野菜

里芋の親芋、子芋兼用品種11種

里芋兼用品種

里芋はその芋の付き方、食する部位から一般的に子芋用、親芋用、兼用という3種に分類されます。里芋は本来茎の部分に当たり茎にデンプンが蓄えられてできたのが親芋と言われる部分で親芋から出てくるのが子芋です。

この記事ではその中で親芋、子芋どちらもおいしく食べれる親芋、子芋兼用品種を御紹介していきたいと思います。

里芋兼用品種について

兼用品種には京都の伝統野菜である海老芋や年末には欠かせない八ツ頭などが含まれており、親芋、子芋どちらもおいしく食べることができます。

セレベス(大吉、または赤芽大吉、赤芽芋とも呼ばれる)

原産地

インドネシアセレベス島(現在のスラウェシ島インドネシア独立後改名)

11月~1月

特徴

土垂よりもやや長く皮肌の一部が赤いのが特徴。ホクホクした食感でぬめりが少ないのも特徴である。薄味の煮物に向く他、ポタージュやポテトサラダにしてもおいしいとされています。主産地は千葉県で流通量の99%を占めています。

赤芽大吉

原産地

セレベスの系統の為元はインドネシアセレベス島である。

11月~1月

特徴

芽が赤いのが特徴で由来でもある。セレベスの系統で正確には違うが、味や見た目など特に違いはないという。セレベスと同じく通常よりぬめりが少なく、煮込みすぎると溶けてしまう。鹿児島県など九州が主な産地である。

味間芋

原産地

奈良県磯城群本町

9月~12月

特徴

昭和初期に奈良県農事試験場から優良な品種を譲り受けて栽培し始めたのが味間芋である。その後味間地区で栽培されてきた伝統野菜。平成26年には奈良県により「大和野菜」に認定された。ねっとりしたとろける食感とコクがあり、煮物や田楽、蒸し料理にあう。松下電器産業の重役が創始者で、社長の松下幸之助にお歳暮として贈ったところ、松下は「これはうまい、これを食べると他の芋はたべられない」と絶賛したことで、この重役は松下が亡くなるまで毎年お歳暮として贈り続けたという逸話が残っている。味間芋を使った焼酎「里の香」の販売も行われている。

八ツ頭(やつがしら)

12月~1月

特徴

一つの種が八方に突き出ていることからこの名がある。末広がりの八とこれを食べると人の頭に立てるということからおせちに使われる為、年末のおせち需要の際にスーパーなどに立ち並ぶ。粘りが少なくほっこりとした食感が特徴である。親イモと子芋が分裂せず塊状になるため皮を剥くのが非常に面倒である。煮物によく合い、主に関東地方で栽培されています。

海老芋(唐いも)

原産地

京都

11月~1月

特徴

京の伝統野菜37品目のひとつにも上げられ煮物、揚げ物に用いられることが多い高級里芋です。肉質は柔らかく煮崩れしにくい上にきめ細かく、粘り気があり風味も良い。親イモと子芋が分裂せず塊状になります。唐芋を土寄せを繰り返し海老の形に曲げたのが海老芋で生産量トップは静岡県である。江戸時代の安永年間(1772~1781年)に東山三六峰の一つ、華頂山麓にある青蓮院の門跡(青蓮院宮)が長崎から持ち帰った唐いも(とうのいも)を平野権太夫(又は違う説では御所の護衛)が拝領して、同じ華頂山西側の小丘である円山後に栽培したところ何度も土寄せを行ったので、その土の重さで海老のような反りと縞模様ができたため海老芋と名付けたという、これが海老芋の発祥とされている。ちなみに京のおばんざいの一つである「いもぼう」は平野権太夫が松前藩の献上品であった棒鱈を一緒に炊き合わせ、編み出した料理だといわれている。平野権太夫はその後職を返上し、京都の町中に平野家という店を始め、「いもぼう」を販売し大変繁盛したそうです。現在も平野家は京都の名店として残っており一子相伝により伝わってきた伝統の「いもぼう」を味わえます。

海老芋シルキー

静岡県産海老芋の子芋で海老芋シルキーは販売名称です。ねっとりとした舌座りと濃厚な味わいが特徴です。蒸して食べるのがおすすめです。

大和早生

10月~12月

特徴

丸いも系早生品種できめ細かく滑らかな舌触りが特徴です。味わいが良く癖も無いので薄味の料理にも重宝します。富山県や新潟県で主に栽培されています。

里のいもこ

帛乙女同様大和早生から育成されたブランド品種である。JAさつきより販売されています。

帛乙女(きぬおとめ)

原産地

新潟県五泉市

9月~11月

特徴

大和早生を20年にもわたり品種改良を重ねて作られた新潟県五泉市のブランド里芋で、五泉3美人のグランド野菜にも指定されています。煮崩れしない幻の里芋とも呼ばれ、東京の高級料亭などでも用いられている。きめ細かな舌触りと独特のぬめりが特徴。平成、令和とニ度にわたり天皇即位に伴う大嘗祭の献上品にも選ばれた芋です。新潟県五泉市が絹織物を特産としているため帛に例え、乙女のような愛らしさで人々に親しんでもらえるようにと命名された。新潟の郷土料理であるのっぺ(のっぺい汁)はもちろん煮物や煮っころがしなどにもよく合います。

砂里芋(さりいも)

原産地

新潟県新発田市北蒲原郡

9月~11月

特徴

新潟県新発田市聖籠町の砂地で獲れる里芋です。帛乙女などと同様元は大和早生という品種で、この品種を砂地で栽培し収穫したものが、JA北越後が商標登録しているブランド里芋「砂里芋」であります。本来水はけが良すぎて栽培に合わないとされている砂地で作る事によりぬめりが強く、もっちりとして煮崩れしにくい芋が生まれました。

善光寺

原産地

栃木県

11月~12月

特徴

栃木県の上都賀地区と茄子鳥山地区でしか栽培されていないとされる希少な幻の里芋。ねっとりとした食感と甘味があり煮物に最適です。

伝燈寺

原産地

石川県金沢市

11月~12月

特徴

石川県金沢市伝燈寺、白山市上安田町、津幡町岩崎の三つの地域で栽培されている品種で粘りや甘味が強く崩れにくいのが特徴です。200~300年前、金沢市御所町の奥に所在する伝燈寺は一向一揆の時代に真言宗派の門徒が集結する「北の砦」であった。門徒が集まるようになった際に食料を必要としたが、この付近は湿地帯でレンコンやクワなどしか栽培することができなかった。そうしたなか京都から来た僧侶が里芋を米の代わりに栽培し始めた、これこそが伝燈寺里芋の始まりである。昭和40年代以降安定した生産の難しさなどから生産量が減り、自家用などでしか栽培されていなかったが、2000年代後半に千田正智氏が本格的に栽培を開始、2011年には「伝燈寺里芋栽培研究会」が発足。千田氏は会長として就任し現在市場向けの栽培は少しずつ広がりを見せている。

悪戸いも

山形県の郷土料理芋煮

原産地

山形県山形市

10月~11月

特徴

山形県山形市村木沢の悪戸地区で古来より栽培されていたブランド里芋で一般的に山形で売られている土垂と比べ、粘りが強く煮崩れしないのが特徴です。きめ細かく滑らかな舌座りで芋煮や煮物によく合います。悪戸いもは古来より数件の農家がその種を守り続けている門外不出の伝統野菜で、大変希少な芋であり「幻のいも」とも呼ばれている。中でも悪戸いもを育てている神保家は現在二十七代目になりその歴史は400年にも及ぶ。「悪戸」とは芥と同じ語源で皮がよどんで土砂が堆積する場所を意味し、悪戸地区はかつて何度もの水害に見舞われていたことからこの地名が付いたそう。そうした変わった土壌だからこそ、他にはない悪戸いもが作られているのです。