和食ではよく利用する梅です。
私の梅の思い出と言えば板前を始めたばかりのころ青梅に針打ちする作業が在りました、これは青梅の甘露煮を作る際に行う作業だったのですが、これは苦痛でした。慣れてきたら眠くなり、眠くなってきたら手を針で刺してしまいます。悲しい思いでしかありません。
今回は梅の情報を紹介しています。梅料理については、梅干を使った料理を多く紹介しています。
梅基本情報
バラ科サクラ属
中国原産のバラ科の落葉高木。日本全国に古くから植栽された。果樹としての実梅と鑑賞用の花梅に分けられる。実梅は、6~7月の梅雨のころ果実を収穫する。加工の目的により未熟の実と熟した実を使い分ける。
梅の旬
5~6月
梅の産地
和歌山県・群馬県・三重県
平成30年収穫量
- 和歌山県 11万2400トン
- 群馬県 5740トン
- 三重県 2090トン
和歌山県が65%の収穫量となっています。
梅は野菜か果実か?
分類する明確な定義はないものの、野菜と果実を区別する際の基礎となるのは、草として生えているものか、木になるものかと違いとされている。
果物の語源は木の物というもので、木になる果実が果物とされている。一般的に栗や梅などは果物と思われないが、農水省では「果樹」として扱っている。
スイカやメロンなどはこれに当てはめると野菜となるが実際に売られる時は果物として売られています、これは消費者の大半が果物だと認識しているので果物として扱っている、あくまでも生産段階での野菜と果物が成長して販売段階のものが一緒だとは限らないという事になります。
実梅(みうめ)と花梅(はなうめ)
梅の品種は300種類と言われていてその中の分類として実梅と花梅があります。
「実梅」は梅の果実を加工して食用にするもの
「花梅」は鑑賞用としてのもの
中には実梅、花梅どちらにも分類されてしまう梅もあるでしょうが実用的な分け方と認識して頂ければいいと思います。
代表的な実梅
南高梅(なんこうばい)
代表的な品種で大粒。和歌山県が原産で梅干しとして一度は見たこともあるのではないでしょうか。
大きさ30g~35g、皮が柔らかく梅干に適している。
梅酒にすると酒色が濃く芳醇なものになり梅酒にも適している。
開花時期・2月~3月で白い花が咲く
収穫時期・6月~7月で実は熟すにつれて黄色や赤みがかかった色になる
南高梅には紅南高梅というのがありますが陽をあび実が紅色に染まったもの、有効成分が高いと言われています、収穫できる量は少ない。この紅南高梅で梅酒を作ると紅色になる。
古城(ごじろ)
和歌山県が原産で青梅、実は中粒15g~30g
実が美しく「青いダイヤモンド」とも呼ばれる。
皮がしっかりしていて梅干しには適さない。
実が固く、実くずれがしにくい、その為漬け込んだ時に梅のエキスがたっぷり抽出され梅酒に適している。甘さ控えめ、酸味があり、味わい深い。
梅酒の品種としては有名で梅酒と言えば古城といわれるほど。
開花時期・3月~4月で白い花が咲く
収穫時期・5月下旬~6月初旬
生産量は南高梅の6分の1程度で栽培の方法が難しいので年々生産量は減っている。
玉梅
別名「青軸」呼ばれる
非常に実用的な梅で「花梅」であり「実梅」でもある梅。家庭でも人気の高い梅となっている。まず鑑賞してその後収穫するのですが、緑がかった白色で非常に美しく、その上梅干しにも梅酒にも適しているという点も人気の理由の一つ。
25g位で中粒
開花時期・3月上旬
収穫時期・6月上旬
いい塩梅(あんばい)
昔、食酢が無かった時代、料理には梅酢を使用していた、塩と梅酢の味加減が丁度良いことを「いい塩梅だ」と表現していた。
現代では料理の味加減が良いことを言い、また程よく物事を処理したり、並べ、配置するといった意味でも使われる。
梅料理・調理法
和食でよく使う梅料理、梅干を使った料理をいくつか紹介させて頂きます。
梅和え(うめあえ)・・・梅肉和えのこと。
梅餡(うめあん)・・・出汁に酒を加え、薄く調味し梅肉を入れ、葛でとろみをつけた餡。
梅が香(うめがか)・・・梅のかおりのついた料理の上につける名称。例梅が香豆腐など。
梅香鰹(うめがかかつお)・・・鰹の刃叩きに梅肉を入れ、さらに花鰹や紫蘇を加え、たたき混ぜたもの。
梅粥和え(うめがゆあえ)・・・梅干し入りのおかゆを裏漉しし魚介や野菜と合わせる。
梅実紫蘇巻(うめじそまき)・・・カリカリ梅を紫蘇で巻いたもの。
梅醤油・・・梅干しの種子を除き、梅肉を裏漉ししてしょうゆで伸ばしたもの。湯引き鱧、コチ、アカガイ、タコなどのさしみのつけじょうゆとして用いる。
割り:梅肉1、濃い口1、煮切り味醂0,8 煮切り酒0,7
梅仕立て(うめじたて)・・・うらごしした梅干しを加えた吸い物。
梅酢(うめず)・・・ウメの実を塩漬けし、押しかけた後、身からしみ出した酸味の強い液のこと。
梅鯛(うめだい)・・・おろした芋と梅干しと鯛のすり身の合わせたものを調味した出汁で煮たもの。椀種などに用いる。
梅漬け(うめづけ)・・・若くて身の締まった青ウメを塩漬けにしたもの。酒に漬けたものをさすこともある。梅干しのようなしわはなく、歯ごたえがあり、いわゆるかた漬けに属する。
梅漬け大根(うめづけだいこん)・・・梅のつけ汁に漬けた朝漬大根
ウメネーズ和え(うめねーずあえ)・・・裏漉しした梅とマヨネーズを混ぜ、野菜などに和えたもの。
梅のカリカリ漬け(うめのかりかりづけ)・・・梅を塩とミョウバンで漬けたのち塩水に付けかえ色漬けに赤紫蘇を使ったもの。
梅醤(うめびしお)・・・梅肉に砂糖を入れ、裏漉ししたもの。または梅干しを煮たものを濾し、砂糖密を合わせ、冷ましたもの。
梅醤酢(うめびしおず)・・・梅醤を煮返し酢を加えたもの。
梅含め煮(うめふくめ)・・・梅干しを蜜に含ませたもの。
梅干し(うめぼし)・・・ウメの果実を塩蔵し、日干ししたもの。梅雨期に塩漬けし、さらに夏の土用に日干しするのが特徴。
梅干し粥(うめぼしがゆ)・・・うめぼしを入れて炊いたかゆ。
梅干繊(うめぼしせん)・・・干してせんぎりにした梅干し。
梅干し煮(うめぼしに)・・・塩抜きにした梅干しをかつお節と一緒に煮たもの。
梅揉(うめもみ)・・・梅を他の材料と揉み合わせたもの。大根などと合わせる。