野菜

地域別なす品種、近畿地方

なすは世界で1000種類以上の品種があると言われています。

日本でも様々な品種改良などが行われより優れた品種が多数あります。中でもその土地にあった条件で育った上質のなすはブランド品種になっている他、地域の特産品として愛されています。この記事ではそんな地域の特産品であるなすの品種を分かりやすく説明いたしております。

なすのブランド、又は伝統的な品種 近畿編

大阪府のなす

水なす(泉州水なす、馬場なす、澤なす)

大阪に伝わる水なすにも地域ごとに品種や栽培方法などが違いがありそれぞれの特性がある。

泉州水なす

江戸時代より大阪府泉州地域(主に岸和田市、貝塚市、熊取町、泉佐野市)で栽培されている特産品で水分の多い卵形の丸茄子は皮も身も柔らかく、甘みがありアクが少ない為、浅漬けにして生食ができるなすです。「なにわ特産品」に認定されています。栽培が難しく選抜基準も厳しい為高級食材としてほとんど市場に出回る事はありません。大阪・泉州の糠漬けとして有名である。生食すると梨にも例えられる甘さが広がります。また泉州水なすを生で食べるための「泉州水なす用さしみだれ」や泉州水なすを原料に用いた「泉州水なすドレッシング」なるものも販売されています。

馬場茄子

大阪府貝塚市で栽培されているなすで皮が薄く傷つきやすいことから市場に出ることはほとんどなく現在では一部の農家でしか栽培されていない「幻の水なす」とされています。細長い形のなすで皮が薄くずっしりとした重みを感じるなすは生で食べることができさくっとした食感を味わえる他、浅漬けにも用いられます。

澤なす

栽培農家がほとんどなく、他の水なすよりもさらに希少な品種で現在市場にでることがないなすである。ただでさえ難しいとされている水なすの中で、果皮がぼけやすく病気にかかりやすい点で栽培はさらに難しいという。他の水なすと同じく生で食すことができ食味も良いという。

大阪府の運営するHPでは水なすの発祥を和泉国日根群上之郷村としているが、室町時代の「庭訓往来」には澤なすに対して「みつなす」の読みを振っており、和泉国日根群澤村が水なすの発祥とする説が有力視されている。

京都府のなす

賀茂茄子

京都府の北区加茂周辺で栽培される「京の伝統野菜」に認定されているなすで直径15~20cmに、重さ300グラムにもなる丸なすです。芹川で盛んに栽培されていたことから大芹川という別名があり、また「なすの女王」と称されることもあります。その起源は明らかではないが貞享元年(1684年)刊行の雍州府志に賀茂茄子と想像される記録があり、一説には上賀茂地区で栽培が始まったという説があります。円形でしまりが良く黒く艶のある紫色をが特徴。煮物用に利用される他、賀茂茄子田楽も有名である。

もぎなす

明治の初めに現在の京都市左京区聖護院にて在来種のなすから選抜され栽培が始められたのがルーツとなります。古い歴史をもったなすで「京の伝統野菜」にも認定されています。長さ5cm、直径3センチほど丸い卵形をしていて、皮が薄く濃い紫色をしています。

京山科なす

加茂茄子と並ぶ京の伝統野菜の一つとして認定されたなすで京丹後市で栽培されています。一説には慶応年間に京都市左京区吉田あたりで栽培されていた小型のもぎなすを大きく改良したものと言われています。ふっくらとした卵形の中型なすで薄い皮と柔らかい実が特徴。焼きなす、煮物、糠漬けと様々な料理にあう万能品種で味もよくきれいな仕上がりから京料理には欠かせないなすとして用いられてきました・

兵庫県のなす

シルクなす

但東町のオリジナル野菜で色は真っ白である。アメリカ原産品種を改良した一代交配品種(F1)身がしまっていて糖度水分量が一般的ななすの2倍ほど皮は少し硬め。田楽、天婦羅、炒め物やお浸しに合う茄子です。

奈良県のなす

大和丸なす

奈良県大和郡山市平和地区や奈良市で古くから栽培されている紫色で艶のある丸なすです。奈良県で「大和の伝統野菜」に認定されています。肉質は良く煮崩れしにくく焼いても煮てもしっかりとした食感が残ります。高級食材として評価されており京都などの料亭に出回っている。栽培に手間暇がかかり、一般の茄子に比べて収穫量は5分の1程度しかない貴重ななすです。

滋賀県のなす

杉谷なす

滋賀県黄河氏甲南町の杉谷地区で江戸時代から栽培されてきた丸茄子です。直径10cm程度の楕円形で重さは300~400gにもなる。煮ても形が崩れにくくにもにゃ田楽、炒め物に向きます。

高月丸なす

滋賀県長浜市高月町井口地区で昔から栽培されてきた丸なすで、やや巾着型のため地元ではきんちゃくなすとも呼ばれている。表面は艶があり生産者は10件程度で収穫量の少ない貴重なナスなすです。果肉は緻密で煮崩れしにくく皮は薄い。煮物によく合いますが、田楽や炒め物、また丸なすには珍しく漬物にもよく合うので地元ではからし漬けやどぼ漬け(糠漬け)などにもされている。

下田なす

滋賀県湖南市の下田地区で明治時代以前から栽培されている「近江の伝統野菜」の一つであるなすです。小ぶりな卵形をしており長さは6~10cmほど、色もやや薄いなすです。実は柔らかく水分が豊富なためジューシーで甘く、アクが少ないのも特徴です。伝統の味を守るため、栽培には大変手間がかかるため収穫量が少なく、大きさが不ぞろいになりやすいなどの理由から市場に出回る量がない為、希少ななすとなっています。浅漬けなどにとても会いますが、皮が薄い為煮物や炒め物などにも合い、万能的ななすと言えます。

和歌山県のなす

稲成なす

和歌山県田辺市稲成町特産のなすで1000年以上前に稲成町に伝わってきたという歴史あるなすです。地元などではきんちゃくなすとも呼ばれている丸型のなすで直径は10cmほど果皮は薄いが肉質は緻密である。栽培が難しく収穫量が少ないため希少ななすである。和歌山に古くから伝わる金山寺味噌の具材として利用される他、煮物や粕漬などにして食べられている。

湯浅なす

和歌山県有田郡湯浅町で江戸時代から作られてきたという歴史あるなすで、金山寺味噌用のなすとされていますがもちろん普通に茄子として食べてもおいしくいただけます。実はまん丸く実は詰まっておりずっしりとした重みがあります。煮崩れしにくく、生で食べても甘みを感じられるほどジューシーで濃厚な味わいのなすです。かつて栽培農家が1~2軒にまで減少し、絶滅の危機にも面しましたが地域栽培農家たちによる協力を得て復活を遂げています。

湯浅は醤油づくりの発祥の地とも言われ、醤油の起源は金山寺味噌(怪山寺味噌)をつけこんだ桶にたまった汁だとも伝えられています。