和え衣の紹介をさせて頂きます。私が今まで使用した事のある割合です。
割合の中には、『ポン酢』『三杯酢』などがありますが、合わせ酢のページで紹介しておりますので、そちらを参考にして下さい。
白和え
豆腐の和え物。なめらかな口当たりと程よい甘みのある和え物になります。白い和え物なので器にも良く映えます。
和えるものにもよるが、基本季節関係なく使える。
【割合】
- 砂糖 大さじ3
- 味醂 小さじ1
- 白味噌 30g
- 薄口醤油 小さじ2
- 当たり胡麻 大さじ2
- レモン汁 小さじ1
- 絹豆腐 1丁
【作り方】
- 豆腐は湯にかけ中までしっかり火が入るようにする
- 湯から上げた豆腐は重しをしてよく水を切る。(水が残っていると味がぼやけ腐りやすい)
- 裏漉しする
- 当たり鉢にて、上記割合いで合わせたものと豆腐をよく当たっていく
【和えるもの】
人参、こんにゃく、椎茸、さやいんげん、くわい、はす、法蓮草、等
野菜は味を含めておいて、水気はよく切ってから和える事が重要。
野菜だけではなく魚介類でも活用できる和え衣となっている。
胡麻味噌和え
胡麻を炒って擦って作る方法もありますが、現代では当たり胡麻を使う方が一般的なので当たり胡麻を使用した割合を紹介します。
炒って擦って作るのは非常に手間ですが、香りなどが格段に良くなります。時間がある時に試してみてください。
【割合】
- 砂糖 大さじ2
- 白味噌 大さじ6
- 当たり胡麻 大さじ4
- 出汁 大さじ3
【作り方】
上記割合よく混ぜる。
【和える物】
茹でた青菜や山菜が良く使われる。お通しや前菜の一品として使われることが多い。
ぬた和え
和食ではよく利用されるぬた和えです。また鉄砲和えや酢味噌とも呼ばれます。
【割合】
- 酢 大さじ3
- 砂糖 大さじ3
- 酒 大さじ4
- 白味噌 200g
- 卵黄 2個分
- 練り辛子 小さじ2
- レモン汁 少々
【作り方】
- 割合の酢、レモン汁、練り辛子以外を鍋に入れ、中火で練る
- 一回冷まし卵黄2個分を入れ卵黄に火が通るまで弱火で練る
- 火を止め、レモン汁、酢を入れ予熱で練る
【和えるもの】
分葱やネギが有名。その他烏賊、わかめ、鮪、赤貝、等でも利用できる和え衣。
天には赤芽などを使用することにより色合いもとれ、見た目も美しい一品が作れます。
胡麻酢和え
胡麻和えは紹介しましたが、胡麻和えにはない、酸味が加わった胡麻酢和え。
胡麻和えよりも少し緩い和え衣です。和えて少々置いておくことにより味がしみ込み美味しくなります。酸味が効きすぎると思う方は酢の量を加減して使用してください。
胡麻和えより、さっぱりしています、私は夏によく使用します。味が夏に向いているのもそうですが、酢が入っているため腐りにくいのも利点です。胡瓜などはさっと和えて提供しますが根菜などは一度茹で一晩漬けておきます。
【割合】
- 酢 120㏄
- 砂糖 80g
- 薄口醤油 40㏄
- 当たり胡麻 340g
- レモン汁 30㏄
- 出汁 30㏄
【作り方】
分離しないようによく混ぜる
【和えるもの】
胡瓜、もやし、椎茸、くらげ、糸こんにゃく、油揚げ、蓮根、ゴボウ、等
夏のお弁当などにも使い勝手が良い。
磯部和え
海苔が入っていて、磯の香りがするものです。
刻みのりなど使っても出来ますが、生海苔を使用することで香りが増します。
【割合】
- 三杯酢(土佐酢、ポン酢)
- 生海苔(刻み海苔などでも代用可能)
- 山葵(なくても大丈夫)
【作り方】
- 生海苔は水でよく洗い、水気を切る
- 山葵を擦って
- 全て入れ好みの酢に混ぜ使う
【和えるもの】
魚介類などによく用いられる。イカや蠣などはよく見る。
山葵は無くても大丈夫です。私は入れますが一般的に海苔が入っていれば磯部和えとなります。山葵は全体的に味を引き締めてくれます。お通しなどに使う時は山葵の量には気を作て下さい。
雲丹和え
練りウニと蒸しウニで和え物と作る方法2種類を紹介します。
和食は何かとウニを使いますが刺身で出せなくなる前に蒸しウニや練りウニにしておくことで活用することが出来ます。
①蒸しウニを使った和え衣
【割合】
- 砂糖 大さじ4
- 薄口醤油 大さじ4
- 卵黄4個
- 出汁 360㏄
- 蒸しウニ 200g
【作り方】
中火で10分~15分練る
こちらは和え衣としても使えますが、焼き物としても利用できます。〇〇のウニ焼きなどに利用できます。刷毛で丁寧に何度か塗りながら焼いてください。
②練りウニを使った和え衣
【割合】
- 砂糖 大さじ1
- 薄口醤油 少々
- 味醂 大さじ2
- 酒 大さじ2
- 卵黄 6個
- 練りウニ 100g
【作りかた】
二枚鍋でパラパラになるまで炒る。45分程かかる
【おまけ】
生の雲丹の衣の作り方もあるが塩分などによって調味料がかなり変わる為記載はしないが、作る時は生ウニをガーゼにくるんで、大根卸しに漬けて、塩分とアクを抜いてから作ってみよう!
近年ではウニを剥く作業を知らない板前さんもいるようです。板に乗っているウニを買っている店舗の方が多いみたいです。
梅肉和え
梅の和え物です。近年では梅肉といった果肉だけのものが売っています。に切り味醂などで味を調節すれば和え物として使えますが、赤の色合いがきつく味にとげがあるので使用するときは味見をしながら使ってください。(近年梅肉をつかった和え物の方が主流になっているような気がします)
【割合】
- 梅干し 大10個
- 梅酒 大さじ6
- (薄口醤油・煮切り味醂)
【作り方】
- 梅干しを種を抜き果肉だけにする
- 果肉だけになった梅干しを水につける3時間~(梅の塩分と酸味の調節)
- 梅の水気をよく切り、裏漉し
- 梅酒に溶き入れる
- 味の調節。薄口醤油と煮切り味醂でおこなう
【和えるもの】
大根、独活、長芋、胡瓜、海老、ゆり根等
綺麗な薄い赤色が生えるのは、白い食材ではないでしょうか、長芋などはよく利用しました。さっぱりした味わいに後引く酸味はお通しに出しても前菜にしても喜ばれます。
辛子和え
ぬたや辛子酢味噌と違いは味噌が使用されていない事で、辛子が効いていて辛子が中心となっています。
和え衣となっていますが、地に漬けて使います。材料によって違いはありますが1日程度漬けた方が味がしみ込みより良くいただけます。
【割合】
- 出汁 180㏄
- 薄口醤油 大さじ3
- 練り辛子 大さじ1
- 酢 1滴~3滴
【作り方】
割合の全ての材料を入れ混ぜる
【和えるもの】
菜の花や根三つ葉等が代表的ですがささみや胡瓜などでもなどでも利用できます。
菜の花では春先に咲く花をイメージでき、緑に黄色の衣ですので、色合いも良く食欲をそそる和え衣になっています。菜の花に使用する際は春の料理になります。
木の芽和え
木の芽とは山椒の若芽のことで、和食ではよく利用されます。春の献立に使える料理になります。
【割合】
- 砂糖 180g
- 味醂 大さじ4
- 酒 大さじ6
- 白こし味噌 360g
- 玉子 2個
- 木の芽 100枚位
- 青寄せ 小さじ2
【作りかた】
- 木の芽は軸は取り除き葉だけにしておく
- 木の芽の葉を包丁でよく叩き細かくしておく
- 木の芽と青寄せ、玉子以外を鍋に入れ中火で良く練る(20分位)
- 一回冷まし玉子を加え弱火で練る。玉子に火が入っている事を確認する
- 最後に木の芽を加え練る(5分位)
(口当たりを良くするため裏漉しする、色合いを見て青寄せを加える)
()内は用途によって変えてください。
【和えるもの】
春の和え物なので、筍や独活といった春の食材にはよく合います。魚介類にも使用できます。
綺麗な緑色の仕上がりになりますので、春の新緑を表すのにはよい料理だと思います。
卯の花和え
別名・『からまぶし』『雪花和え』『吹雪和え』『尾花和え』
基本4月の献立に使う料理です。4月以外に使う場合の献立では別名から使用しましょう。
卯の花とはウツギの花を表しています。卯月とは4月の事で、4月に咲く花ということですね。
おからは水ごししします。フードプロセッサーなどで強引に細かくすることも可能ですが、舌触りが違います。手間だとは思いますが、丁寧に水ごしした方が美味しいものが出来ます。
卯の花はしっとりした和え物もありますが今回はパサパサのパウダー状の和え衣です。
【割合】
- おから 500g位(水ごしした後に使うのは360g)
- 酢 大さじ6
- 砂糖 大さじ5
- 味醂 大さじ6
- 塩 小さじ2
- 出汁 大さじ6
【作り方】
- 目の細かいザルの中におからを入れ、水の中に入れる
- 水が濁らなくなるまでやる。
- おからの水気を良く切る。ネル生地などで固く絞る
- 酢以外の材料を鍋に入れ中火で練る
- 酢を入れ弱火で練る
- 細かいザルを通す
【和えるもの】
酢締めにした、鯵や鯖など
納豆和え
納豆を使うので使い時が難しい和え物です。好き嫌いもそうですが納豆の香りが嫌いな方もいますし、周りにも香りがいきます。しかし味は良く個人的には好きな和え衣です。
【割合】
- 小粒納豆
- 山葵
- 大和芋
- 卵黄
- 薄口醤油
- (あさつき、もみのり、茗荷、大葉など)
【作り方】
- 納豆は半冷凍にして、叩く(粘り気が少なくなる)
- 他材料を混ぜる(好みで)
【和えるもの】
鮪、鯵、昆布締めの白身魚、青菜など
鮪を柵でとっているお店では、鮪のてくずが少なからず出ると思いますが、一品料理で『本マグロの納豆和え』など置いておくと、ロスも少なくなります。
個人的には山葵を効かせた納豆和えに鮪は非常に相性が良いと感じます。
おろし和え
みぞれ和え、かすみ和えとも言う。
大根おろしを使ったさっぱりとした、和え衣で非常に簡単に使える。季節によって名前を変える。
【割合】
- 三杯酢
- 大根おろし
【作り方】
大根を卸したら、軽く水で洗い、良く絞り、三杯酢に入れる
(黄身を入れたら黄身おろし和えになる)
【和えるもの】
茄子、胡瓜、じゃこ、など
非常に簡単、しかし美味しい和え衣。
じんだ和え
枝豆を使った東北地方発祥のもので、初夏に使われる和え衣です。
ずんだ和えとも言います。
名前の由来も諸説あって面白いので紹介いたします
- じんださんが作ったから
- 豆打(ずだ)がなまって
- 糂汰(じんだ)とは五斗味噌の事。煮大豆、塩、麹、水、米糠を一斗ずついれたもの醗酵させた味噌の事を五斗味噌という。昔米糠は貴重で代用として枝豆を使ったことから。
【割合】
- 枝豆 360g
- 砂糖 大さじ3
- 塩 小さじ1
- 薄口醤油 少々
【作り方】
- 枝豆は塩ゆでして皮を外します
- クイジナートにかけ裏漉しして、ペースト状にします
- 味をみながら調味料と混ぜ合わせる
【和えるもの】
里芋、茄子、白身魚、貝類など
緑色の和え衣なので初夏に使うと清涼感あり食欲がそそられます。
酒盗和え
酒盗とはカツオの内臓を塩漬けし、醗酵させたもので珍味。
酒盗によって塩分がかなり違うので味を見ながら調節してください。
【割合】
- 酒盗
- 酒
- 味醂
- 薄口醤油
- 卵黄
【作り方】
- 酒盗味見して、濃いと感じたら酒で洗う
- 酒盗を細かく刻む
- 酒、みりん、を鍋に入れ火にかけ沸いたら酒盗を入れ、一煮立ちさせる
- 裏漉しする
- 鍋に入れ弱火にかけ卵黄を入れ練る。(味をみて薄口醤油)
- トロミが欲しい場合葛を少量ひく
【和えるもの】
イカ、胡瓜、鮪やチーズなど
お酒の当てには丁度良い和え衣です。
酒盗をこのわた(なまこの内臓の塩漬け)に変えれば『海鼠腸和え』ができます。
雲仙和え
最近では聞くことも無い和え衣です。
豆腐とウニを使った和え衣です。
【材料】
- 絹豆腐
- 練りウニ
- 砂糖
- 薄口醤油
【作り方】
- 豆腐は湯にかけ中までしっかり火が入るようにする
- 湯から上げた豆腐は重しをしてよく水を切る。(水が残っていると味がぼやけ腐りやすい)
- 裏漉しする
- ウニも裏漉しする
- 豆腐とウニを混ぜ砂糖、薄口醤油で当たりをつける
【和えるもの】
イカ、海老、タコなどの魚介類に用いられる。
ゴマネーズ和え
マヨネーズと当たり胡麻と少量の練り辛子を混ぜて作る。
ウメネーズ
マヨネーズの30%位の梅を混ぜる。梅は裏漉しまたはよく叩いて使う。
酒粕和え
近年和食屋でもほとんど見ることの無い和え物。焼き物などに酒粕漬けなどは時々目にするが・・・
和え物は少々クセがあり、好き嫌いが分かれる一品。私も自分が書いた献立では使用したことが無い。
昔、酒蔵の集まりの会食の献立で、酒蔵から提供された酒粕で作っているのを見た事がある程度です。
【割合】
- 練り粕 200g
- 山葵の茎もしくは卸し山葵もしくは山葵漬け
- 白味噌 大さじ1
- 薄口 小さじ1
梅がゆ和え
薄ピンクの綺麗な和え物ですが、こちらも目にすることはほとんどないですね。
優しい味で素材の味を尊重するような和え衣
【割合】
- 梅干し
- 米
- レモン汁
- (塩、薄口醤油)
【作り方】
- 梅干し入りのおかゆを作る
- 裏漉しする
- レモン汁少々入れ、塩、薄口醤油で当たりをつける
【和えるもの】
鮑、海老、イカ、などの魚介類や野菜を何点か合わせ使われる
和えると言うより、下に敷きその上に材料を綺麗に並べている事が多い。素材には下味が付けてあり、素材の味を楽しむような和え衣。
黄身辛子和え
上記で解説した『辛子和え』より滑らかで口当たりのよい和え衣。
【割合】
- 卵黄 5個
- 砂糖 大さじ1
- 酒 大さじ2
- 薄口醤油 大さじ6
- 出汁 1合
- とき辛子 1合
【作り方】
辛子以外を鍋に入れ、弱火で練っていく。仕上げに辛しをいれる
【和えるもの】
菜の花、魚介類など
黄色い和え衣で色合い、使い勝手も非常によい
アボカド和え
森のバターとも言われる栄養素の高いアボカドを使った和え衣です。
綺麗な緑色でお子様にも好まれるような味になっています。
【割合】
- アボガド 2個
- 煮切り味醂 大さじ1
- 薄口 大さじ1
- レモン汁 1個分
- 当たり胡麻 大さじ1
- マヨネーズ 大さじ5
- 練り辛子 少々
【作り方】
アボカドを裏漉して材料を混ぜ合わせる
【和えるもの】
トマト、魚介類、など
アボカドと相性が良い食材なら何を使っても大丈夫です。使い勝手の良い和え衣です。
レモンが入っていますが、それでも変色が早い和え衣ですので作ったらなるべく早く使いましょう。
鳥部和え
鶏と野菜を吉野酢で和えたもの。鳥は蒸して手で割き使う
高砂和え
穴子を使った和え衣。
兵庫県高砂市は穴子の産地なのでこの名が付いた。
【割合】
- 穴子 2本
- 出汁 200㏄
- 白当たり胡麻 大さじ6
- 煮切り味醂 大さじ2
- 濃口醤油 大さじ2
【作り方】
- 穴子を白焼きにする
- 穴子を裏漉し
- 材料を全て当たる
【和えるもの】
春菊、野菜類などが合うと思います。
もろみ和え
夏に使われることが多い和え衣です。
【割合】
- もろみ味噌 大さじ8
- 薄口 小さじ1
- 有馬山椒 大さじ1
【作り方】
有馬山椒、もろみ味噌は良く包丁で叩き、薄口醤油で調節する。
【和えるもの】
セロリ、胡瓜などの野菜類
有馬山椒が入っているので少々刺激が強い和え衣です。
生野菜によく合います
温州和え
夏ミカンを使った和え衣。
柑橘系をつかった和え衣を総じて温州和えという事もある。
【割合】
- 夏みかん 1個
- 出汁 大さじ6
- 薄口 大さじ2
- 酢 大さじ6
- 砂糖 小さじ4
- レモン汁 少々
【作り方】
- 夏ミカンは皮をはがし身だけにする
- 全ての材料を混ぜ合わせる
(ミカンは絞っても良いが、ミカンのツブツブがある方が良い人は丁寧に身をはがしてください)
(ミカンの味が少ない場合ミカンジュースなど入れると味の補充が出来ます)
【和えるもの】
海老、イカ、胡瓜、若芽など
さっぱりとした、フルーティーな和え衣
真砂和え
タラコの和え衣。
【作り方】
タラコをばらして、酒、味醂、薄口醤油、出汁で当たりをつける
【和えるもの】
糸コンニャク、三つ葉、独活、魚介類など
東海寺和え
沢庵を使った和え衣。
沢庵禅師が開基した寺の名が東海寺なのでこの名が付いた
【割合】
- 土佐酢
- 沢庵
- 生姜汁
【作り方】
沢庵の塩分が強い場合塩抜きして使う
小さめのさいの目に切り混ぜる。
【和えるもの】
鯵、白身魚、胡瓜など