春・野菜

椎茸のキホン!旬や産地。椎茸の栄養素など

椎茸

秋の味覚と言えば『キノコ』という人も多いのではないでしょうか。そんなキノコの中でも使われる頻度の高い椎茸。

和食ではよく用いられる椎茸、食材として使われるだけでなく干し椎茸を利用して出汁をとったりします。椎茸は3大旨味成分と言われる『グア二ル酸』が非常に多く含まれているので、上手に活用したいところです。

3大旨味成分とは、カツオに含まれる『イノシン酸』、昆布に含まれる『グルタミン酸』、干し椎茸に含まれる『グア二ル酸』です。

椎茸とはどの様な野菜なのでしょうか。詳しく解説していきます。

椎茸基本情報

椎茸

椎茸はキノコでシイタケ属に分類される。主にクヌギ、シイ、コナラ、ミズナラ、クリなどの広葉樹の枯れ木に発生するキノコで。主に茶褐色の傘を開き、下に軸(柄、つば)が伸びている。

傘の裏面のヒダと呼ばれる部分は白い。子実体の発生時期は初夏と秋とされている。

椎茸が発生した年代については不明であるが、古くは1237年の文献に「倭椹」という言葉があり、これが日本産の椎茸ではないかとされている。人工栽培も古くから行われているがその起源も不明。様々な説があるが寛永(1624~1644)に始まったとされる説や寛文4年(1664年)に始まったという説がある。

食用として日本人に人気であり、うま味成分とされるグアニル酸やグルタミン酸を豊富に含む為出汁をとるのにも利用される。焼き物や、鍋物、茶碗蒸し、巻き鮨などに入れられる。日本料理に用いられることが多く、傘の部分に十字の飾り切りがされることが多い。

鮮度が落ちやすいのが椎茸を含めたキノコ類の弱点ともいえるだろう。そうした弱点を補う方法として干ししいたけとして保存し利用される。中国では古くから生薬として用いられておりその健康的な成分が生かされてきた。

人工栽培『原木(げんぼく)栽培』と『菌床(きんしょう)栽培』

原木栽培

人工栽培は20世紀になり確立され、これにより一般的に流通され年中楽しめる食材となった。その手法は2種類あり「菌床栽培」と「原木栽培」に分かれる。

2006年10月1日からは商品に必ずどちらの栽培法で栽培したか表示することが義務付けられている為、消費者は栽培方法が分かるようになった。菌床栽培の生産量は椎茸全体の生産量のおよそ9割を占めている。

生椎茸の平成29年度、国内生産量は6万9639トン。栽培方法別では原木栽培が6393トン(9%)菌床栽培が6万3246トン(91%)。

農林水産省 特用林産物統計調査

原木栽培とは??

原木栽培とは天然の木を用い木材腐朽菌のキノコを栽培する方法。自然の中の『ほだ場』で栽培される。菌を打ち込んだ原木に2年ほどかけ菌糸が巡り春と秋に自然発生する。人工的に養分や農薬は与えない事が多い。

自然にできるが、収穫までの時間がかかる。

一般的に味は原木栽培の椎茸の方が良い。

菌床栽培とは??

菌床栽培とはおがくずなどの木材基材に栄養源を混ぜた人工の培地(ばいち)でキノコ栽培する方法で人工的に養分を与えるため早い(3か月程)サイクルで収穫できる。

椎茸の旬

天然物や原木栽培の椎茸の旬は春と秋

菌床栽培の椎茸は通年出回ります。

椎茸の産地

全体の生産量では、徳島県、北海道、岩手県。

原木栽培では静岡県、鹿児島県、群馬県となっている。

椎茸と産地と聞くと大分県を思い浮かべる方も多いと思いますが大分県の生産量が多いのは乾しいたけ(干ししいたけ)です。

干しシイタケ

椎茸はとても鮮度が落ちるのが早いので鮮度の良い内に干す事で販売できる期間を延ばします。

椎茸は干す事で旨味など劇的に上がります。栄養素なども上がります。

干し椎茸は戻す作業があるので、生椎茸を使うより手間がかかります。また干し椎茸は原木栽培である事が多い事と手間がかかっている分値段は高い。

干しシイタケ
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椎茸栄養素と成分

椎茸

椎茸にはカリウムや食物繊維といった他のキノコにも主に含まれる成分の他、シイタケ特有の成分であるレンチナンやエリタデニンが含まれています。キノコは低カロリーなので摂取がしやすい野菜です。

【主要成分】

菌床栽培00g当たりの栄養素。

()内は干しシイタケ100g当たりの栄養素。

  • エネルギー 19kCal(15kCal)
  • タンパク質 3.0g(19.3g)
  • 食物繊維 4.2mg(41.0mg)
  • カリウム 280mg(2100mg)
  • ビタミンB₆ 0.21mg(0.45mg)
  • パンテトン酸 1.05mg(7.93mg)

椎茸は干して乾燥させることによりその栄養素が飛躍的に上がります。その量は倍程度の上がり方からおよそ10倍程度にもなる成分もあります。

レンチナンやエリタデニンといったシイタケ特有の成分も存在する。

レンチナンとは

椎茸の独特な香りの正体はこのレンチナンという成分です。

レンチナンには体の免疫作用を高める効果があり、免疫を担う白血球を活性化する作用があると言われています。
1969年、シイタケから精製されたレンチナンには、ガン細胞の成長を強く抑制する効果があることが報告されました。

1985年には、ガンの治療薬として認可され、現在も医療現場で使われています。

エリタデニン

椎茸には、エリタデニンという他のきのこ類にはない特有の成分が含まれています。

エリタデニンは血液中における悪玉コレステロール値を下げ、善玉コレステロール値を高め、総コレステロール値を下げる働きをしてくれます。

干しいたけを継続的に食べると、総コレステロール値を下げることによってスムーズな血流となり、血圧を下げることも期待できます。

椎茸の選び方

選び方

椎茸は鮮度が悪くなるのが早い野菜なので、購入する時に出来るだけ鮮度の良いものを購入したいですね。どの様な個所を見て選ぶかを紹介します。

  • カサが開き切っていない
  • 肉厚がある
  • 内側のヒダが白いもの

この3点に気をつけ購入してみてください。

椎茸の保存方法

椎茸は通常パックは袋に入って売っていると思いますがそのまま冷蔵庫入れてしまうと蒸れてしまいます。椎茸は水分にとても弱いので、買ってきた椎茸は一度パックなどから出しキッチンペーパや新聞紙に包み、野菜室いれましょう。鮮度の良いものなら1か月弱持ちます。もっと保存が必要な場合は干し椎茸にするか、カットして冷凍しておきましょう。