お家で調理

【板前が教えます】鯵の捌き方。写真付きで詳しく丁寧に解説

鯵

板前をはじめて最初に触らせてもらった魚は鰺でした。この時は捌く(卸す)事はできず、水洗い(捌く前の段階)まででした。その後20年以上板前をやっていて、一番捌いた魚は鯵だと思います。

大衆魚であるのにも関わらず、味が良くまた、扱いやすい魚となっています。

鰺が食べたいなと思っていても刺身を買ってしまうお母さん。是非一度家で鰺を捌いてみてください。そんなに難しいものではありません。

ここでは丁寧に刺身に出来るまでを解説していきます。

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鯵捌き方 水洗い

鰺を捌くにはまず水洗いが必要になります。この作業を丁寧に行う事で、魚を美味しく食べれられます。最初は面倒な作業と感じるかも知れませんが、慣れると非常に短時間で綺麗に水洗いが出来るようになります。

この作業を適当に行うと血などが残り、食べた時に生臭さを感じる事になってしまうので丁寧に行いましょう。

水洗いを行う上で出てくる名称を下の写真で見てください。エラはエラ蓋を開けると真っ赤なエラがあります。

アジ名称
ぜいご

ぜいごを包丁を上下に動かし身を削らないように両面取ります。

この時包丁は強く前に押してはダメです。手を切ってしまう事になります。上下に動かし少しの前に押す力でぜいごはとれます。刃が引っかかってしまったら、力で押すのでなく一度刃を戻しやり直してください。

鰺にも小さいうろこがありますので、ぜいごが取れたら、包丁の先を使って全体のうろこをとります。

アジ 頭落とす

胸ヒレをつかみ、頭の方に少しひっぱり、胸ヒレの右側を一気に切ります。

頭が落ちます。胸ヒレを少し引っ張ってあげることで余計な身を切り落とさないで済みます。

アジ水洗い

頭を落としたら、写真の様に腹の端を掴み持ち上げ、お腹に穴が開いているのでそこまで包丁の先を使い切ってあげます。

その切り口から内臓を出します。包丁の先を使い描き出すようにします。

背骨に沿って包丁の先で切れ目を入れます。後で洗う時に血合いが綺麗にとれます。

流水もしくは、薄い塩水を使いお腹の中を綺麗に洗って、水気をふき取っておきます。少ない本数なら親指を突っ込んで洗えば良いですが、数が多い時や指で洗うのが嫌な時は歯ブラシなど用意して洗うのが良いでしょう。和食屋ではささらなど使って洗います。今は家庭用で使えるものも売っていて重宝します。↓の透明大きい歯ブラシみたいのはかなり使いやすくてお勧めです、私も家庭で愛用しています。

鯵捌き方

水洗いが終わったので、次は捌き方(卸し方)になります。

鯵の様な小さい魚は大名卸しで卸してしまうやり方もありますが、個人的には3枚卸の方が良いと思いますので、3枚卸の方法を解説していきます。

大名卸しとは水洗いした鯵を中骨に沿って一刀で卸します。メリットは早くでき、包丁を何度も入れないので断面がきれいに仕上がります(3枚卸でも綺麗にできます)。デメリットは中骨に身がつきますので、もったいないです。

水洗いしたら、まな板は綺麗に洗い拭いておきましょう。鯵も綺麗に拭いて水気がない状態にしておきます。私は水洗い用のまな板と卸す用のまな板を用意してありますので、この先まな板の色が変わります。

アジおろし

鯵の頭を右側に向け、腹から包丁を入れます。順番としては、腹、背、背、腹と覚えてください。

皮だけを切るように尾まで切れ目を入れます。これは探りを入れ、次の包丁を入れやすくするためです。

次の包丁で中骨まで包丁を入れ尾まで切ります。

アジおろし 背

尾を持ち鯵の向きを逆にして、尾の方から頭に向け探りの包丁をスッと入れます。

次の包丁で中骨までいれ一回で包丁します。

この時包丁をギコギコ動かすと断面が汚くなります。少ない包丁で出来るようにしましょう。

この段階で包丁を入れた面は中骨だけがくっついている状態です。

アジ切り離し

写真のあたりの中骨を身から切り離す、包丁を刺して貫通させます。

包丁をそのままにして、左手で尾を押さえつけます。包丁を頭の方に動かします。

この時。一気に切り離すのがコツです。包丁は少し引く感じで一気に頭まで切り離します。

アジ半身

中骨と身が切られたため、半身が卸せた状態になります。

アジおろし 背から

次は背の方から包丁を入れます。

探りの包丁を薄く入れ、中骨まで包丁を入れましょう。

クルっと向きを半回転して、腹からも同じように包丁を入れます。

今鯵は中骨だけでくっついている状態です。

アジ 切り離し

中骨を切り離すため、尾の方を包丁を刺し貫通させます。左手で尾を抑え、包丁を一気に頭の方へ走らせます。

アジ三枚おろし

三枚に卸せました。

包丁を入れる回数を少なくすることで断面が綺麗で美味しい鯵の料理が出来ます。

ギコギコ包丁を動かしてしますと、断面が潰れてしまう為、見た目も美しくなく味も悪くなります。

鯵の骨を抜き、皮を引く

鯵を3枚に卸すことができました。刺身にするには、腹骨をすきとり、骨を抜き、皮を引かないといけません。

骨抜きメンドクサイと思うかもしれませんが、簡単に骨抜けるコツがありますので紹介します。

骨抜きも今はアマゾンなどで簡単にお手軽に購入できます。私も家では使用しています。2年ほど使っていますが非常に使いやすいです。

鯵 腹骨

腹側にまだ骨が残っていますので、取り除きます。骨に沿って包丁を入れます。

骨抜き

骨を抜きますがこの時、綺麗な布巾などを丸めてその上に味を乗せると、骨がうき上がり抜きやすくなります。あまり角度がついてしまうと鯵の身が割れてしまうのでいい塩梅でやってみてください。

鯵 皮引き

最後に皮引きです。頭の方の皮を少しつまみ、包丁の背(刃の逆側部分)で剥き、少し剥けたら、まな板に置いて(左手は皮を持ったまま)包丁の背で一気に剥きます。

これで鰺の色々な料理に挑戦できますね。鯵の骨抜き一度是非布巾など使って試してみてください。簡単に骨が抜けます。

ここまで出来ればあとは好きな料理が作れます。

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