食に関する知識

米の正しい洗い方や、浸水時間。なぜ?水で洗わなくてはいけないかのかなど詳しく解説

土鍋飯

私が板前になった20数年前と今では、米の洗い方が違います。米は昔、研ぐ(とぐ)と言われていました。

米を洗うのには精米時に取り切れなかった、糠(ぬか)を洗い流すためです。

この精米技術が近年進化して、米にあまり糠が付いていない状態で販売されています。

昔の米は糠がいっぱい付いていたので、その分ゴシゴシとそれなりの力を入れ米を研いでいました。

今回は、精米技術が進化した現代のお米はどの様に洗うのが正しいのか解説します。

また土鍋での米の炊き方も紹介しています、是非試してください。よく美味しいお米の品種を探している方いますが、まず目の前の米を土鍋で炊くだけで劇的に味、変わります。

米洗い方

ボールとそれに合うザルを用意します。

米は一回で食べられる分を炊くのが美味しく食べられます。

  1. ボールにザルを入れ、必要な量の米を入れます
  2. 水を入れ指先で軽く洗います、この水はすぐ捨てます
  3. 水を少量入れ手のひら、下の方で軽く押し洗います、10回程
  4. 水を変え、もう一度10回程押し洗います
  5. その後水を多めに入れ、両手で持ち上げながら米と米をこすり合わせ、米についた糠を洗い流します。もしくはザルに軽く押しあてるように指先で洗っていきます。

米が綺麗に洗えたら次は浸水します。

米を研ぐ

③の工程、キュッキュっとリズムよく、左手でザルを回しながら行います。

力はいらないです。力を入れると米が割れてしまうことがあるので、軽く押す感じです。

米洗う

⑤の工程、手のひらで米と米をこすり合わせ洗い流します。この時に米に感謝し、美味しく炊けるよう願いましょう。

水が透明になれば良いです。水が濁るようでしたら、水を変え何度か行いましょう。

米の浸水時間

米浸水

米は浸水すればするほど、柔らかくなります。浸水が短ければ、固い米が炊けます。用途や、季節によっても浸水時間は違いますので一般的な米の浸水時間を紹介します。

  • 新米なら30分程度
  • 夏場なら1時間程度
  • 冬場なら1時間30分程度

新米は水分を多く含んでいるため、浸水時間が短く済みます、浸水時間を長くしてしまうとべチャっとした米になってしまうことがありますので注意してください。

夏場と冬場で浸水時間が違うのは温度によって水の吸水が変わってくるためです。

浸水した後すぐ米を炊くのでなく、水をよく切ってから米を炊きましょう。

朝、米の浸水時間が取れない時、浸水した米をザルにあげ、空気にふれない様、ラップなどして、冷蔵庫に入れておけば、浸水をすました米を用意しておくことが出来ます。この時、米が乾かない様にしてください。

朝、お弁当など作るお母さんにオススメです。夜のうちに予約炊飯などしている方も多いと思いますが、柔らかくなってしまうことが多いと思うので、夜のうちに浸水までして、朝米を炊く方が良いです。

米を炊く

炊飯器の場合は同量の水を入れて炊飯ボタンを押してください。

浸水時間が適切な時間だった場合、同量の水で少し固め~丁度良い米が炊けます。

柔らかめが良い場合、一割多く水を入れると良いでしょう。

私は土鍋で炊いた米が一番美味いと感じますので、米は土鍋で炊いて欲しいと思っています。毎日土鍋だと大変だと思いますので、週に一回でも良いので、是非試してみてください。土鍋で美味しく炊ける方法も紹介します。

土鍋で米を炊く

土鍋ご飯

適切な土鍋を使うようにしましょう。土鍋に米が少なすぎると、目でみて認識すべきことが認識できないことがあります。写真は2合の米を炊いています。

  1. 土鍋に洗って浸水した米と同量の水を入れる
  2. 強火~中火で7分~10分で湯気が立ちます
  3. 弱火にして10分程、湯気のにおいで判断します。判断ができない場合サッと蓋を開け水分が無いか確認しましょう。
  4. 蒸し10分。土鍋の穴を濡れたおしぼりなどで塞ぎます
  5. 完成。切るように米を混ぜましょう。
土鍋で米を炊く

②の工程、湯気が立ち、土鍋の穴から水が出てきて、土鍋から、カタカタという音が聞こえてきます。

土鍋と米の量が合っていないと、この合図が読み取りにくいです。

土鍋ご飯蒸らす

④蒸しの工程。穴を濡れたさらしにて、塞いでいます。この作業をしない人も多く居ますが、私はこの様に蒸らした方が美味しく炊けると思います。

水じゃなきゃダメ??

冬場の寒い時、お湯で洗いものした後の、米を洗う作業って勇気が入りますよね。いや、米ってお湯じゃダメか?と思った事もあるのではないでしょうか。私も米お湯で洗えればなぁーと思った事あります。

結論を言うと、米は水で洗ってください。

お湯で洗ってしまうと、米の吸水力が高まって、糠を洗っているのに、その水を吸水してしまいます。その為、くさい米になってしまいます。また米が熱を持ったまま米を炊いてしまうと、熱ムラができて、米の表面がヌメヌメした感じになってしまいます。

無洗米って何?

近年の精米技術が上がったので出来たお米が『無洗米』です。

名前のとおり洗わないで米が炊けるものです。浸水は必要です。

私は一度試したことがありますが、米は洗うというのが体にしみ込んでいたので、少々抵抗がありました。また洗わないで食べた所、においも気になりました。