肉・その他

小豆料理と小豆の種類の解説。小豆から粒あんとこしあんが作れるようになります。

小豆

和食に欠かせない食材でしょう。昔いた店ではあんこを作る時小豆から作っていましたが、近年では作られているあんこも非常に美味しく出来ていて、手間を考えると出来ているものを買ってきて、調理することが多くなっています。

そんな小豆ですが一度は小豆からあんこを作り、どの様な種類の小豆があるのかは知っておいた方が良いと思います。

小豆の基本情報

マメ科の1年生植物。一年生植物とは、種子から発芽して一年以内に開花。種子を残して枯死する植物のこと。

茎は直立して高さ30㎝~50㎝さやは、長さ6㎝~10㎝で中に5~10粒の種実があり、これを食用とする。

小豆は中国の長江付近から東北部が原産地と推察される。中国、朝鮮半島、日本、東南アジアに限って食べられてきた。日本に伝わったのは歴史は古く、『古事記』に五穀の一つとして紹介されている。赤の色が陽の色と結びついていて、めでたさを表し、魔よけの力を持っているとされて、祝い事や行事の料理にはよく用いられてきた。

小豆の種類や品種は多種多様で色合いもさまざまであるが、小豆といえば、赤あずきを指し、粒の大きさによって普通小豆と大納言とに分けられている。

小豆の旬 

年中出回るが新豆が秋~冬

小豆の産地

北海道、東北、九州

小豆の栄養素

小豆は栄養素に優れていて、タンパク質、食物繊維、ビタミン B1、カルシウムを多く含むほか、母乳の分泌や便秘の解消に効果があるとされている。古来から日本人の健康に重要な役割を果たしてきたとされている

茹でた小豆100gに多く含まれる栄養素

  • タンパク質 8.6g
  • ビタミンB1 0.15㎎
  • カリウム 430㎎
  • カルシウム 27㎎ など
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小豆という名前の由来

赤い豆を生むものという意味

普通あずき

小豆

100粒重量が17g以下の中粒から小粒の赤あずきの総称。一般的に小豆と呼ぶ北海道産が中心で主力品種のえりも小豆(しょうず)は収穫量が多く、粒揃いも良く品質も高い、他に室小豆はやて小豆などの小豆がある。北海道以外の各地にも多様な品種が栽培されているが、出回り量は少ない。。やや大粒のものを中納言と呼ばれる品種もある。

大納言

100粒重量17g以上の大粒種の総称。見栄えが良く、特に粒あんや甘納豆などの和菓子に欠かせないものとなっている。丹波地方で栽培されている、丹波大納言は生産量は限られているが最高級品として珍重されている。

平安時代から栽培されていたともいわれている。皮切りしにくい特質を、官位のが高く切腹の罪がない官職名を大納言と名付けられていたとの説もある。

近年、丹波大納言の中の在来種からすぐれた系統が選ばれて京都大納言と名付けられ普及し始めている。

大納言として、普及しているものの大部分を占めるのが、北海道のあかね大納言である。やや小粒ではあるが粒はそろっていて品質も高い。

これ以外に、岩手の紅大納言、岡山の美甘大納言などがある。青森など各地でも少量ではあるが大納言の栽培がなされている。

主な産地として尾張や丹波が有名

白あずき

日本で流通する、赤色以外の唯一の小豆、生産量は少なく高級和菓子用に高値で取引されていて一般には出回りにくい。岡山県特産の備中白あずきが有名で、白あんの材料で最も美味。粒が小さく皮が柔らかいので粒あんに向く。なおあずきの流通量の大半は北海道で気候の変動で生産量が大きく変動する。この為不足分は中国、台湾からの輸入物なのだが品質、風味共に国産物に比べるとやや劣る。

主な産地は岡山県川上郡

小豆に関する言葉

小豆に関する故事やことわざをいくつか紹介いたします。

小豆は露をきらう

あずきを植えるにはには、間隔を置けということ。隣の小豆の株の露が掛かるほど近づけて植えると、茎や葉ばかりで実がならない

小豆は馬鹿に煮らせろ

小豆はなかなか煮えにくいので、ゆっくり時間をかけて煮なければならい。怠け者や馬鹿に適した仕事だというのだが、馬鹿になったつもりで、のんびりやるのが良いということ

小豆飯を炊けば初午とみる

いわえる馬鹿の一つ覚えであるが、単純で早合点で独りよがりでいい気なもんだ、という意味に使われる。初午とは二月の初の午の日のこと。

小豆と女のしょっぱいのは手がつかぬ

小豆は甘くなくては食えない。女はあまり計算高いのは嫌われるという意味

小豆料理・調理法

小豆は全体的に粒の形や大きさがそろっていて色むらが無い物を選ぶ。水につけて均一に吸収するものが良く、一昼夜しても水を吸収しない小豆が多い物は不良品である。すぐに浮いてくるものは中が空洞になっていて、虫食いの可能性がある。虫食いの小豆をそのまま保存しておくと保存中に全部食われてしまうので注意が必要。

扱い方のポイント。煮る前によく洗う事、虫食いの豆を丁寧に外す。次に小豆の色や形、風味を重視する料理では、洗ったらすぐに煮る。数時間程度なら20%位しか吸水しないが、長時間水につけると吸水率が高くなり腹割れを起こし、小豆の色も水に出てしまう。同じ理由で茹でる時の刺し水や茹でこぼす等も、形を大事にしたい料理には避けた方がよい。

鮑の小豆煮のような場合には色が汁に出た方が良い場合もあるのでその場合は時間を調節して使用しよう。

粒あん

小豆250g・砂糖1,5カップ

【作りかた】

  1. 小豆は洗って鍋に入れ水をたっぷり入れ火にかける。
  2. 煮立ったら弱火にして3分~5分程煮て、茹で汁を捨てる
  3. 再び被るくらいの水を入れ茹でる、煮立ったら弱火にして指で小豆がつぶれるくらいの固さにする。(時々刺し水しながら)茹で汁を捨てる
  4. あんに砂糖を加えて練りながら煮詰めていく。塩を少々加えて練る。

こしあん

【作り方】 粒あんの作成③まで過程は一緒

  1. 裏漉しする。もう一度細かくして裏漉す。水を加えると濾しやすい。こし残ったカスは捨てる
  2. 水を加えてさらしで濾す。
  3. さらしの中の水気をよく絞りとる
  4. 袋の中に残ったものが生こしあんになるこの分量の半量の砂糖を加えて練る。

荻ご飯(食事)

うるち米に塩少々加えて米を炊く、炊きあがったら、茹でた小豆をご飯に色が付かないように混ぜて蒸らす。小豆の地はよく切って使うようにする。

南瓜と小豆のいとこ煮(煮物)

【作り方】

  1. 南瓜は皮を少し残し剥き、面取りする
  2. 小豆は綺麗に洗い、浮いてくる小豆は外し、南瓜と共に鍋に入れ、ひたひたになる量の水をいれる
  3. 沸騰したら火を弱め、小豆、南瓜が柔らかくなるまで煮る
  4. 少量の砂糖を加えてさらに煮る
  5. 少量の醤油と塩で当たりをつける

御前しるこ

【作り方】

  1. こしあんに、水、砂糖を加えてトロッとするまで弱火で煮詰める。当たりはこの時にしっかりつけておく
  2. 白玉粉をぬるま湯で耳たぶ位の固さにして、小さく丸め真ん中を少し押しへ込めておく
  3. 熱湯の中に白玉をいれ浮いてきたら水にとる
  4. ①を椀にはり、白玉は水気をとり、熱湯にくぐらせ、椀に盛る

サラサラのこしあんを使用した物、御前しることいいます

粒あんを使った、もしくはこしあんを使った汁気の少ないをぜんざいと呼びます。

西日本では違うようで

粒あん仕立てのものをぜんざい

こしあん仕立てのものをお汁粉

汁気の少ないものを亀山と呼ぶそうです。

水羊羹(デザート)

  1. 小豆からこしあんを作り、砂糖をいれて練り上げる
  2. 寒天は水の中にしばらくつけておく
  3. 寒天をちぎって水で煮溶かして、裏漉す
  4. ③にあんを加えてよく混ぜながらひと煮立ちさせ、塩を少々加えて混ぜる
  5. 火からおろし、50℃位になるまで混ぜる
  6. 内枠付きの流し箱に入れ冷やし固める

小豆法度(はずきはっと)

岩手県の郷土料理。うどんを甘い小豆の中に入れて煮たもの。

献立お役立て!

小豆は料理にする事も多いと思います。その他に鮑や蛸を煮る為にも使います。使い方や小豆の良しあしを分かるようになると、料理に幅が出てくると思います。

お祝いの席などには赤飯など提供することもあると思います。小豆を良いものを使うと味も香りも良くお客様にも喜ばれると思います。現在ではこしあんも、粒あんも、白あんの既製品も数多く見る様になってきました。しかし、日本料理をやっているなら一度は自身で生こしあん、生つぶあんは作ってみましょう。

水羊羹はなれると時間もかからず、量も取れるので非常に板前ライフを楽にしてくれます。