タマネギは東欧系の辛味品種と南欧系の甘味品種の2種の分けられている。日本で栽培されているタマネギは主に辛味品種である。色による分類は外皮の色により黄タマネギ、赤タマネギ、白タマネギに分けられる。その他に大きさなどでも分けられる。それぞれに特色があり、同じタマネギでありながら味や形状、見合った調理法などは異なります。
タマネギ品種 黄色品種
特徴
日本で栽培されている中で一番多くポピュラーなタマネギで外皮は薄く色は茶色っぽい色をしています。中は白く実は締まっています。一般的に生で食べると強い辛味を感じ熱を加えることで甘くなります。
一年中収穫可能ではあるが春に種植えされ秋に収穫される。極早生 早生 中晩生の生育期間で分けられ貯蔵性や食味も変わってきます。
主な利用法
カレー、肉じゃがなどの煮物、炒め物、ピザなどのトッピングなどにも用いられ、様々な料理に利用されます。
主な黄色タマネギ品種
札幌黄
日本で最初に食用として出回った品種でアメリカマサチューセッツ州から導入された「イエロー・グローブ・ダンバース」という品種の育成改良した品種である。
オホーツク1号
株式会社七宝で育成された品種で冷涼な地での栽培に向いています。
北早生3号
株式会社七宝で栽培育成された品種で北海道で8月より新タマネギとして出回る品種です。黄タマネギの中では辛みが少なく生食にも向いています。
北もみじ2000
一般的な晩生種でスーパーなどで冬に出回っている北海道産タマネギと言えば主に北もみじ2000である可能性が高いです。保存性が高く病気にも強いのが特徴です。
泉州黄
関西で初めて栽培された品種でアメリカの「イエロー・ダンバース」の育成改良品種。「大阪の伝統野菜」として知られる。この品種から様々な地域の新しい改良品種が生まれた。病気に強いため栽培しやすく貯蔵性にも優れている。
タマネギ品種 赤(紫)色品種
特徴
表皮は赤紫色をしたタマネギで「紫タマネギ」や「レッドオニオン」という呼び名があります。比較的柔らかく、中の実は白い色をしていますが輪切りにすると赤い年輪のような模様がみられるのが特徴です。水にさらすと辛みがぬけやすく元の辛味も「黄タマネギ」と比べると弱い甘味品種です。水分が多く長期保存には向きません。
赤玉葱の赤色の表皮は「アントシアニン」と呼ばれるポリフェノールを多く含んでおり様々な健康効果が期待できます。
主な利用法
サラダやピクルス、酢の物など
主な赤色品種
アーリーレッド
日本では兵庫県が主産地の赤色品種で甘みが強く、水分量も多い。サラダ等には最適のタマネギである。
湘南レッド
昭和36年に「スタックトン・アリー・レッド」から選抜され育成されたタマネギで「かながわブランド」に登録されています。生食用タマネギとして利用され、辛味が少なく水分が多い。
猩々赤(しょうじょうあか)
大玉で肉厚がいい赤玉品種で、赤玉としては貯蔵性にも富んでいる。
くれない
北海道きたみらい地域の端野地区のみで栽培されているブランド品種で特に果肉が柔らかく瑞々しいのが特徴ですが、その反面病気に弱く栽培が難しい農家のこだわりがあるタマネギです。
タマネギ品種 白色品種
特徴
早春から春にかけて出回るタイプの早生種の一種で瑞々しく辛味が弱いのが特徴である。甘味品種の為生食に向くことから「サラダオニオン」とも呼ばれます。外皮まで白く柔らかいのが特徴です。水分が多い為長期保存には向いていません。
主な利用法
サラダや酢の物、和え物などの生食。
主な白色品種
真白
タマネギの一大産地である北海道北見地域の限られた生産者によって栽培されている品種です。シャキシャキした食感で水にさらさなくとも生食でおいしくいただける他、煮ても焼いても甘くおいしく食せるタマネギです。
愛知白
愛知県の伝統野菜として東海市で明治時代から栽培されている扁平な形の早生タマネギです。フランス品種「プラン・アチーフ・ド・バリー」の改良種で辛みが少なく柔らかいのが特徴でサラダなど生食に向く新タマネギです。
その他タマネギ品種
タマネギの品種には黄色、赤色、白色の3種類があると話しましたが、どれもこの色分けには当てはまりますが、色以上の特徴がありますので、その他として紹介することにしました。
ペコロス(小タマネギ)
特徴
プチオニオンとも呼ばれる直径3~4cmの小タマネギの総称で密集栽培によりあえて小さく育てたものと、もともと小さい品種のものがあります。一般的なタマネギよりも糖度が高くその形を利用して様々な料理に利用され、丸のままの食感を楽しめます。パールオニオンやルビーオニオンといったタマネギもペコロスの一種です。
主な利用法
ガルニチュール(料理のつけ添え)、ピクルス、煮物や焼きものなど様々な料理に適応。
小玉ネギ主な品種
ルビーオニオン
直径3~4cm程の小型の赤タマネギで鮮やかな色を生かしピクルスなどに用いられます。
パールオニオン
ヨーロッパでは一般的な小粒な品種でスウェーデン料理には欠かせないタマネギです。またカクテルの「ギブソン」のグラスにも沈められています。ペコロスよりも小さく、やや辛みがあり煮込み料理や、ピクルス、刻んで香りづけにするなど様々な形で利用できます。
葉タマネギ
特徴
葉タマネギとは、普段タマネギとして食しているタマネギの鱗茎部分が大きくなる前に収穫した極早取りのタマネギの総称を指し葉タマネギという品種ではない。若取りすることで普段食している玉の部分と葉の部分との両方を食することができます。葉の部分は柔らかく九条ネギなどに似た食感ですが少し肉厚です。鱗茎部分は新タマネギよりもさらに瑞々しく辛味も少なく柔らかいです。普通のタマネギが約8ヶ月間で収穫するところを葉タマネギは4ヶ月半で収穫を行うもので、千葉県が日本一の生産量を誇ります。旬は2月です。
主な利用法
葉の部分は古くから「ぬた」として食べられている他、すき焼きなどの具材としてもよい。その他炒め物やサラダなどにも向く。玉の部分は炒め物、煮物、焼き物、サラダなど万能的に利用できる。
葉タマネギ主な品種
オニオンヌーボー
静岡毛県浜松市篠原町「ヤママツ農園」で開発され、栽培されている葉タマネギの商標登録名。「ヌーボー」とは新しいという意味があり、世界で一番早く収穫されるタマネギとして知られています。
エシャロット(シャロット)
特徴
タマネギの一種であり、外皮は一般のタマネギの様に茶色く玉が2つ以上に分球している。ベルギーエシャロットとも言われ香辛料としてフランス料理などに使われる。「エシャロット」はフランス語で「シャロット」は英語である。また日本では「エシャレット」と呼ばれるラッキョウを土寄せして軟白栽培した商品(味噌などをつけて食べる)があり、かつてはよくエシャロットという商品名で店頭に並んでしまっていたが、本来の「エシャロット」とは全くの別物である。
主な利用法
ソースやシチューなどの香味付け、又は肉や野菜などと炒めて使う他、サラダなどにも用いる。