冬・魚

甘鯛料理と甘鯛基本情報。3種の甘鯛の違いなど詳しく解説

甘鯛料理

和食では冬の献立で良く出てくる甘鯛です。和食に使われる甘鯛は数種類いますので、種類のお話もさせて頂きます。

アマダイ甘鯛、尼鯛どちらでも正解です。これは名前の由来に関係する様です。

  1. 甘みのあるタイ
  2. 頭の部分が尼さんのほっかぶりした姿に似ていることから

和食屋さんの献立で見ることの多いのは甘鯛ですね。

甘鯛基本情報

キツネアマダイ科アマダイ属

鯛とついているが、鯛の仲間ではない。

高級魚として扱われている。

砂底に穴を掘って住む習性をもつ。若魚には雌が多く、成長につれ、雄が増える。上物として扱われるのは全て雄となっている。

基本的に甘鯛と言えば一般的に赤甘鯛の事を指すことが多い。京都ではクジと呼び、九州ではグズナと呼ぶ。

甘鯛3種の中ではしろあまだいが一番美味とされていて、次いで、あかまだい、きいあまだいとされている。

白身の魚で肉質がやわらかく、水分は多く味は甘い、旬の冬場には高級食材として扱われる。味が淡泊なので塩焼きをより、照り焼きがよく、酒蒸し、味噌漬け、粕漬けなどにされることが多い。脂肪分も少ないので、油を使って調理すると風味が引き立つ。洋風にはなってしまうが、バターを塗り小麦粉をまぶして、網焼きにしたり、ムニエルにしてパラフィン紙に包んで焼くパピヨットなどにすると風味も閉じ込められて美味しいく出来上がる。

甘鯛の旬

秋~冬 

甘鯛産地

青森以南日本海、関東以南太平洋沿岸など

韓国、台湾、香港などでもとれる

福井県若狭でとれた甘鯛は若狭ぐじと呼ばれ重宝している。

甘鯛栄養素

 アマダイには多くの不飽和脂肪酸が含まれています。不飽和脂肪酸は体内で合成できないため、経口摂取する必要があります。。血中の中性脂肪を下げる働きや血液をさらさらにする、動脈硬化を予防する働きなど生活習慣病の予防に役立つとされている

アマダイには野菜からは摂れないビタミンB12も含んでいる。ビタミンB12はDNAの合成や調整に深く関わりがあり、正常な細胞の増殖を助ける働きがあるとされています。

3種の甘鯛の特徴

あかあまだい 

本州中部以南の日本海に多く生息

全長45㎝ほどとなり、体色は赤みがかっている、尾びれに4~5本の黄色い縦帯があり、目の後方に逆三角の銀白色の斑紋がある。3種類の甘鯛の中では水揚げが一番多い。

近年では中国からの輸入物もある。

きあまだい 

相模湾、鹿児島湾で多く生息

全長30㎝ほどになり、体色は黄色みが強い。背びれはは黄色い縦帯の下方に、通常黄色の円点がある。捕獲量は少なく、3種の中で味は最も劣るが興津鯛(おきつだい)はこの種の最上品となる。

一般的に興津鯛とは一夜干しにした干物の事を指すが、静岡の中部で興津鯛といえば甘鯛のことを指すことがある。興津とは静岡県清水の地名である。この興津鯛の由来は諸説あるが徳川家康がこれを食べ調理した、奥中女の『興津の局』の名を取って興津鯛となったとされる。

しろあまだい 

西日本に多く生息

しらかわとも呼ばれ、全長80㎝ほどになり、甘鯛の中では最も大きくなり、最も美味とされている。市場に出回るのは30㎝~40㎝のものが多い。体色は淡紅色、鮮度のとびきり良い物は真珠のように光っている。

甘鯛料理・調理法

刺身、焼き物、蒸し物、椀だね等に活用でき、秋から冬の献立には欠かせない魚。特に焼き物や蒸し物に向いている魚、味噌漬け、幽庵焼き、若狭焼き、粕漬焼き等はよくみる。身が柔らかいので煮物には不向き。水分が多いので薄く塩をしてから調理する。

身も皮も柔らかいが鱗は固くぬめりがある為、すき引きして水洗いする。鱗ごと揚げて使う松笠揚げなどもあるが、鮮度の良いものでないとできない料理。

甘鯛の幽庵焼・柚庵焼・祐庵焼(焼き物)

甘鯛は3枚に卸し、骨を当たる。薄塩をして1時間ほどおき、よく水分をふき取ってから使用する。

濃・味・酒を同量で合わせた汁に、切り身の大きさにもよるが20分程漬け。串を打ち焼く。この調味液に季節がら柚子のスライスや絞った汁などを入れる事が多い。柚子を入れる事により、上品に仕上がる。

甘鯛の西京(焼き物)

甘鯛は三枚に卸して、骨を当たり、薄塩をして1時間程おいてよく水気をふき取ってから使用する。

西京味噌の粒を砂糖、味醂で伸ばして、油で照りを付けて、七味で味を締める。切り身の大きさにも良いるが20時間~位漬ける。漬け方はガーゼに挟むように丁寧につけましょう。

こちらは鰆ですが、味噌にガーゼをひき、魚をおいて、ガーゼをひき、味噌で挟む。

串に打ち焼きますが、火加減には気を付けましょう。味噌漬けは焦げやすいので火を絞って焼いていきます。煮切り味醂に少しの薄口醤油を垂らした物を1度、はけで塗ってあげましょう。焼き上がりが綺麗にあがります。

甘鯛の祝い蒸し(祝いの席の蒸し物や凌ぎ)

甘鯛・赤飯・昆布

【作り方】

  1. 甘鯛は3枚に卸してして、骨を当たり、一口大の大きさに包丁し薄塩をして1時間程おく、熱湯で霜降りして氷水に落とし、水気をよくふき取っておく
  2. 蒸しめんきに昆布を敷き、甘鯛の切り身をのせ10分程蒸す。火がはいればよい
  3. 器に赤飯、甘鯛の順にのせ、5分程蒸す
  4. 銀餡をかけ、天に山葵を盛って提供

甘鯛磯部揚げ(揚げ物)

甘鯛・大葉の千切り・焼き海苔

【割合】 濃口醤油0.8、酒1、味1、砂糖適量

【作り方】

  1. 甘鯛は3枚に卸して、骨を当たり、拍子木形に包丁しておく。
  2. 濃・酒で下味をつけ、片栗粉をまぶしてカラッと揚げる。
  3. 割合の出汁を適量鍋に入れ煮たて、揚げた甘鯛に絡める
  4. 大葉の千切りを鍋から出した、甘鯛に絡ませ、焼海苔にくるむ。

甘鯛おかべ蒸し(蒸し物)

岡部とは豆腐の事。豆腐を白い壁に見立てたことからこの名が付いたとされる。

  1. 甘鯛を三枚に卸して、骨を当たり、薄塩をして1時間ほど置く。よく水気をふき取って使う。
  2. 昆布を引きその上に甘鯛の切り身をのせ、酒を少々振りかけて、8分程蒸し火を入れる。
  3. 適量の大きさに切った豆腐をのせ、もう一度蒸す。甘鯛に火が通り、豆腐が温まれば良し。
  4. 野菜を入れた餡を作り、それをかけて提供。

野菜は、時期にもよるが、椎茸、筍、人参、きくらげ、絹さや等でよい。

トロミを少なくして水分を多くすることで、甘鯛のおかべ椀を作る事も出来る。沢煮椀に甘鯛が入っているイメージ。

甘鯛のかぶら蒸し(蒸し物)

甘鯛に卸した蕪をのせて蒸したもの。

蕪は卸した後は一回熱湯で洗い、こしの取った卵白で混ぜ合わせ塩をひとつまみ入れておく。

一緒に蒸す材料によって料理の様相が変わってくる。一例として。

車海老、焼き穴子、銀杏、占地、ゆり根、きくらげ等を小さめに包丁して下味をつけておき、甘鯛、を加え蕪に絡ませ蒸す。

出汁、薄、味、塩で材料に合うような。調味液を作る。吉野葛(片栗粉)でとろみをつけ、上がったかぶら蒸しにかけて、天に山葵を盛り提供する。

甘鯛菊花仕立て(椀物)

甘鯛と菊の入った清汁。

甘鯛・春菊・菊花

【作り方】

  1. 甘鯛は3枚に卸し、骨を当たって、薄塩にあて、1時間程おき、よく水気をふき取って使う。黄菊、春菊はむしっておく。占地はばらす
  2. 甘鯛は皮目に包丁目をいれておく。全体的に片栗粉をまぶし、熱湯で霜降りして、氷水に落とし、よく水気を切って、昆布出汁で火を通す。
  3. 黄菊はボイルし水に30分程さらしておく。占地はさっと吸汁で炊く。春菊は色よくボイルして、氷水におとし、冷めた八方地にいれておく。
  4. 吸出汁を作り、くず粉でとろみをつけて、黄菊の水気をよくとり。吸出汁にいれる。
  5. 椀に甘鯛、占地、春菊を形よく盛り④の汁を温めてゆっくり注ぎ入れる。
  6. 生姜の絞り汁を2,3滴おとし提供する。

甘鯛黄金焼き(焼き物)

秋の献立なら黄金(こがね・おうごん)焼きとし、春に使うなら菜種焼きとなる

甘鯛に玉子をのせ焼くのだが、パラパラにした玉子を振りかけるや、びしゃだまを作りのせ焼くなど方法は色々ある。

甘鯛昆布締め(刺身)

  1. 甘鯛は3枚に卸し、骨を当たり、皮をとり、薄塩をして塩が回ったら(1時間位)酢でさっと洗う
  2. 昆布は酢で拭き、甘鯛を挟み軽めに重しをする(輪ゴムなどでもよい)2時間程待ち、味を確認
  3. 糸造りにしてこんもりと盛る。この時昆布も一緒に糸造りにして和えて盛っても良い。
  4. 食べる直前に合わせ酢をかけて提供するとより、上品で味わい深いものになる。合わせ酢は柑橘系の汁1・出汁2・濃2

糸造りにしてこんもりと盛る。この時昆布も一緒に糸造りにして和えて盛っても良い。

食べる直前に合わせ酢をかけて提供するとより、酢の物として提供することも出来る。上品で味わい深いものになる。

甘鯛桜蒸し(蒸し物・凌ぎ)

甘鯛を桜の葉で包んで葛庵をかけたもの。

道明寺を使えば、凌ぎの一品としても使える。

甘鯛は冬の魚だがこの料理は春の献立につかう。

甘鯛柴蒸し(蒸し物)

柴蒸しとは

①野菜を細かく刻んで白身魚に乗せて蒸して出汁や庵をかけて紫蘇を刻んで添えた料理。素朴で優雅な大原女(おはらめ)が頭に柴をのせていく姿を料理名にしたもの

②山野に自生する小さい雑木を連想させるように茸類を卵白でつないで、白身魚の上に乗せ蒸したもの。

甘鯛・松茸、人参、榎木、三つ葉・昆布・生姜

【作りかた】

  1. 甘鯛は3枚に卸して、骨を当たり、薄塩をして1時間程おき、熱湯で霜降りして氷水に落とし、水気をよくふき取る。
  2. 松茸、人参、榎木、三つ葉を細切りにしておく
  3. 蒸茶碗に昆布を引き甘鯛を形よく盛り、(甘鯛の表面に水気はないように)甘鯛にこしのとった卵白を塗り、切っておいた野菜を綺麗に盛り付ける。
  4. 5分~10分蒸し、旨出汁(薄葛庵でもよい)を注ぎ、針柚子を天にのせ提供

甘鯛の信州蒸し(蒸し物・凌ぎ)

信州蒸しとは、白身魚そばで包んで蒸したもの

甘鯛・茶そば・葱・刻みのり・山葵

【作り方】

  1. 甘鯛は3枚に卸し、骨をあたり、薄塩をして1時間程おき、霜降りして氷水におとし、よく水気をとってからつかう。
  2. 茶そばを固めに湯がいて、洗って、水切りする
  3. 甘鯛は観音開きに包丁して少々の酒を入れて蒸す。
  4. 器に茶そばを甘鯛に巻き付ける様に盛る(甘鯛の姿は見える様に)もう一度蒸す。そばに芯が残らないように。
  5. そば出汁をかけて提供。葱、のり、わさび等があると良い。

甘鯛丹波蒸し(蒸し物)

栗と甘鯛を一緒に蒸しあげた甘鯛料理

甘鯛・栗・法蓮草・もみじ麩・卵白・針柚子

【作り方】

  1. 甘鯛は3枚に卸し、骨をあたり、薄塩をして1時間程おき、さっと霜降りし、よく水気をとってからつかう。
  2. 栗は渋皮を剥き薄味を含ませておく(あまり甘くない方が美味しい)
  3. 栗は粗みじん切りにする。
  4. 法蓮草は茹で浸し地に漬けておく
  5. もみじ麩は甘めに炊いておく
  6. 甘鯛は切り身にしメンキに並べ、酒を振りかけ10分程蒸す
  7. 卵白を固めに泡立てる。その卵白を甘鯛にのせその上に栗をのせる
  8. 5分程蒸す
  9. 器に甘鯛、法蓮草、もみじ麩を盛り旨出汁をかけ、針柚子をのせる

甘鯛生干し茶漬け(静岡県郷土料理)

静岡県の郷土料理、生干しの甘鯛の身をそいで飯にのせ、熱いせん茶をかけたもの。

生干しとは一夜干しの事で軽く水分を抜いただけの干物

甘鯛吹き寄せ蒸し(蒸し物)

甘鯛に色々な秋の野菜をのせて蒸した料理

献立お役立て!

甘鯛は主役になる事が多く秋や冬には献立に欠かせない魚です。

紹介しきれないほど料理が多い甘鯛ですが、甘鯛の性質を考えると蒸し物が調理しやすいですね。

洋風になってしまいますが、バターで焼いたり、パイ生地に包んでみたりと色々活用できる魚です。色々なソースにも合う魚です。

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献立にいれる際にはどこに甘鯛を配置するかも迷ってしまいますね