春・魚

貽貝(いがい)料理と基本情報

貽貝

和食店で貽貝料理が献立にのっている事を見た事はありませんし、使用しているお店も少ないと思いますが、普通に美味しい貝です。ムール貝と混同されがちですが一応別物です。

貽貝基本情報

イガイ科イガイ属の二枚貝

むらさきイガイ(ムール貝)、もえぎイガイ(パーナ貝)、エゾ貝などの種類がある。現在では市場で貽貝の事をムール貝と表記しておいてあることもある。

イガイは殻は最大で15㎝ほど、丸みの帯びた三角形、殻は厚く、黒いものが多いが褐色がかっているものもある。

ムール貝は殻は10cm位、青みが強い、殻の内側は艶の無いコバルト色、身はオレンジ色、湾港の施設や防波堤などに群生。現在は洗浄養殖されている

強い足糸(そくし)で岩礁に付着し容易に離れない、口に黒毛がある。『ヒメガイ』『ニトリガイ』などと呼ばれる事もある。四国の一部では『セトガイ』と呼ぶ。性転換し産卵期は7月~9月。

イガイはヨーロッパからの移入種のむらさき貝(ムール貝)の方が有名で、市場でもムール貝が多数並んでいる。イガイはムール貝という表記で並んでいる事もある。天然物は産地だけのものとなっているのかもしれない。しかしイガイは、味も良く香りも素晴らしいので、もっと日の目を見ても良いと思うのだが。

貝殻はやや硬めだが、簡単に割れる。表面の汚れをよくとり、足糸を抜いてから調理する。足糸は残ってしまう場合もあるので火を入れてから確認する事を忘れないように。身は火を通すと縮む、濃厚な旨味があり、良い出汁がとれる。

【名前の由来】

  1. 『異貝』これでイガイ。普通の2枚貝とは形や体の模様が違っているという意味。これが『貽貝』になったのは、女性器に似た貝ということで『貽』が使われているとされている。
  2. イガイのイはアコヤのことで、真珠光沢のある貝という意味。

と諸説あります。

【貽貝別称・地方名】

  • ムール貝
  • 姫貝
  • パーナ貝
  • にたり貝
  • 東海夫人
  • ええ貝

旬 

冬~春

貽貝産地

北海道南部~九州 外洋の岩礁に群生

北海道、三陸、瀬戸内海周辺のものが主な産地

調理法・扱い方・食べ方

砂は少ないが3%位の塩水でしっかり砂は抜きましょう。殻についている汚れはよく洗って落とし、足糸も取りましょう。

貽貝と若芽のぬた(酢の物)

  1. 身を取り出し、内臓を取り除く
  2. 塩水で綺麗に洗い酢洗いしておく
  3. ワカメ、イガイを土佐酢につけておく(2時間~)
  4. 盛り付け酢味噌を鞍掛けして天に赤芽でも盛ってあげましょう

独活や分葱を茹でこぼして使っても良いです。

ぬたの作り方は合わせ酢のページでしていますので、そちらをご覧ください

貽貝炊き込みご飯

瀬戸貝飯ともいい、瀬戸内海周辺では良く使われているようです。

牛蒡や、人参、椎茸などとイガイを一緒に炊き込む。

用途にもよるでしょうが、15杯~20杯・薄1・味0,5位の地で炊きましょう。

貽貝コキール焼き(焼き物・前菜)

イガイに玉素を入れてコンガリ焼く。余計な味付けはしない方が良い。短時間でさっと焼く。前菜に黄色が欲しい時など重宝します。

玉素とは。卵黄に油をいれたもの。分離しないように、撹拌機で一生懸命混ぜる、分離すると使い物にならない、最初は油を少しづつ入れるのがコツ。卵黄1個に対して油120~180㏄位入れる。用途によって油の量は調節する。

献立お役立て!

美味しい貝なのですが、ムール貝となると献立に書きづらいなーと思ってしまう事もありましたし、洋食のイメージが強いですよね。代表的なものでパエリアとかアクアパッツァやアヒージョ、ワイン蒸しなど、少々和食の献立に入れるのは勇気がいりますよねw。貽貝と書くにしてもこの漢字の由来も女性器を表せていると知ってから、お客様がもし知っていたら・・・・なんて考えました。しかし美味しい貝ではあるので皆様もガンガン献立にうまいこと入れてあげて下さい。