和食ではよく利用されるイカです。色々な種類がその時々に様々な調理法でイカ料理になります。イカの種類に関しては↓で和食でよく利用されるイカの種類を紹介していますので、そちらをご覧ください。
イカ基本情報
軟体動物で、軟体動物門頭足網十腕形上目
軟体動物中もっとも進化した頭足類に属する。
銅、頭、腕の3部からなる。腕は10本あり、この内長い2本が触腕といい、餌を捕まえるためにある。背には甲羅(軟骨又は石灰質の厚い甲)があり、腹面には排泄物を体外に出すろうとがある。体色は一般に赤褐色ないし暗褐色で鮮度がおちると白っぽくなる、目は大きく発達している。腹部に墨袋を有するのが特徴。世界中の海に分布している。
烏賊の肉は良質なたんぱく質が多く、脂肪が少ない。鮮やかな透明感のある白色。独特の歯ごたえや特有の旨味が特色。肉繊維は厚く、体軸と直角の方向に走る。その外側には4層の皮があり、1層だけ真皮のコラーゲン繊維が体軸方向に走る。この為加熱すると、体軸方向への収縮が変形が激しい。(ぐぐっと丸まっていくということです。)これを防ぐため、皮をむいたり、包丁目を入れておくことが多い。加熱し過ぎると変形するほかに、身が固くなり味が付きにくくなる。
イカ類石灰質の甲を持つ、コウイカ類と甲が薄い木の葉状の軟甲に変わった筒イカ類に大別される。筒イカ類はさらに沿岸にすむヤリイカ類に分けることが出来る。
どのイカ類生きているときは、体が透明で、内臓類が透けて見える。水から揚げると透明感が薄れて茶褐色に変わり、しだいに乳褐色になる。この変化をはイカの鮮度を見分けるための大きなバロメーターとなる。その他鮮度を見極めるためには、目を見てみると黒々としているものが良い。吸盤も触ってみて、吸着力を持っているものが良い。
イカ類の栄養成分の主体はタンパク質で、アミノ酸組成が優れている。脂質やビタミン類は少ないが、コレステロール降下作用のあるタウリンを含んでいる。
烏賊名前由来
- 海面で死んだふりをして鳥を食い殺すという中国の伝説から
- 怒ったときの、いかめしい形をしているから
- 『い』→白い『か』→背が固いを意味するから
イカに関することわざなど
イカの甲より年の功
イカの甲は役に立たないが、年長者の言う事は、長い経験と知識からでた、貴重なものだからおろそかにしてはいけないという事。
その通りですね。板前の皆様も年長者のいう事は聞きましょう。しかしそれは自分の意見を言うなという事ではないです。知識も経験もある人のいう事は一度自身の為になるとは思うので聞く耳を持ちましょうということですね。
イカサマ
故事でもないのですが、このイカサマという言葉も『烏賊』からきているので紹介させて頂きます。
イカサマとは、さもその様に見える、いかにも本物らしいといった意味で、まがい物あるいは偽物という事を言う
イカ料理・調理法
色々なイカの料理、調理法をいくつか紹介させて頂きます。
こちらのページでスルメイカの扱い方を写真付きで丁寧に説明してくださっているので、参考にして下さい。
イカの造り(刺身)
イカ料理店では活けのイカを調理してくれるところなどもありますね。
細造り、鳴門造り、博多造り、唐草造りなどの包丁があり。盛り込みや単品などにも使える。皮はきちんと取り、鮮度の良い物を刺身として、提供しましょう。
イカの千草揚げ(揚げ物)
千草とは様々な材料を取り合わせ作る料理の名称。
材料・紋甲烏賊、人参、椎茸、木耳、サヤ
- 烏賊はよく叩きミンチ状にしておく
- 野菜は千切りして湯通しして下味をつけておく
- 当たり鉢に烏賊を入れて、塩、味醂、薄口で下味をつける
- 下味をつけた烏賊に水気をよく切った野菜を入れ混ぜる
- つなぎに、片栗粉、卵白を入れる
- 形を整えて蒸す(小判型、団子型、流し缶)
- 冷まして、パン粉をつけて揚げる
団子型で一口サイズにした場合、パン粉の代わりにぶぶ霰などでも代用でき、食感もよく品も良い。
イカの黄身焼き(焼き物・前菜)
黄金焼、蝋焼(ろうやき)という表記で献立に使う事もできる。一品で使うより、前菜に使ったり、焼き物のあしらいとして使われる事が多い。
- 掃除した烏賊を串打ちする。(イカは加熱すると曲がってくるので、縫い串がよい)
- 卵黄に塩、酒、味醂を少々いれよくときほぐす
- 烏賊を白焼して、②の卵黄を刷毛で2,3度塗りながら弱火で焼く
烏賊はすぐ焼けます。卵黄を塗った後はすぐに色が付いてしまうので、気を付けてみていてください。この料理は綺麗な黄色が売りなので、焼き目がついてしまうと失敗です。
『縫い串』は焼く烏賊の大きさにもよりますが、片面の身から串を2度ほど出して串を打ちます。その身から出ている串の部分に竹串などを打ち加熱時に曲がるのを防ぎます。
蛍イカ辛子酢味噌(酢の物)
春によく使われる料理です。菜の花と一緒に提供するなどするとより春を感じられますね。
蛍烏賊に菜の花を添えて、辛子酢味噌を鞍掛にして、天に赤芽。
酢味噌の作り方は合わせ酢のページにて紹介していますのでご覧ください。
蛍イカ沖漬け(先付け・前菜)
本来沖漬けは海上(沖)釣りたてを醤油漬けにしたものを沖付けと呼びます。
蛍烏賊を保存が効くように少しでも余ったらすぐに沖漬けにしてしまいましょう。そのまま置いておくよりも日持ちします。もし生のもの使う場合、寄生虫が心配でしたら一度冷凍してから利用しましょう。
醤油1、煮切り味醂0,5、煮切り0,2の割合に柚子など入れて
イカのこのこ焼き(焼き物・前菜・珍味)
『このこ』とはナマコの卵巣もしくは卵巣の塩辛のこと。コノワタはナマコの内臓の塩辛。このこを干したものを『ばちこ』という。
黄身焼きの要領で作れます。このこを雲丹に変えれば『烏賊の雲丹焼き』になります。
酒の当てにはよく合う料理になります。
高級珍味であるこのこの引き立て役にイカを使います。焼くと言っても炙る程度です。
イカの粕漬け
北海道の郷土料理。烏賊の胴に、人参、白菜などを細かく切って詰め、水煮にしてから、酒粕に一週間ほど漬け込む。輪切りにして提供する。
イカの黒造り
富山県の郷土料理。烏賊の墨を入れた塩辛、スルメイカを細切りにして、ワタ、墨、塩を混ぜ合わせたものを10日ほど発酵させる。飯のおかずに、酒の当てにもなる。北海道にも同じような料理が存在する。
献立お役立て!
烏賊の刺身を作る際には鮮度の良い物を使いましょう。烏賊にはアニサキスがいます、鮮度が落ちてくると腸から身に移動してきます。その際鮮度が落ちた烏賊を白くなってきて、アニサキスがいても見落とす可能性がありますので、注意をして扱ってください。
烏賊は種類を選べば、通年使え、献立の作成には非常に役に立ってくれる食材だと思います。私もよく使う食材です。塩辛などは酒のあてにはピッタリだと思います。上記に記載した以外にも多くの調理法があります。今後塩辛も含め写真付で詳しく説明させて頂きます。