋の歴史

「芋半官」と呼ばれた初代根室県令湯地定基により普及し、川田龍吉男爵(1856~1951年)により定着した。川田は1908年(明治41年)、函館どっく株式会社専務取締役時代にイギリスの種苗商から多数の著名品種の種芋を輸入。自家農園「清香園」で試験栽培したのが、「男爵芋」の始まりである。亀田群七飯町(現七飯町)の成田惣次郎が分譲を受け、試作した品種(川田自らも試作を重ねていた)は好成績をおさめ、たちまち付近の評判になって広まった。川田の承諾を得て、川田男爵の名を取り男爵芋と名付けられたが、後にアメリカのアイリッシュコブラー品種であることがわかった。

1928年(昭和3年)北海道では優良品種となった。1945年(昭和20年)まで行われた食料統制の中で食用とされるじゃがいもは男爵いもに統一されていた歴史がある。

男爵いもを直接の母とした「キタアカリ」「農林一号」などがあり、交配によらないものとしてプロトクローンから「ホワイトバロン」が選抜された。

男爵いもは国内のジャガイモ栽培面積の22%以上を占め、最も多く作られている品種で北海道ではデンプン原料用の「コナフブキ」に次いで多い。

男爵芋の特徴、利用法

デンプン量は15%と多く、ほくほくしていて味も良いのでほくほく感を生かしたジャガバターなどはおすすめ。また煮崩れしやすいため潰してから使うポテトサラダやコロッケ等の料理に適しています。じゃがいもらしい香りと食感があるが、でこぼこ形状で皮がむきにくいのが難点ではある。旬は一般のじゃがいも同様秋から冬になりますが、周年出回っておりいつでも食べられます。

キタアカリ

原産地

北海道

主産地

北海道

名称由来

「北の大地に希望の明かりを」との意。

生態

皮色は黄色で芽の部分が赤紫になっている。肉色は濃い黄色をしている。

キタアカリの歴史

北海道の品種芋は扁球形で、皮が白黄色で肉色は黄色味を帯び、デンプン含有量17%で、1975年(昭和50年)男爵芋を母親とし、ジャガイモシストセンチュウ抵抗性を持つツニカを交配させて選抜、農研機構で育成したもので、1987年に新品種として出願され1988年(昭和63年)に品種登録された。黄金男爵、クリじゃがいもの別名でも知られる。

キタアカリの特徴、利用法

カロテンやビタミンCの含有量が多い。煮崩れしにくいが煮物料理にはあまりむかない。ほくほく感を生かしたつぶし系料理に向くのでポテトサラダなどにするとよい。貯蔵中に品質低下が大きいとされる。

ホッカイコガネ

原産地

北海道

主産地

北海道

名称由来

北海道と揚げた時の色である黄金色を合わせて付けられた。

生態

花色は淡赤紫で芋はメークイーンに似た長楕円形で、皮は淡褐色肉色は黄色みを帯びている。デンプン含有量は16%でやや粉質だがデンプンの細胞が小さいため煮崩れしにくい。それはメークイーンを上回る。中心空洞もほとんどない。収穫時期がメークインよりも遅いのでその代替品として店舗に並ぶことも多く「黄金メーク」「コスモメーク」等の別名でも呼ばれる。多くは十勝地方で栽培されている。

ホッカイコガネの歴史

トヨシロを母、北海51号を父として交配された品種で、1980年に登録出願、翌1981年(昭和56年)に北海60号として品種登録。

ホッカイコガネの特徴、利用法

油加工でも変色しにくくフレンチフライの主力原料になっている。主に加工用ではあるものの一般的にも食べられることから、一般に購入できる場所でも流通している。肉色は黄色。ほとんど煮崩れしない為、カレーやシチューなどにも向いている。食感はややほくほく系といったところ。

農林1号

原産地

北海道

主産地

北海道

名称由来

じゃがいもとして農林省に登録された第1号品種であるから。

生態

花色は白色で、芋は扁楕円形、皮は黄白色で肉色は白、デンプン含有量は16.6%でこふき芋などに向く。

農林1号の歴史

日本で馬鈴薯として第一号登録された品種。1937年(昭和12年)北海道農事試験場(現農業・食品産業技術総合研究機構北海道農業研究センター)本場において「男爵芋」を母、「Deodara」を父として交配した種子で翌1938年(昭和13年)島松馬鈴薯玉蜀黍政権地における農林省指定酒精原料作物試験地に配布し、以後同地において選抜を行わない育成をされたものである。

加工原料、食用、デンプン原料の兼用品種としてかつては全国で栽培されていたが、専用品種の普及に伴い作付は著しく減少した。遺伝資源として重要な役割をし、様々な芋の祖先に農林1号が関与している。

農林1号の特徴、利用法

かつてはポテトチップスの原料用に主に使われていた。兼用品種だけあって割と様々な料理に使えるものの水煮後の黒変が強くみられるのが欠点の他、食味なども男爵芋などに劣る。食感はほくほく系です。

アンデス赤(アンデスレッド、レッドアンデス)

原産地

岡山県

主産地

岡山県

名称由来

アンデスレッドは初めに育成していたところでは「ネオデリシャス」と命名されていたそうですが、栽培地の岡山県で「アンデス赤」として好評となったことからこの名で流通するようになった。

生態

皮が濃い赤色を下小さめの扁卵形で切り口は黄色い。芽が出やすい。春作よりむしろ秋作に適し、岡山県牛窓町のばれいしょ採種農家が在来種として栽培を繰り返し維持してきた。紅色は抗酸化作用があるアントシアニンを含む。

アンデスレッドの歴史

1971年から1974年に川上幸治朗らがアーリーローズを母、アンデス原産の2倍体栽培種「S.phureja 253(ソラナムフレハ)」を父として交配し「M72218」の名で選抜育成していた3倍体の種間雑食系統。派生種としてキリン麦酒が本質のプロトプラスト培養から選抜した「ジャガキッズ」、俵正彦が突然変異から選抜した「タワラマガタマ」「タワラヨーデル」がある。

アンデスレッドの特徴、利用法

ホクホク食感で濃厚な甘みが特徴。デンプン含有量は男爵並でフライ、ポテサラ、コロッケ、ポタージュに向くが煮崩れしやすいので煮物には向かない。また皮にはアントシアニンという体や目にいい成分がはいっている上、皮は薄いので、色身も生かし皮ごと調理するのもいいです。芽が出やすいので芽はしっかりとってから調理しましょう。

西海31号/ドラゴンレッド/龍赤

原産地

長崎県

主産地

長崎県、鹿児島県

生態

長楕円形で表面はなめらか。皮色、肉色がともに赤い、目は浅くデンプン価が高い。暖地や温暖地に限るが、二期作が可能な品種である。

西海31号の歴史

西海31号は1999年(平成11年)に長崎県の農業技術開発センターにおいてデンプン価が高く、形が良い系統の「96016-8」を母、表皮、果肉共に赤い系統の「長系115号」を父として交配し選抜育成された品種で、2009年(平成21年)に品種登録された。JA全農はこの品種を「ドラゴンレッド」として商標登録しており、JAを通じて出荷されたものはこの名で販売されています。

西海31号の特徴、利用法

澱粉価が高くポテトチップス原料として適している。その他ポテトサラダやポタージュなど色合いを生かせる料理も良い。細切りにして炒め物などにしてもおいしい。粉質だが煮崩れしにくいため料理の幅が広いのも特徴である。

ジャガキッズパープル90

原産地

プロトプラスト開発(細胞壁を酵素で取り除いた細胞を培養する手法)によりできた品種。

主産地

北海道

名称由来

大地の中ですくすくと育った芋を大地の子供になぞらえて1990年に育成されたことを表しています。

生態

皮色は紫色で球形に近く肉色は黄色だが中に紫色が輪状に入る。栽培環境などにもよるが、この現象がなく黄色一色の物やほんの一部紫色になっているものもある。皮には健康成分であるアントシアニンが含まれている。大きく成長すると中心空洞が多くなる。

ジャガキッズパープル90の歴史

麒麟麦酒株式会社が「ネオデリシャス(アンデスレッド)」をプロプラスト培養し、それによってできたプロトクローンの中から選抜育成した品種です。

1990年(平成2年)に登録出願され、同じ培養体の中から選抜されたジャガキッズレッドと共に市販が始まり1994年(平成6年)に「ジャガキッズパープル 90」の名で品種登録されています。ただ一般には「ジャガキッズパープル」と呼ばれています。

ジャガキッズパープル90の特徴、利用法

ほくほくした食感が特徴でポテトサラダやコロッケなどに向いています。その分煮崩れがしやすいため煮物などには向いていません。

ベニアカリ

原産地

北海道

主産地

北海道

名称由来

品種名は赤い色と北海道の農業試験場がジャガイモシストセンチュウ抵抗性品種名に与えられてきた「アカリ」を組み合わせたものです。

生態

皮色が淡赤色、澱粉価が20%と食用品種の中で最も高い、形状は扁平で肉色は白色。ジャガイモシストセンチュウ対して抵抗性がある。

ベニアカリの歴史

1984年(昭和59年)に北海道農業試験場馬鈴薯育種研究室においてこうデンプン価系統「北海61号」にジャガイモシストデンチュウに対する抵抗がある「R392-50」を交配してできた実生から選抜育成されたジャガイモです。1994年(平成6年)にジャガイモシストセンチュウ抵抗性を有する調理用品種として「ばれいしょ農林33号」に認定されると共に品種登録出願、1997年(平成9年)に品種登録されました。登録者は「独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構(現国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構」通称農研機構となっています。元々澱粉への加工用として開発投入されましたが、現在年々減少傾向にあります。

ベニアカリの特徴、利用法

蒸し芋、マッシュポテトやコロッケなどの加工用に適した品種である。その反面デンプン価が高いため煮崩れしやすい。

マチルダ

原産地

スウェーデン

主産地

北海道

名称由来

豊作の女神「Matilda」から由来。

生態

肉色は黄色で芽のくぼみがない為皮が剥きやすい。キウイのような見た目が特徴。サイズはピンポン玉と同じくらい。収穫量が少ないため生産している農家が少なく希少であることから「幻のじゃがいも」と称されることもある。

マチルダの歴史

スウェーデンのSvalof社が育成した品種を1985年(昭和60年)にホクレン農業協同組合連合会が検疫輸入し、長沼研究農業において調査や試験を経て1993年(平成5年)に北海道の奨励品種に認定。

マチルダの特徴、利用法

小粒なものは基本的に食味が劣るとされているが、小粒な芋ながら食味に優れている(小粒にしかならないわけではない)。形を生かしそのまま食べるホールポテト用に加工されている事が多い。比較的煮崩れはしにくいため煮物に適している。ポテトサラダにもよく合います。還元糖の含有量が多いため揚げると黒く変色しやすいので油加工に向いていない。

まとめ

デンプン価が多く主にほくほくとした食感のじゃがいもは、その特性を生かしこふき芋やじゃがバターなどにするほか、つぶしやすく混ぜやすいポテトサラダやコロッケなどに大変向いているといえよう。またフライドポテトにしても中がほくほくに仕上がるタイプのものが多いためおいしくいただけます。

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