食に関する知識

穀物や豆などに関することわざや故事15選!

穀物ことわざ

野菜や魚のことわざを紹介してきましたが、今回は穀物に関することわざです。

穀物のことわざは聞いたことが無いものも多いと思いますので、見ごたえがあると思いますので最後まで見ていって下さい。

青田から飯になるまで水加減

米は生産から炊くまで何より水が大事ということ

美味しいご飯を食べるには、水加減が大事な事は、周知されているが、米になる以前から、田植えの時期を選び、青田には満々とした水を欠かさないよう、梅雨期をあて、そして収穫後には、干し上げる。精米され米になる。そして研ぎ方から始まり、炊き、蒸らししとなるが、米になる過程でも、米になってからも、何よりも水加減が大事だという言葉

搗いた餅より心持ち

(ついたもちよりこころもち)

頂いたものはうれしいが、それよりもその気持ちが身に染みてうれしいという事

これが物のやり取りなどしたくても出来なかった時代の言葉だけに、さぞうれしかっただろう。物があふれている現代に餅を頂きどれほどの人間がありがたいと思えるか。物それ自体の価値はあるだろうが、いつの時代でも、気遣われた時、うれしいと思える心は持っていたいものである。

粟とも稗とも知らず

(あわともひえともしらず)

生活の苦労が全くない暮らしぶり。

アワとヒエの違いも分からない。そんなもの見た事もない高貴な生活を例えるために出来た言葉。「げにやむかしの世にあらば、粟とも稗とも、知るまじき、いまはうき目に粟畑、島追い屋にただひとり」という詩がある

煎り豆と十七娘はそばにはおけぬ

ついつい手を出したくはなるが用心しなくていけないという事

煎り豆は一度食べだすと全部なくなるまで食べ続けてしまう、中断できず後引く。しかし豆は消化に悪いので、食べ過ぎには注意しなくていけない。十七の娘はそばにいれば気になるだろうが用心し色々な事に注意しなくてはいけないという事。

粒粒辛苦

(りゅうりゅうしんく)

物事を成就させるには、コツコツ努力しなくてはならない。という事

中国のことわざ。穀物の実一粒一粒が、育ててくれたお百姓さんの汗の結晶である。農民の苦労が並大抵でない。そこから、何かを完成させるまでには、毎日のたゆみない努力がいるということ。

豆を煮るに豆殻を燃く

(まめをにるにまめがらをたく)

兄弟の仲が悪い事、血族、仲間でいがみ合ったりすること

中国の言い伝え、豆殻とは豆を取った後の茎をさす。「豆を煮るのに豆殻は釜の下でパチパチと燃え、豆は釜の中で燃えている。同じ一本の根から生まれたのにどうしてこんなにいじめられるのか」という弟、曹植の即興の詩を読んで、それ場で弟の才能をねたんでいた兄、曹丕は深く反省したという。この詩から出来た言葉。

麦飯にとろろ汁

これほど相性の良いものはないという意

マグロの山掛け、納豆トロロ、千切りにした山芋等数ある山芋料理の中でも麦とろほど相性の良くうまいものはない。とされていてそこから生まれた言葉昔は麦とろはスタミナ食として人気があった。

胡麻をする

他人にへつらって、その時々の自分の利益を図る

あまりいい意味の言葉でない。言葉としてはいい意味ではないがすり胡麻はビタミンEやリノール酸、カルシウム、鉄、ヨードなど豊富でアルカリ性食品で健康に良い。

同じ釜のめしを食う

特に親しく腹を割った仲

一緒に飯を食ったという食に関する言葉でなく、寝食を共にした、親しく深い中の事を言う。「めし」を言う言葉にはたんに食うためのものでなく、生活や仕事、生きて行くための糧などの意味を含んでいる。日本人と米の関係の深さが伺える。

我田引水

(がでんいんすい)

自分にだけ有利なように強引にとりはからう事

我が田にだけ水を引く様子、誰でも自分が有利になりたいのは人情だが、水飢饉であれば、「我が田への水も八分目」ということわざもあるように、他にも目を向けることが出来なくてはいけない。これはまた、稲を育てるのに水が深い関係なのを物語っていて、稲と水の関係を教えることわざの一つである。

豆腐に鎹

(とうふにかすがい)

なんの手ごたえがない、役に立たない事

鎹(かすがい)というのはコの字型をした釘、二本の材木をつなぎ合わせるときに使う。この鎹を豆腐に打ってみたが豆腐が崩れるだけでつなぎ合わせることはできず何の手ごたえもない。同じような言葉に「糠に釘」「土に灸」「泥に杭」などがあって、みな同じ意味を持つ。「そんなことしても、どうせ豆腐に鎹さ」などと使う。

そば屋の徳利

津軽地方の夜鷹そばでは、蕎麦の汁徳利が倒れないように屋台の柱に縛り付けてある。くくられた徳利を見て、くくりつけの洒落から、足止め、外出禁止を意味するようになった。

そば屋の湯桶

(そばやのゆとう)

他人の話に横から口出しするうるさい人

湯桶には同の角に注ぎ口が付いている。まるでその注ぎ口みたいに、横から出すことから、この名がついた、「そば屋の湯桶」とはうまく表現したものだ。

そばとお化けはこわいもの

こわいというのは「恐い」と。関西ではこわいに「固い」の意味がある。そばのタンパク質は水溶性なので、ゆでてからすぐ食べないとまずくなる。そばは茹ですぎても恥ではないと言われるが、幾分固めの方がうまい。お化けは恐い、そばはかため、どちらも「こわい」にかけて、そばの口当たりが蕎麦のうまさの一つと説く。

塗り箸でそうめんを食う

とてもやりにくい、不可能な事をいう

そうめんを食べるには塗りの箸ではつるつる滑ってなかなか食べにくい。