和食でも家庭でも鰯料理は良く作るのではないのでしょうか、使いやすい値段で味も良いですからね。
鰯と名がつくものは多数存在しますが、今回は一般的に鰯と言われる『マイワシ』と干物になることが多い『ウルメイワシ』、ちりめんじゃこ等になることが多い『カタクチイワシ』の紹介と鰯料理の調理法をご紹介させて頂きます。
鰯基本情報
ニシン科 マイワシ⇒マイワシ属 ウルメイワシ⇒ウルメイワシ属 カタクチイワシ⇒カタクチイワシ属
ニシン科のマイワシ、ウルメイワシ、カタクチイワシ科のカタクチイワシの総称。一般的に言われる「イワシ3種」とはニシン目のマイワシ、カタクチイワシ、ウルメイワシである。その他にもイワシと名がつくものは多数存在する。
マイワシは体側に7個の斑点がありナナツボシとも呼ばれる。普通イワシというとマイワシをさす。成長名として3cm以下をシラス、10cm以下を小羽根またはコベラ、13cm以下を中羽(チュウバ)、それ以上を大羽(オオバ)という名称が多く使われている。
コベラは6月ごろが美味だが、中羽以上は8~10月が脂がのり旬。塩焼き、酢の物、すし、揚げ物、つみれ等にするほか、目刺し、丸干し、みりん干しなどの干物や缶詰にする。
ウルメイワシは体が丸く、目が大きくうるんだように見える。脂が少なく生食に向かず、主に干物にする。
カタクチイワシは、別名カタクチ、ヒシコイワシ、セグロイワシといい、全長15cmくらいの小型で、口が大きく、開くと下あごだけが目立つので片口の名がある。
カタクチイワシは生食はあまりせず、稚魚のシラスはたたみいわしや、関東向けに釜揚げしらす、しらす干し、関西向けにちりめんじゃこに加工される。成魚は小型のものは田作り、小・中型は煮干し、みりん干し等に、大型で脂肪が多いものはマイワシ同様に調理して鰯料理となるほか、ハマチのえさにされる。
アンチョビはカタクチイワシを塩漬け、醗酵させてオリーブオイルに漬けたものです。この発酵過程ででる液がナンプラーとなります。
鰯は群れで回遊するため、群れごとまとめて取れるため水揚げ量は全魚種中で最大。
鰯の旬
マイワシ:通年で回るが秋頃
中羽:8~10月
コベラ:6月ごろ
ウルメイワシ:夏
カタクチイワシ:冬
鰯の産地
マイワシ:沖縄除く全国
ウルメイワシ:主に北海道
カタクチイワシ:太平洋側沿岸
鰯名前の由来
名前の語源については諸説ある。
『イワシ』は水から出るとすぐに死んでしまう魚であることから『よわし』が『イワシ』となった説でこのは漢字の鰯の魚編に弱と書く由来でもある。
他にも貴族の食べ物でない卑しい魚という意味で『卑し(いやし)』から『イワシ』になったという説。
鰯料理・調理法
鰯は骨が柔らかく、煮物などにするとき小骨の処理はせずに加工しますが、短時間で作ろうとすると小骨が口に当たりよくありません。煮物用にするときはサイズを小さいものを選び、炊く時間なども気にして調理してみてください。
鰯は他の魚と違い手で開くことが出来ます。あまり大きいものは包丁で卸した方が効率が良いですが、小さいものに関しては手の方が早くキレイに卸せます。
鰯のお造り(刺身)
鰯は包丁を使って卸す方法と、手で開く(手開き)方法がありますが、包丁を使った方法を紹介していきます。
- 鱗をとり、頭を落とし、腹を切り綺麗に水洗いします。イワシは非常に鮮度が悪くなるのが早い魚なので、氷水に少しの塩を落とし、その中で水洗いするのが良い。水気をよくふき取り水洗い完了
- 頭を右、腹を手前にして、頭の方から包丁入れ、背骨に沿って尾まで切りますが、この時背の皮一枚残す感じで包丁します。
- 開いた状態の鰯の中骨を取ります、刃は気持ち上に向け頭から尾まで背骨の下を沿わせて包丁します。
- 両側の腹骨をすきとって、背びれの固いところを身の方から軽く包丁しておき、その包丁目から親指を入れ皮をはぐ
- 骨をあたって刺身用に包丁する
鰯のつみれ(煮物椀・吸物・煮物)
鰯のすり身3合・生身1合・玉子2個・大和芋5石・昆布だし7石・京桜味噌1石・玉素1石・生姜卸3石・薄口少々・素少々
- 上記刺身の作り方参照して、④の状態の鰯を包丁で叩きすり鉢であたる
- 酒、生姜汁を加えて臭みをとる
- 赤味噌、薄口、塩で下味をつける
- 小麦粉、大和芋などでつなぎにする
- 好きな形にがんを取り、熱湯に落とし、火が通たらザルにあげる
- 出汁で10分ほど炊く
- 細切りにした根菜など出汁で炊いて置き添えるとよい
鰯の梅煮(煮物・前菜・お通し)
小さめの鰯35本・酢3合・酒1升・砂糖4合・味醂4合・濃口3.5合・溜まり醤油1石・種を抜いた塩分控えめ梅干し30個分
- 鰯を綺麗に水洗いする
- 鰯を鍋に並べて、酒、酢で鰯を戻し、骨まで柔らかくする。4時間程弱火で戻る。火を止めてすぐに砂糖をいれ、常温で冷ます
- 再度火にかけ他材料を入れ30分ほど弱火でコトコト
鰯の蒲焼(焼き物・食事)
【割合】酒 大さじ1,味醂 大さじ2、濃口醤油 大さじ2、砂糖 大さじ1
- 鰯は包丁で鱗を取り、頭を落として腹に斜めに包丁をいれ内臓をだす
- きれいな水で洗う
- 腹から親指で中骨に沿って背の皮まで開き、中骨を取る
- 開いた状態で薄く塩をし10分程おき、水気を良くふき取る
- 片栗粉を薄くまぶす
- フライパンに油を敷き、焼く
- 火が入る前に割合の調味液をいれ焼く
- 水分にトロミがでてきたら完成
献立お役立て
冬の時期など鰯のつみれを使った鍋などもおいしいです。
鰯料理というと安っぽいイメージもありますが、それを補うだけのポテンシャルを感じます。