イカナゴを生で見た事のない人も多いのではないでしょうか。そんな生のイカナゴを使ったイカナゴ料理をいくつかご紹介させて頂きます。
イカナゴ基本情報
スズキ目イカナゴ科
体は細長く、体色は銀白色だが、背は青く、腹は白い。下あごより上あごの方が長く、腹びれがない。全長23㎝ほどになる。
夏の高温の時期は水中で夏眠する習性がある。
極めて鮮度の落ちやすい魚なので、鮮魚として生で出回ることはめったにない。産地で釜揚げ、ちりめん、佃煮などに加工されて出回る。稚魚のほうが価値が高く。大きくなるほど安価になる。
基本『ちりめんじゃこ』というとイワシの稚魚を想像していました。しかしイカナゴの稚魚もしっかり『ちりめんじゃこ』や『シラス』として成り立っているようです。
シラスを良く干すとちりめんじゃこになります。スーパーなどに売っているシラスは漂白しているので真っ白になっています。全てではないのとは思いますが、加工助剤に該当する為、漂白成と記載しなくてよいそうです。自身で作るとあんなに真っ白になりません。
シラス(白子、英: Whitebait)とは、イカナゴ・ウナギ・カタクチイワシ・マイワシ・ウルメイワシ・アユ・ニシンなど、体に色素がなく白い稚魚の総称。シラウオ(白魚)、シロウオ(素魚)とよく混同され、シロウオのことをシラスと呼ぶ地方もあるが、ここでは稚魚について述べる。これを塩ゆでにして干したものは、ちりめんじゃこ、白子干し(白子乾し)などと呼ばれる。
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ちりめんじゃこ(縮緬雑魚)は、イワシ類(カタクチイワシ・マイワシ・ウルメイワシ・シロウオ・イカナゴなど)の仔稚魚を食塩水で煮た後、天日などで干した食品。ごく小さな魚を平らに広げて干した様子が、細かなしわをもつ絹織物のちりめん(縮緬)を広げたように見えることからこの名前がついた。魚そのものはシラスといい、しっかり干さないものはその名で呼ばれることもある。
収量が多く、油分の少ないカタクチイワシの仔魚が用いられることが多い。ちりめんじゃこの体長は一般に10~40mmのものを指し、20mm前後のものが商品として一般的である。また、牛乳と共にカルシウムを多く含む食品の代名詞ともなっている。
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
引用させてもらいましたが、シラスもちりめんじゃこにも『イカナゴ』の名前が入っていました。シラスは鰯の稚魚だと思っていた人も多いのではないでしょうか。私も恥ずかしながらその一人でございます。
イカナゴ旬
初夏。産卵期は12月~5月寒い地域ほど遅い。
産地
伊勢湾、瀬戸内海、三陸沿岸
北海道以南~瀬戸内海まで分布
イカナゴ漢字で書くと?別称や地方名
『玉筋魚』『如何児』『鮊子』すべてイカナゴと読みます。
【別称・地方名】
『子少女と書いてコウナゴ』『加末須古と書いてカマスゴ』『金釘と書いてカナギ』『新子と書いてシンコ』『大女子と書いておおなご』『古瀬と書いてふるせ』『女浪人と書いてメロウド』
日本各地に分布する為様々な呼び名がある。関東ではイカナゴの稚魚をコウナゴと呼びます。関西では稚魚をシンコと呼び少し大きくなると、ちりめんじゃこと呼びます。北海道ではオオナゴと呼び東北ではメロウドと呼びます。
イカナゴ名前の由来
地方によって諸説あるようです
- 如何なる子?から
- イカの様に細い子魚(イ→接頭語、カナ→細い、ゴ→魚)
- 中国の故事より。大きくなったら何になるのだろう?から
扱い方・食べ方・調理法
生ものが手に入ることは少ない魚ですが、今回は『しらす』や『ちりめんじゃこ』でなく生のイカナゴが手に入った時の調理法などを紹介しております。
イカナゴ醤油
魚醤油の一種。イカナゴに重量の半分程度の塩を加え、塩漬けにし、3か月以上発酵させてから布で濾す。旨味があり、鍋やつけ醤油などに利用できる。
香川県の特産品。かつては、石川県のいしる、秋田県のしょっつる、香川県のいかなご醤油、と『日本三大魚醤』とされていた。
イカナゴ釘煮(前菜)
兵庫県神戸地方に伝わる郷土料理。
新鮮なイカナゴを醤油、砂糖、生姜で、落とし蓋をして、煮汁がなくなるまで煮詰める。
煮込んでいる間、箸などで触らない、そうするとピンっとまっすぐな形になる。この料理の名前の様に釘のようになる。
イカナゴの酢の物(酢の物
さっと茹でて二杯酢で和える。胡瓜や若芽を添えてあげても良い。
天に黄身酢などでも良い
イカナゴの卵とじ(煮物)
三重県の郷土料理。
砂糖、濃口、酒でイカナゴを炊き、綺麗にイカナゴを並べて玉子でとじる。
イカナゴの巻きずし
三重県の郷土料理
- イカナゴは濃口、酒、味醂、生姜の絞り汁の調味液で強火でさっと炊く
- 巻きすの上に海苔をひき、酢飯を均等に敷く
- 巻きずしの芯になる様にイカナゴを並べる
- その他、三つ葉、玉子、紅ショウガなどをいれて巻く
献立お役立て!
生のイカナゴに出会う事は少ないと思います。私は海の近くで仕事をしていたことがあるので、出会いましたが、実際ほどんど釜揚げにしてしらすとして提供していました。大きい物はほとんど賄いとなっていました。上記で紹介させて頂いた釘煮はただの佃煮です。大きめのイカナゴが手に入ったら佃煮にしておけば、日持ちもしますし、使い勝手も良いかと思います。