皆さんは家で大根おろししますか?私は結構な頻度で大根おろしを家でもします。元々大根おろしとポン酢の組み合わせが大好きで色々な料理に使います。最後まで読んで頂くと大根おろしの優秀さが分かって頂けて大根おろしをする頻度が増える事と思います。
和食店では大根おろしを料理として使う以外にも、蠣の下処理などにも使われます。大根おろしは食べる以外にも活躍してくれます。これは蠣を美味しく仕上げるほかにも殺菌効果もあるので大根おろしが使われます。
大根おろしのやり方を詳しく解説した動画もありますので、見てみてください。
大根おろしとは
大根おろしとは生の大根を専用のおろし器具でおろしたもので和食などの薬味などに用いられることが多い。特に焼き魚には欠かせないものである。他の薬味などと合わせて用いられることも多く、唐辛子と合わせたもみじおろしや、大根おろしの上に生姜おろしをのせて供されたりもする。近年ではすでにおろした状態のものが販売されている。
独特の辛味があり、その辛さは大根本来の質以外にもおろし方や、おろす部分によっても変わる。またこの独特の辛味成分は「イソチオシアネート」という成分で大根を切ったりおろしたりすることにより細胞が破壊され発生します。このイソチオシアネートは健康的な成分として注目されており、抗酸化作用、肝機能の向上、抗がん作用やガン予防成分として研究が進められています。
大根おろしの成分
ビタミンA、ビタミンC、食物繊維やアミラーゼなどを豊富に含み、おろすことで生成されるイソチオシアネートもあります。
大根おろしの栄養素として注目したいのはアミラーゼとプロテアーゼ、リパーゼといった消化酵素とイソチオシアネートです。
大根おろしの消化酵素にはそれぞれ分解する役割が違い、
- アミラーゼ=糖質
- プロテアーゼ=タンパク質
- リパーゼ=脂肪
をそれぞれ分解する消化酵素で、バランスよく酵素を摂取出来るため体内で作られる酵素を健康な体の維持に利用できるようになり、肥満の改善、免疫力の向上、血糖値や血圧の低下などにつながる効果があります。
またイソチオシアネードは優れた殺菌作用や抗酸化作用をもち体の老化を防ぐ効果があります。その他同じように抗酸化作用をもつビタミンCや整腸作用がある食物繊維など健康的な成分が豊富に含まれています。
イソチオシアネートは大根おろしをした直後の方が多く摂取できますので、食べる直前に大根おろしを用意するとより多くのイソチオシアネートが取れます。
大根おろし効果
大根おろしの成分が分かったところでこの成分達が私たちに与えてくれる効果について紹介いたします。
抗酸化作用
イソチオシアネートには、抗酸化作用が期待されています。
抗酸化作用は活性化酵素から身を守ってくれます。がんや生活習慣病予防、アンチエイジングなどに効果があるとされています。
殺菌効果
イソチオシアネートには、殺菌作用があります。
冒頭に話した蠣の下処理もこの効果があるからです。
胃や腸の病気の原因となる菌に対する抗菌作用もあると言われています。
胃腸健康維持
大根おろしには整腸効果が期待される食物繊維やビタミンcの栄養素が含まれていますが、それらの成分は少量です。しかし大根おろしにはアミラーゼという成分があり、このアミラーゼが消化をサポートする働きがあります。胃もたれ胸やけ対策としても役に立ちます。
大根の辛み成分でもあるイソチオシアネートにも胃液の分泌作用があります。
『秋刀魚の塩焼き』には大根おろしは当たり前のようについてきますが、秋刀魚は脂質の高い魚ですが最後まで美味しく胃もたれや胸やけを起こさないように大根おろしがたっぷり付いてます。
大根おろしのおろし方
大根はその部位によって味や辛味が違うため、大根おろしに使用する場合にも味が変わってきます。
- 大根上部(葉に近い部分)・・・収穫前には頭の部分が地上に出るので、寒さによる凍結を防ぐため糖度が高くなっています。
- 大根中部・・・甘みと辛みのバランスがとれている。
- 大根下部(先細りしている部分)・・・大根が生長する過程で土中に深く埋まっている部分で外敵(害虫)から自分を守るため、辛み成分がある
基本的なおろし方は直角に円を描くようにおろします。力は入れずに流れに合わせておろすようにすることで繊維を破壊しすぎないため、適度な辛みを味わうことができます。逆に力を入れすぎていたり、おろし金の目に対して繊維を削るようにおろしていくと、食べれない位辛味がある大根おろしが出来上がってしまうこともあります。優しくおろしていくのがコツです。
おろし金
大根や生姜などの食材を卸す道具で金属(銅)製ものが多いが、稀にセラミック製のものなども使われている。細かく出ている突起の数や大きさなども数多くあり、その大きさは号数で表され1号から7号のサイズに分類される。歴史は古く、今のような形のおろし金は和漢三才図会(1712年)にすでに見られる。
大根おろしの種類
- もみじおろし(赤おろし)・・・大根に唐辛子を差し込んで一緒におろしたもの、又は大根おろしと人参おろしを合わせたもの。もみじおろしの素も販売されており、素と大根おろしを合わせることで好みの辛さなどに調節ができ便利である。
- 染めおろし・・・大根おろしに醤油を垂らし染み込ませたもの。焼き魚の添え物として主に利用される他、玉子焼きなどにも用いられる。
- 大生・・・大根おろしの上に小さな生姜おろしをのせた物。天婦羅の薬味として用いられるのが主である。
- おろしポン酢・・・大根おろしにポン酢を合わせたもの、肉や魚、野菜など様々な料理に合うさっぱりした味の万能的なおろしである。
- 鬼おろし・・・鬼おろし器でおろした大根おろしの事を指す。目の粗い鬼おろしでおろした大根おろしは食感がしっかりと残り、辛味も出づらいのが特徴です。普通の大根おろし同様に利用します。
大根おろしを使った料理
- 霙煮(みぞれに)・・・大根おろしの入った煮物で鶏肉などや野菜などが用いられ、揚げた物肉類などにに含ませるものが多い。
- 霙鍋(みぞれなべ)・・・大量の大根おろしの入った鍋で、大根おろしに火が入り半透明になった姿が霙に似ていることから名付けられた。雪見鍋、雪鍋、あわ雪鍋とも呼ばれる。
- からみ餅・・・搗きたての餅に大根おろしと醤油を絡めた物。大根餅、おろし餅ともいう。
- おろし蕎麦・・・福井県北部(かつての越前国)の郷土料理で越前そばとも呼ばれる。蕎麦に大根おろしを添えた物。
- おろし和え・・・大根おろしに調味料を加え和えたもの。霙和えとも呼ばれる。
- おろし汁・・・汁物に大根おろしを入れ人に立ちさせたもの。みぞれ汁とも呼ばれる。