野菜

茄子の栄養素と美味しい食べ方

なすは夏の風物詩と知られ、古くは漬物として日本人の食卓に並んでおりました。現在では様々な料理に用いられる他、その品種も多種多様になり様々な形で食すことができます。「一富士二鷹三茄子」や「秋茄子は嫁に食わすな」など現在に伝わる言葉も多く庶民に親しまれてきたことが伺えます。そんななすの知識をお伝えしていきたいと思います。

なすの基本情報

科属

ナス科ナス属

6~9月

産地

高知県、栃木県、福岡県、熊本県などが主産地である。

生態・特徴

ナス科の1年草。なすの名称は夏に実がなるので夏実が訛った説と、実の味から中酢味(なかすみ)の略である説があります。室町時代女官が女房言葉で「おなす」と呼んでいる。別名のナスビは「倭名類聚鈔(平安中期の書)」に書かれており元々は「奈須比」であったとされる。商人はナスビを「成す」として縁起のいい野菜として売り出した。なすに変えたことで繁盛し、自然と「なす」としての呼び名が広まった。原産地はインドと考えられ、ビルマを経由して5世紀ごろに中国へ渡ったと考えられている。ヨーロッパには13世紀に伝わったが、もともと熱帯地域の作物であるため伝来直後は広まる事はなかった。日本には8世紀に中国を経て渡来し、奈良時代から食されていたといわれ、東大寺正倉院の古文書(750年)に記されているのが日本最古の記録である。当時は貴重な野菜であったが、江戸時代頃より広く栽培されるようになり、以降日本人にとってなじみのある庶民的な野菜となった。原産地のインドなど熱帯地域では多年草になるが、温帯地方では一年草になるという特徴がある。茎は黒紫色で高さ60~100cmになる。葉は互生し、葉身は卵状楕円形で葉縁は波打ち、葉柄に近い所では左右非対称になる。花期は夏から秋である。果実は品種によって形も色も様々で、色は普通紫色であるが、緑色や白色のものがある。果肉は密度が低くスポンジ状である。へたの部分には棘が生えているものがあるが、実を傷つけたり、収穫の利便性を考え現在では棘がない品種も開発されている。茄子は寒さや乾燥には弱く、日当たりが良くて水を好む性質がある。茄子の切り口が茶色になる原因である「クロロゲン酸」は老化やがんの予防に効果が期待できる。また皮の紫色の色素である「ナスニン」は抗酸化作用があるアントシアニン系ポリフェノールの一種である。ナスの花言葉は真実です。ちなみになす科の野菜にはトマト、しし唐、ピーマン、唐辛子、じゃがいも、タバコなどがある。

なすの栄養価

なすには水分が多く、カロリーが少ない野菜であると言えます。栄養素としてはカリウム、βカロテン、アスパラギン酸、食物繊維が主に含まれています。夏野菜として知られていますが、夏バテの防止にカリウムなどは有効な成分と言えます。

主要栄養素

100g当たりの栄養素

生の場合(油炒めにした場合)

エネルギー 22kcal(79kcal)

カリウム 220mg(290mg)

βカロテン 0.1mg(0.19mg)

炭水化物 5100mg(6300mg)

パントテン酸 0.33mg(0.4mg)

マグネシウム 17mg(21g)

食物繊維を含む炭水化物はそれなりに豊富でカロリーも少なめなのでダイエットなどには効果的な野菜と言えるかもしれません。βカロテンはビタミンAに変換され皮膚や粘膜の免疫力を高めてくれる効果があります。

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薬用として用いる茄子

茄子は古来より薬用として用いられてきました。その部位は果実やへた、花など様々な部位に及びます。

  • ・・・乾燥した花とクズの花と一緒に煎じ二日酔いの際に用いる。
  • ヘタ・・・漢方では茄蔕(かてい)と称される。ナスのヘタは黒焼きにして、その粉末と塩を混ぜたもので歯を磨いたそうです。現在でいう歯磨き粉の役割を担っていました。現在でもナスの黒焼きが成分となった歯磨き粉が販売されています。
  • ・・・乾燥した茎を水と共に煎じたものを患部に着けることで関節の腫れ、痛みなどに効果があるとされている。
  • ・・・乾燥した根を水と共に煎じたものを「あかぎれ」の患部につけると効果があるとされる。
  • 果実・・・漢方では茄子(かし)と称される。果実を縦割にして切り口を患部に当てると良いといわれており、打ち身、捻挫、軽い火傷に効果があるとされています。

茄子の品種

茄子は様々な種があり日本で約70種、なんと世界ではおよそ1000種もの品種があるといわれています。ここでは日本で栽培されている大まかな種類とその特徴を御紹介していきます。

  • 小丸茄子(小ナス)・・・皮が柔らかく、種子がないのが特徴。京都の捥ぎ(もぎ)、東北の民田、山形の出羽がある。
  • 丸茄子・・・扁球形の果実は、皮がかためで果肉が緻密なのが特徴。煮崩れしにくく、田楽などに使われる。信越地方、関西で多く栽培され、京野菜の加茂茄子が良く知られる。
  • 卵形茄子・・・かつて関東で出回っていた品種、中長ナスの需要により現在では流通していない。
  • 千両茄子・・・卵形なすと中長ナスの交雑による改良品種。へたの近くまで濃い紫色になる。関東を中心に東日本で出回っている。
  • 中長茄子・・・流通量が最も多い品種。皮・果肉とも柔らかく様々な調理法で使える。
  • 長茄子・・・果実の長さが20~30cmあり、果肉が柔らかいのが特徴。やや水分が多く、調理法としては蒸し、焼き、塩もみに向く。西日本の津田長、博多長、ブルネットなどがある。
  • 米茄子・・・アメリカ品種ブラックビューティーを日本で改良した大型種で、ヘタが緑色なのが特徴である。果肉は閉まっていて焼き物、揚げ物、漬物に使われる。新潟県魚沼産の長岡巾着なすが良く知られる。
  • 白茄子・・・東南アジアの品種で果実が真っ白なナス。皮がややかたい。灰汁が少なく、煮ると煮汁が黒くならない。越後白茄子などが知られる。皮が白い為、紫色の皮に含まれるナスニンが含まれていない。
  • 白長茄子・・・実が20~23cm程の大長タイプの白なす。淡緑色でヘタが小さい。皮が固いが果肉は柔らかく、焼きナスなどに利用できる。
  • 緑茄子・・・埼玉県などで栽培される緑色のなす。加熱すると身は柔らかくなり、焼き物、炒め物、揚げ物に向く。
なすの種類について茄子には様々な形や大きさがあり、それにより用途も変わってくることでしょう。その様な茄子の種類について説明していきます...

地域特産品種(ブランド品種)

  • 民田なす・・・山形県鶴岡市民田に由来する江戸時代から続く伝統品種。果実は15~20gと小さく、辛子漬けなどに使われる。
  • 早生真黒茄子・・・埼玉県草加市で発達した中長茄子。やや小ぶりで現在の中型なす交配品種の原型と言われている。
  • 仙台長茄子・・・燕口に例えられる先のとがったスリムな形と、皮が薄く果肉がしまり、ほのかな苦味のある独特の風味が特徴。伊達藩の時代から作られ、400年の歴史を持つ。紫紺長茄子とも呼ばれる。
  • 十全なす・・・泉州水茄子系の一種で昭和初期に新潟県中蒲原群十全村(現五泉市)で栽培したのが始まり。巾着型をしていることから「巾着なす」とも呼ばれている。
  • ていざなす・・・長野県天龍村の名産野菜で信州の伝統野菜に選定されています。当初はていざなすという名前ではなく栽培を始めた田井沢氏の名前を取り「田井沢なす」と名付けられたが、それが訛り「ていざなす」と呼ばれるようになったといわれている。大きいものは30cmを超えて重量も1kgほどになる。成熟すると皮が金色に見えることから「黄金の茄子」ともいわれることもあります。
  • 折戸なす・・・静岡県清水区の伝統野菜で、2000年代に復活。初夢で縁起がいいとされる一富士二鷹三茄子の由来として伝わる。
  • 加茂茄子・・・京都府の北山周辺で栽培される伝統野菜で直径15~20cm、重さ300gにもなる。別名、大芹川。円形で良く締まり、黒く艶のある紫色をした大果が特徴の茄子。主に煮物用に重視され、田楽も有名。起源は明らかではないが貞享元年(1684年)刊行の「雍州府志」に加茂茄子と想像される記録がある。露地栽培では6~9月にかけて収穫され、旬とされる。
  • 水茄子(泉州水茄子)・・・江戸時代より大阪府泉州地域(岸和田市、泉佐野市、貝塚市など)だけで栽培されている特産品。水分の多い丸茄子で皮も身も柔らかく、アクも少ない為、浅漬けにして生食できる。大坂・泉州の糠漬けが有名。旬は3~9月。
  • 赤茄子・・・長茄子系の早生種で熊本県の在来種。果皮が赤紫色で、果肉が柔らかく、種が少ない。焼き茄子に向き、漬物には向いていない。
地域別なす品種、近畿地方なすは世界で1000種類以上の品種があると言われています。 日本でも様々な品種改良などが行われより優れた品種が多数あります。中でもその土地にあった条件で育った上質のなすはブランド品種になっている他、地域の特産品として愛されています。...
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地域別なす品種 中部地方なすは世界で1000種類以上の品種があると言われています。 日本でも様々な品種改良などが行われより優れた品種が多数あります。中でもその土地にあった条件で育った上質のなすはブランド品種になっている他、地域の特産品として愛されています...

なすの扱い方について

なすはアクが強く切った切り口が黒くなるなどするためその扱い方次第で料理の見栄えなどが変わってしまいます。皮の下の部分には苦味があり、油との相性が良い食材です。アクを多く含むことから生食はされません、ただ大坂の泉州水茄子などの水茄子と呼ばれる一部の品種は生食が可能で、皮を剥いて味噌だれで食べることができるほか糠漬けにもします。食べるときは切り口を入れると手でさけるので裂いて諸味噌で食べます。

茄子の扱い方と豆知識

なすのアク抜きの仕方。

なすはアクが多く含まれている為、切った後に放置すると変色してしまいます。下拵えとして他の食材もまとめて切るなどにより、切った後しばらく置いておく時間があるのであれば水に漬けておきましょう。また食塩水を利用すると酵素作用も抑制できます。

水に漬けすぎるとなすの皮に含まれる有用成分であるナスニンが溶け出してしまいますのであまり長く漬けすぎないことをお勧めします。すぐ使うようであれば水に漬けなくても大丈夫です。他の野菜とまとめて切る際なども最後に切るなどして工夫しましょう。

余分な水分と一緒にアクを抜く際は切ったなすをバットなどに並べ切り口に塩を振りかけしばらく置いてからペーパータオルでふき取ります。こうすることで余分な水分と一緒にアクも抜けます。

水分を抜くことで、炒め物などをする際に油分の吸収を防いでくれるので一石二鳥です。

なすは高温で揚げる

なすはおよそ90%が水分の為、低温で揚げるとなすの水分で揚げた後しなしなになってしまいます。高温で揚げることによりアクも抜けるほか、皮の紫色が鮮やかに仕上がります。また揚げる際に水分がついている場合はしっかりとふき取ってから揚げるようにしましょう。

なすの皮はできるだけ剥かないようにする。

なすは縞目に向いて調理すると見栄えもよく火の通りも早くなるなどの利点がありますが、なすの皮には「ナスニン」という体に健康的な効果をもたらすポリフェノールの一種が含まれております。これはなすの皮の部分に含まれている為、できるだけ皮の部分を残すように調理しましょう。剥いた部分のなうの皮をきんぴらや炒めてサラダと一緒に和えるなど利用すれば、健康成分を余すことなく摂取できます。

なすの選び方

  • 果皮は変色がなく鮮やかな濃い色をしており表面には傷などがなく張りや艶があるものを選びましょう。
  • へた(ガク)の棘が鋭くとがっているものが良品とされます、また茶色く変色しているものは避けましょう。へたの裏が真っ白なものは新鮮な証拠です。
  • 水分の多い野菜なので持った際にずっしりと重みのあるものを選びましょう、軽いものは中がスカスカの状態の可能性があります。
  • 茎の部分が太くて切り口が瑞々しいものを選びましょう。

なすの保存方法

なすはインドが原産で元々暖かい気候で栽培される野菜の為、暑さや湿度には強い一方で寒さや乾燥に弱いです。最適な保存条件は温度が8~12℃、湿度が90~95%とされ5度以下で保存すると低温障害を引き起こし、変色や軟化の原因となります。

保存する際は温度管理できる野菜室にいれるか、風通しの良い冷暗所で保存しましょう。気温が高い時は冷蔵庫の野菜室に入れますが、入れる際は一本一本ラップをして紙袋などで包んで保存するといいでしょう。

紙袋などに入れて風通しのよい10~15℃ほどの冷暗所に保存する。気温が高い時期はタップなどに包み冷蔵庫に入れる。ただ冷蔵すると皮も果肉も固くなってしまい風味も落ちます。

長期保存可能な干し茄子

干しなすはなすを長期保存するために山形県で古くから伝えられてきた手法です。現在ではインターネットの普及などで広く知れ渡り、自宅で干しなすを作る人も増えています。ちなみに山形県では「干しなす」ではなく「なす干し」と呼びます。

干しなすの作り方

なすの皮を剥いて縦8つに切り、塩をなじませてアクぬきをし、天気のいい日に簾などに広げます。裏表を返し水分がなくなるまで天日干しをしたら完成です。干した物は袋にいれた後に発泡スチロールの箱などに保存し、使う分だけ水で戻して使用するようにしましょう。

なすを用いた主な料理

なすは手ごろな値段で購入でき現在はハウス栽培などで年中手に入る事からじゃがいもや、玉葱といった野菜同様に一般の家庭でも広く使われるようになりました。料理としてのバリエーションも広く、揚げ物、炒め物、焼き物など様々な形で活用されています。なす料理として有名なところでは麻婆茄子、しぎ焼、田楽、焼きなすなどがあります。

なすを用いた地域の郷土料理

古くから日本にある野菜であるため、地域の特性に合わせた色々な食べ方があります。ここでその一部を御紹介します。

  • なすそうめん・・・素麺の名産地である小豆島がある香川県や北陸地方などの郷土料理で、なすと素麺を一緒に盛りつけた料理。香川県ではなすと油揚げを炒めて唐辛子の入った麺つゆで煮込む為、少しピリ辛で冷製でも温製でも食べられます。北陸ではシンプルに茄子をめんつゆで煮込んでそうめんと和えます。北陸地方では主に温製でいただきます。
  • なすの紫蘇巻き・・・青森県津軽地方の郷土料理で短冊にしたなすを味噌、砂糖、みりんなどで合わせ紫蘇に巻いて焼いた料理。各家庭により赤青の紫蘇の種類、調味料の配分、使う味噌などにこだわりがあり家庭の味が出る料理です。
  • 油なす、油味噌・・・長野県の郷土料理で少し多めの油で茄子とピーマンを炒め、そこに味噌、砂糖、水又はみりんを合わせた調味料を入れて絡めたもの。
  • なすのよごし・・・富山県に伝わる郷土料理で乱切りの茄子をしっかりと茹で、味噌と味醂で炒めたもの。仕上げに白ごまを振りかける。
  • 加茂茄子田楽・・・農林水産省選定「農村漁村の郷土料理百選」に選ばれた京都府の「郷土料理で加茂茄子を一口大に切って揚げた物に田楽味噌をかけていただきます。
  • ふかし(蒸し)なす・・・ナスの消費量1位である新潟県の郷土料理。巾着なすのへたを取り皮を剥き、半分にして蒸した後に冷水で冷やしたもの。手で裂いて辛子醤油でいただきます。また地域によっては「なすぶかし」とも呼ばれます。
  • じゃこごうこ・・・大阪泉州地域に伝わる郷土料理。泉州水なすが有名な地域で水なすの古漬けの塩抜きをして、出汁でえびじゃこと一緒に煮合わせた料理。泉州地方でじゃことはえびじゃこを指し、こうこ(香の物)は漬物を指します。その二つが合わさって「じゃこごうこ」となりました。
  • なすのずんだあえ・・・長茄子を始め多様のなすを収穫し、枝豆の特産地でもある千葉県の郷土料理で素揚げしたなすに枝豆を擂って作る「ずんだ」を和えたもの。
  • なすごんげ・・・山形県庄内地方の郷土料理で味噌、酒、砂糖の調味料で挽肉と茄子を炒めて、刻んだ紫蘇を合わせたもの。
  • 焼き茄子のアイス・・・郷土料理ではないですが高知県安芸市の「安芸グループふぁーむ」で作られたもので2012年のご当地アイスグランプリ最高金賞、優秀仰天力賞のダブル受賞したアイスです。

なすを用いた海外料理

  • サラダ・デ・ヴィテネ・・・ルーマニア料理で焼いたナスをたたいてマヨネーズなどと合わせてペーストにしたもの。バケットの上にのせて食べるのが一般的。
  • メランザーネ・アッラ・パルミジャーナ・・・南イタリアではポピュラーな家庭料理の一つで薄く切って素揚げしたナス、トマトソース、モッツァレラチーズ、パルミジャーノチーズを何段にも重ねてオーブンで焼いた料理です。これと似た料理にギリシャ料理の代名詞ともいえるムサカがあります。
  • パトゥルジャン・イマム・バユルドゥ(坊さんの気絶)・・・なす料理だけで200種類近くあるといわれる茄子料理大国トルコに伝わる伝統料理の一つです。パトゥルジャンはナス、イマムは僧侶、バユルドゥは気絶したを指す言葉です。ニンニク、玉葱、トマトのみじん切りを炒めたものを用意し、それを縞目に剥いて蒸し焼きにします。そのなすに切れ目を入れて詰めます。最後にスープまたはレモン汁を加えた水で煮汁が無くなるまで煮込んだ料理です。そのまま、もしくは冷蔵庫で冷やして食べます。
  • アチャール・・・かなり刺激が強いインドのピクルスの様なもので。付け和わせとしても用いられ、日本の福神漬けのようにインドカレーの横に添えたりもします。角切りにしたなすをニンニクやパプリカ、コリアンダーなどの様々な香辛料と一緒に多めの油で炒め、最後にレモン汁やビネガーなどを合わせたものです。

なすにまつわる文化、言い習わしなど

なすは古くから日本で愛されてきた野菜であるゆえ様々な諺や言い習わしなどにも用いられてきました。そんななすを用いた言葉を少し紹介したいと思います。

秋茄子は嫁に食わすな

この言葉は「秋茄子わささの糟に漬けまぜて嫁には呉れじ棚におくとも」という歌が元になっており、嫁を憎む姑の心境を示しているという説がある。また「茄子は性寒利、多食すれば必ず腹痛下痢す。女はよく子宮を傷ふ(養生訓)」などから、嫁の体を案じた言葉だという説もある。姑の嫌がらせか、嫁を思ってのことからなのか?どちらの説なのでしょう?

「親の小言と茄子の花には、千に一つの無駄も無い」

茄子の花が結実する割合が高いことに親の小言を喩えた諺。なすは花が咲けば実をつける、子を思って言った言葉は必ず無駄にはならず身になるということ。

「瓜の蔓に茄子はならぬ」

非凡な子供を茄子に例えて、平凡な親からは非凡な子は産まれないという意味。似た諺で「蛙の子は蛙」がある。

一富士二鷹三茄子

すべて駿河(現在の静岡県)の名物だがこれは徳川家康が好んでいたことに由来する。富士山を愛し、鷹狩りを趣味としてなすは好物だったという。江戸時代に徳川幕府が駿府に命じて、茄子の菜園を作り早飛脚で江戸に送らせたといわれる。また別の説では将軍を退きそののちに生活をしていた駿河の高いもの三つという説もあり、一番は富士山、二番は愛鷹山、三番は初物であるなすの初物の値段を表している。

毎月17日はなすの日

2004年より「冬春なす主産県協議会」が毎月17日を「国産なす消費拡大の日」として制定。4月17日は「なすび記念日」良い茄子のごろ合わせで、なすが好物の徳川家康の命日でもある。

茄子図

江戸初期に二刀流の剣豪宮本武蔵が画いた茄子図がある。宮本武蔵がなすを好物としていたかはわからないが、この当時から愛される食材であったのだろうと考えられる。

ボケナス

ナスは環境が良すぎるところでは身を付けなくなる。それをボケナスという。人間に例えると環境のいい温室育ちで、一人では何もできない人をボケナスと呼んだが、今日ではもっと広い範囲でとぼけた人などのこともボケナスと呼ぶようになった。

オタンコナス

江戸時代の新吉原(遊郭街)で遊女たちが嫌な客を「おたんちん」と呼んでいたことから変化した説がある。おたんちん=短い生殖器という悪口(御短ちん)と小茄子を生殖器に見立て合わせた言葉。または御炭鉱茄子という字をあてた説もある。これは炭鉱の近くで採れたなすは灰をかぶっていて売り物にならないという意味である。現在ではのろま、間抜けな人をののしる言葉となっている。

なす栽培について

地域や品種により異なりますが目安として2月に種を植え、5月に植え付け、7~10月位に収穫します。

種まき、畑の準備

苗を育てるため植木鉢に3~4粒程度種をまきます。本葉が2枚程度出たら活きの良い物を残し間引きします。苗を植えるための畑は肥料を撒き、前もって良く耕しておきましょう。

定植

本葉が5枚程度になったら畑の畝に植え付けを行います。この際株と株の間は40~50cm離してくっつきすぎないようにします。成長すると株が倒れてしまうため、株の脇に支柱を立て麻のひもなどを軽くしばり誘引し、株が倒れないようにします。また根元にわらやビニールシートを敷きマルチングをしましょう。こうすることで乾燥を防ぎ、病気からも守られます。

水やり、追肥

なすは全体の90%が水分でできた野菜の為生育中も水を好む性質であります。逆に乾燥に弱い面があるため、日ごろの水やりで乾燥させないように管理いたしましょう。定植後2~3週間ほどで追肥を行いその後も同じ周期で追肥を行いましょう。

整枝

一番最初に咲いた花が咲いた枝と、その下の二つの合計三本を残して他の芽を摘み取ります。これを行わないと他の芽に余分な栄養が取られてしまいおいしい茄子ができなくなります。

収穫

ある程度実が大きくなったところで収穫します。余分な葉は取り除くようにして収穫を待ちます。あまり大きくなってしまうと身がスカスカになってしまいますので収穫期は見極めましょう。夏になると枝が増えてきますが、伸びた枝を切り肥料や水やりをしっかりと行い収穫を休むことで秋にもう一度収穫できるようになります。