肉・その他

デンプンとは

デンプンとは、植物が空気中の二酸化炭素と水から太陽の光のエネルギーをかけて作りだす(光合成)物質の事を指す。炭素と水素と酸素からできている。砂糖も同じものからできていて、ブドウ糖という仲間がたくさん集まってできたものをデンプンといいます。

デンプンの由来は比重が1.65程度で水中に沈殿することから澱粉(デンプン)と名付けられました。

デンプンの性質

デンプンは植物などから採取することができ、植物から取り出し精製したデンプンは通常白く粉末状をしています。その粉末を水と共に加熱すると、大きく膨潤し糊状になります。これを糊化と言います。またそのデンプン粉をそのまま放置して冷却すると、白濁したりゲル状化が起こったりします。これを老化と呼びます。植物からとったデンプンの種類によって異なりますが、これらの特性を生かし食品など様々な場所でデンプンが利用されています。

世界で生産されているデンプンの約8割が玉蜀黍(トウモロコシ)デンプン(コーンスターチ)であるが、わが国日本では国内産の原料から生産されているデンプンは主に芋から作られており、そのうち8割がじゃがいも、2割がさつまいもとなっています。じゃがいもは主に北海道で作られており、北海道で作られているじゃがいものおよそ45%をデンプン原料用のジャガイモが占めています。

デンプンの消化と吸収

我々がデンプンを食べるとまず口で唾液中の消化酵素アミラーゼにより、アミロースとアミロペクチンのa1-4結合が不規則に切断され、デキストリンやマルトースに分解されていく。デンプンを含む食品をかみ続けると甘味が感じられるようになるのはこのためである。

デンプンの使用用途

デンプンの使用用途は2000~3000とも言われている。そのうち約7割が食用として利用されています。食用の他にも我々の身近な様々な場所で使用されています。

デンプンの使用用途の主なものとして

  • 医療・・・医薬錠剤の賦型剤、抗生物質の発光培地原料など
  • ビール・・・酵母発酵の副原料
  • パン、菓子、麺類・・・食感向上など(もちもち感、うどんなどのこし等)
  • 練製品・・・保水性、食感向上(ソフト、又はハードな食感)
  • フライ、タレ、惣菜・・・フライの結着性(サクサク感)、タレの増粘など
  • 食物繊維・・・食物繊維含有量アップ
  • ペットフード
  • エネルギー補給
  • 製紙紙・・・強度向上など
  • 段ボールライナーと中芯の接着剤

などがあげられます。

デンプン採種できる植物

デンプン採種できる植物は様々なものがあります。その植物ごとにデンプンの性質が違うため使用用途が変わってきます。

穀類

小麦 小麦澱粉

小麦デンプンは一般的に浮き粉と称されています。品質のばらつきが多いため、製造所で粒度区分と純度に従って等級を指定している。大粒粒子区分を生成した等級品は糊化温度が低く冷却時の粘度が高くなる。他の澱粉と比較して糊化時の粘度はやや低いが、冷却時粘度が高くゲル化能力も高い。粘液の粘度安定性は良好で、老化しにくく離水も少ない。

大粒の高粘度の小麦デンプンは関西地方などで水産加工品の練り製品に利用されている。また、小粒の低粘度の小麦澱粉は錠剤のベースに利用されている。

米 米澱粉

米のデンプンは複粒であり、アミロブラストの中に複数のデンプン粒が内包されている。平均的な粒の大きさは市販の中で最も小さいとされ、このため製造上歩留まり(60%程度)を上げることは難しく高価になる。

市販の卵焼きや化粧品その他そばやうどんの打ち粉などにも利用されている。

とうもろこし 玉蜀黍澱粉(コンスターチ)

世界で生産されているデンプンの約8割が玉蜀黍デンプン(コーンスターチ)である。

コーンスターチの原料となるのはスイートコーン(甘味種)やポップコーン(爆裂種)などは用いずデントコーン(馬歯種)がおもに用いられている。安価かつ品質が安定しているのが特徴である。白色度が高く、吸湿性は少なく、灰分は最も少ない。その一方でたんぱく質と脂質の含量がやや多い。また加工デンプン原料としても用いられる黄粒種から取り出されたデンプンも白色をしているが一部の用途(医薬品の錠剤や和菓子等のとり粉)には白粒種を原料とした更に白色度の高いデンプンとしてホワイトコーンスターチを取り出している。

食用としては甘味料やプリンの凝固剤ビールの副原料などに用いられるほか、工業用として製紙や段ボール、また文房具ののりにも使われている。

豆類

空豆、緑豆、小豆などの豆が一般的に用いられており、糊化温度が80℃と高く、冷却時に硬いゲル状を形成する。

緑豆デンプンを用いた緑豆春雨やソース、フィリング等の他、細胞澱粉が100℃においても糊化しない特性を生かし和菓子の餡としても用いらている。

じゃがいも 馬鈴薯澱粉

デンプンとしてはリン酸の含量が多い。国内では概ね北海道で生産されており、粒の大きさは市販デンプンの中で最も大きい粒となっている。加熱時の糊化温度は低く、膨潤力、溶解力が強い。透明で粘着力が強く粘度が非常に高い糊液が得られる。ただ、粘度の安定性は乏しく、食塩等に塩類により糊化の状態が大きく変化する。また塩の存在下では糊化が抑制されてしまい糊液も離水しやすくなる。こうした要因から扱いが非常に難しいとされるデンプンである。

かまぼこなどの練り製品の原料や、大福の周りの粉、餃子のうち粉、春雨の原料、オブラートや増粘剤など様々な用途に利用されている。また片栗粉にも利用されている。(片栗粉は本来はカタクリの地下茎から採種したデンプンの事であるが、市場に流通している片栗粉のほとんどはじゃがいもデンプンが用いられている)

さつまいも 甘藷澱粉

鹿児島が一大産地として知られる他、沖縄県では「ンムクジ」と呼ばれ多用されている。加熱時の糊化温度はやや高く、完全に糊化する。液果酵素により極めて溶けやすいためほとんどが糖化原料となる他、ゲル形成時に独特の食感を持つのが特徴である。

食用として春雨や葛切り、わらびもちの他ラムネ菓子などにも用いられている。

キャッサバ(タピオカ) キャッサバ澱粉

粒の形状は多角形または半球形。加熱時の糊化温度は59℃と低く、加熱により容易に吸水膨潤し、80℃以下で完全に糊化する。糊化の透明度が高く、粘度も高い。ゲル化しにくいため食品の増粘剤として優れている。このためデンプンのりの現材料として使用されている。

デンプンのりの他、タピオカミルクティーの原料となるタピオカパール(タピオカ澱粉の半糊化乾燥の粒状品)として流通している。

野草類

片栗 片栗澱粉

カタクリ

片栗粉の原料となっているが、現在では片栗粉として販売されているもののほとんどが片栗ではなくじゃがいものデンプンを用いている。

片栗粉や和菓子材料に用いられている。

ワラビ

ワラビの地下茎からデンプンを取り出す。わらび粉としてわらび餅などに用いられるが、わらび餅の大半はわらび粉以外のデンプンが使用されている。これは自生するワラビの減少や、採種困難に寄る生産量の減少等によるものである。

和傘、提灯、着物の染色等の糊用に使用された。

葛の根からデンプンを取り出し不純物を取り出すなど様々な工程を経てデンプンを取りだす。それを乾燥させたものが葛粉である。

葛粉の原料として用いられるが、本葛と呼ばれる葛粉100%の物を除き、一般的な葛粉には、じゃがいも、さつまいも、コーンスターチなどのデンプンを混入したものが多い。現在では天然資源の減少などから国内産の本葛粉は減少している。また表示基準がないため、本葛と称していても本葛以外のデンプンが混入している場合がある。

ヤシ類

サゴやし

日本での流通はほとんどないが、うどんの打ち粉などに用いられる。その他東南アジアで食用とされ、主食として食べている地域もある。その他ソースの原料などになっている。

加工デンプン

上記にあげたデンプン等を様々な用途に合わせて加工したもので麺類やパンなどの原料からクリームパンのクリーム、わらび餅など様々な形で用いられている。